回覧とメール
2024.02.12
社会に出たのは30年以上前、無我夢中で走ってきたらいつの間にかという感じである。

最初に勤めた怪社では、職場で色々な回覧が回ってきていた。

当時は電子メールどころか、個人ごとのPCは無かった。
部品表や図面などはほとんど手書きで、PCは数台しか無く、CADはもっと少なく、それらをみんなで共有していた。共有というか早い者勝ちで、自分のような下っ端の若造はおこぼれで使える程度だったのである。
CADを長時間占有していると、早くどけとか圧力をかけられる。

余談だが、
そんな状態だったので、仕事上の必要か、業務効率化のために個人でPCを買って怪社に持ち込んでいた人がいた。
ある日、総務部の人たちが回ってきて、会社の備品を総点検しているという。確認の済んだ物にはラベルが貼られていった。
とにかく手当たり次第に見てはラベルを貼り付けていったが、その中で、個人PCまで会社の備品としてラベルが貼られてしまっていた。本人、総務部に電話して事情を説明していたが、そもそも買った記録も何も確認せずに、現状に対して単純作業をしていたのは問題だろう。なんていい加減な、と言われても仕方がない。

そのうちに、係長以上にはノートPCが支給された。下っ端の若造の自分には回ってくるはずもなく、自分でジャンクのラップトップを買って持ち込んだりした。
その係長以上のPCも、係長や課長は白黒液晶の98ノート、部長だけカラー液晶の98ノートというヒエラルキーだった。
いまではカラー液晶なんか当たり前なんだが、当時は白黒液晶の方が多かったし、カラーは高価な機種だった。白黒というか青白みたいな液晶もあった。

回覧の話に戻るが、
全員に周知すべき連絡事項とか、新製品のカタログなどが回覧されてきていた。
添付された紙切れには全員の名前とチェック欄があり、閲覧が済んだらマークを入れて、まだ見ていない人へ回す。

病気で休んだり、出張で留守にした後は大変で、自分の机上は回覧が山積みになっていた。これらの処理がまた面倒くさかった。
それに、こんなふうに誰かのところで停まっていると情報伝達の遅れで不都合も生じないかと思う。出勤している人の中で全部回してしまったほうがよくなかったか。
まあ、みんな