かあさんの歌
2023.10.26
多くの方は、その歌を聴くとしみじみしたりするだろうけど、私は違っていた。

小学生の頃、音楽の時間だったか、ある時期この歌を何度も歌わされていたことがあった。
せめてラジオきかせたい♫

・・・って、昔だから真空管だよな、電気が来てない村なら鉱石ラジオかな、などと想像にふけっていた。

自分が興味ある所(ラジオ)だけ、ただそれだけに関心があった。

「ラジオ」
ただ、それだけに執着していた。

その頃は鉱石ラジオで頭がいっぱいだった。
簡単な回路なのに、何度試しても作り直しても、全く聞こえてこない。
電源なしだなんて嘘じゃないかとか疑ったりもした。

学校の図書室にあった理科や実験の本を調べて、色んな回路を見比べたりしていた。
何か使っている部品が違うんじゃないか。
最初の頃だから勝手がわからない。正確に一致してないから駄目なんじゃないかと不安もあった。

原因は以前書いたかもしれないけど、そもそもバリコンの使い方を間違っていた。
エアバリコンの端子には、ローターとステータがある。
ステータの両サイドに端子があるもんだから、その両サイドの端子とコイルを並列にしてしまった。ただショートさせただけだからコンデンサの働きをしないどころか、聞こえないのは当たり前。

真空管ラジオを開けて、バリコン付近を良く見ると、回転軸の近くにも線がつながっていた。まさか、これじゃないかと気づいたわけ。

台所の箸立てカバーを勝手に拝借して、それにTVの偏向コイルをほぐしたエナメル線を巻き付けて適当なコイルを作った。
そしてアンテナを張り、イヤホンを耳に入れてみると、なにやら声が聞こえてきた。小さな声だけど放送が聞こえている。

近所の畑で誰かラジオを鳴らしているんだと思ったが違った。確かにイヤホンから聞こえる。

あの瞬間は忘れられない。
トラックバックURL
トラックバック一覧
コメント一覧
kanitama - 2023年10月26日 21:31
最初のインパクトが強すぎてラジオの世界にのめりこんでいったのですね。その流れでコンピュータに出会うことになった感じがしますね。もしかすると、あの時なにも聞こえなかったらこの世界の住人ではなかったことも考えられますね。
コメント投稿

名前

URL

メッセージ

- CafeLog -