たのしい実験と部品
2023.11.29
古本屋を探索しながら、タイトルを見て「もしや」と思い、注文して届いたのがコレ。



(個人名が書かれているので隠してあります)





やはり目当ての物だった。但し、年代はちょっと古め。
これはかなりのレア物。なかなか市場に出てこない。一般書店で売られていなかったので出回ってない。

昭和50年代ごろから「ラジオの製作」などの雑誌に、「JEC ジャパン・エレクトロニクス・サークル」の広告が載っていた。
切手を何百円分送れば、豪華カタログなどを送りますといったもので、会員証もあった。
「太陽電池プレゼント券」に釣られて申し込んだようなもの。

古い雑誌を見た為、同封する切手の金額が足りなくて、あとで追加を送るはめに。
(雑誌は毎号買えなかったので、とりあえず手元にある雑誌を見るしかなかった)

こんな広告だった。

(1977年の「子供の科学」より)

カタログと会報と製作記事を一緒くたにしたような小冊子だった。

当時は夢中になって何度も何度も読み返した。むさぼるように。
いまと違って情報源は限られていた。雑誌ぐらいしかなかったのである。テレビでは電子工作といったマイナーな趣味はめったに取り扱われなかった。(自分の年代では)

さて、この小冊子の年代はわからない。真空管の記事が多いので古そうだなという感じ。
発行年は書かれていないが、郵便料金からの推測では昭和40年代前半ではないだろうか。計算尺の広告があるので、カシオミニが出るよりも前だろうけれど。

当時は株式会社実務機器という社名だったようだ。
JECは、後のジャパン・エレクトロニクス・サークルではなく、この当時は「実務 エレクトロ クラブ」の略だった。

会社の所在地は書いてない。私書箱の宛先しか記載がない。おそらく郵便のやりとりが多かったので私書箱を契約していたのだろうと思う。あやしい会社ではないだろう。

子供の頃、通販に対して抱いていたのは「怪しい」ということ。お金を送って品物が来ない、なんてことにならないだろうな?と疑いながら現金書留などを送ったものだ。
当時は現代のようにせっかちでタイパでコスパな時代ではなく、のんびりしたもので、品物が届くまで1週間や2週間は普通だった。
毎日のようにポストをのぞいてみるが、なかなか届かず、忘れた頃に届いたりしてビックリするので、かえって楽しみだった。

当時の通販でだまされた事はない。近年になってだまされたけどね。ニセ通販サイトに。

ところで、「太陽電池プレゼント券」どうなったかというと・・・通販で部品を買う時に同封したけど結局、太陽電池はもらってない。
商品はちゃんと届いたけど。
確か航空無線コンバータだったか、50MHzのコンバータだったか、そんなのを買って組み立てたのだけど、
たぶんあれは、説明書の見た感じから、おそらくラジオの製作などの記事のピーコさんだな。

ちゃんと組み立てたけど、動かしてみてもなんだかパッとしなくて・・・いま考えてみれば不思議じゃない。放送と違って、航空無線とか無線交信は「常に電波が出てない」から、周波数とタイミングが合わないと受信できないんだな。だから雑音しか聴こえない。
当時は全然わかってなかった。知らなかった。これさえ買えば(組み立てれば)、簡単に聞けると期待してしまっていたわけ。

ところでJECのその後、ラジオの製作やラジオライフにも広告が出ていたけど、いつまで出ていたかは記憶にないけど、21世紀になるかならないかの時には無くなったんじゃなかったかな。よく覚えて無くてスマヌ。

なんだかなあ。でも、あの頃、忘れた頃にひょっこり小さな小包がポストに入っていたのを見つけた感じ、あの小さな箱が愛おしく感じられる。毎日、学校から帰るのが楽しみだった。
ヒーング
2023.11.29
これはインドの香辛料で、ヒーングと言うものだが・・・



強い臭いがすると聞いていたけど、全然気にならなかった。
容器を振ってから、またフタを開いて嗅いでみたけど、全然。

まだ賞味期限内だけど、成分が飛んでしまったのかねえ。

自分は、嗅覚は正常だと思うが・・・(最近食べたインドスナックにも、これが成分として含まれていた。きっと、慣れのせいか)

炒め物をする時に入れると臭いが消えていくという。まだ試してない。今度試してみる。
かけざんけいさんき(続々)
2023.11.28
入力は0~9までの押しボタンの列が2組

10進数から2進数4bitへのエンコーダ回路(ダイオードマトリクス)

このままだとボタンを押し続けないといけないから、トグルスイッチか、押しボタンだったらオルタネート(押すたびにON/OFF交代)のようにメカ的に状態が保持されるものが良い。

本当は、セレクトボタンのようにひとつだけONになる機構のものが望ましい。昔の扇風機のOFF/弱/中/強のボタンだってひとつしか入らないようになっていたでしょう。(無理やり2つ以上押したりして遊んだけどな)

電子的に実現するなら言うまでもなくフリップフロップ

クリアボタン →かけられる数 →かける数 →答え という操作順

次に掛け算回路
前に挙げた1,2,4,8の掛け算マトリクス
ANDと加算回路で構成

あまりにストレートで面白くないので、リレーを駆使すると良さそう。
ガシャ、ガシャ、っていう音。

答えの表示は10位、1位それぞれ0~9までの豆電球が並んでいる。

今度は入力とは逆に、2進数4bitから10進数0~9までのデコーダを使う。それと豆電球を駆動するならその電流が流せる程度のトランジスタを通す必要がある。

黒板(いまどきはホワイトボードか、電子ボードか)に吊り下げるかマグネットで貼り付けられるような構造
薄く、軽く、アクリルで。
しかしリレーで回路を組むと、そんな薄くて軽いは無理。
かけざんけいさんき(続)
2023.11.28
とりあえず前提として、
  ・電卓は使わない
  ・マイコンは使わない
  ・できるだけ単純にしたい
としてみます。

0~9までの入力があるので10進→2進変換
それが2つ(かける数とかけられる数)

なぜ2進数に変換するかというと、10進数のままでは回路が大規模になって大変。
0x0は省略するとしても、9x9のマトリクスを作って、それぞれの交点でANDしなければいけない。
2進数にすれば、もっと圧縮できる。

掛け算回路の原理




これは九九表です。
9なら1と8です。3なら1と2です。
かける数、かけられる数、それぞれの交わったところの数字を全部足すと、掛け算の答えになります。
これを論理回路で実現すると、それぞれANDをして、その結果を加算回路で足していくわけです。

以上は、あくまでも一例です。
山の頂上へ行く方法がいくつもあるように、答えにたどり着く方法は一つではありません。

もっと回りくどいやり方でも構いません。
たとえば、7x8= は7を8回繰り返して足すような回路にする。

小2の時、
九九表をなかなか覚えられず、先生の前で口頭で全部言えないと、家に帰るのが遅くなりました。必死で覚えて、また先生の前で言って、ひっかかってやり直しです。
覚えてしまったあとでも、九九表をど忘れする事もあります。そんな時、足し算を繰り返したものでした。

7を8回繰り返して足すといっても、人の目で確認できないぐらいの高速で動かせば、まさかそんな事をやっているなんてバレません。

あるいは、
前に書いたように九九表をROMに入れておく。アドレスが8bitあって、それを4bitずつに区切って0~9を割り当てる。ここではBCDで表現します。A~Fまでは考えないものとします。
そして九九表をROMに書き込み、結果はデータバスから、やはりBCDで得られるというものです。
これは昔、実際に作りました。その計算はMSXのBASICで処理して、書込データを作ったのでした。同じくMSX用のROMライタを自作していましたから、その場で書き込みました。

この方式だと素早く答えが出ますけど、簡単すぎて、あまり面白くありませんね。

ちなみにROMはANDとORの組み合わせです。アドレスはANDですね。各ビットのANDで0番地、1番地、2番地・・・というふうにメモリセルを選択します。
それぞれのメモリセルには、8bitの値が入っていて、最終的に出力される前に各番地から来たデータがORされているという考え方です。もちろんひとつの番地しかアクティブになりませんから、壊れたりしていない限り、その番地のデータだけ出力されます。

見てわかりやすそうなのはダイオードアレイでしょうね。とにかくダイオードを縦横に並べて、マトリクスを構成します。

いずれにしても電子回路なので超高速で答えが出ます。

やはり、回りくどくて遅くて、リレーがガシャガシャ動いて、どんだけかかるんだと心配になった後にようやくポロッと答えが出る、なんてのが面白そうです。

例の鑑定番組などで、結果表示なんて一瞬で出るのに、なんでわざわざガシャガシャガシャ・・・と数字を変化させて、間を置いて結果をパッと表示させるかというと、やっぱり「演出」でしょうね。
あっさりと結果を出したって面白くないですからね。
もったいぶるというか、ちょっと期待をもたせるというか、そんな感じです。
かけざんけいさんき
2023.11.28
前に書いた、学校の空き教室倉庫でのケガはショックな出来事だったが、同時にそこで興味深い発見もあった。

何か、大きい木箱のようなものが置いてあった。
表面は、たしかこんな感じ(写真)だったと思う。40年前の記憶で細かいところは不鮮明。


要するにこれは、掛け算を説明する為の教材を誰かが手作りしたものらしい。

黒点のところは釘が打ってあり、電極になっていた。
◯のところは豆電球だった。

つまり、2 x 3 だったら、2と3をリード線でつなげば、6の(1位の)豆電球が灯る、という仕掛けを作りたかったらしい。

中をのぞいてみると、何か中途半端な配線で未完成のようにも見えた。

私は、これに大変興味を持ち、自分で作ってみようと思い立った。
家に帰ると「らくがきちょう」に妄想を書きなぐり始めた。

そこで九九表のように回路を描いていこうとしたが、ふと、行き詰まった。

単純な「まめでんきゅうとかんでんち」の知識だけでは、途中で行き詰まる。上手に説明できないが、実際に回路を作っていくと、回り込みが発生しておかしくなる。

ダイオードを組み合わせなければならないようだ、と気づく。それで考えを進めて行っても、何かモヤモヤする。えらく複雑になりそうだと。

当時は知らなかったが、AND回路とOR回路が必要になってくる。
3x4なら3と4のANDの結果は、ランプ10位の1と1位の2につながるけどそこで他の信号とORする。
ANDやORはダイオードでもリレーでも良い。

これは、今だったらROMに九九表を入れてしまえばいいだろうと思うのだが、当時はそんな発想は無かった。
ただ、「まめでんきゅうとかんでんち」の知識では完成できないのは確かだ。それで中途半端に放置されていたわけ。

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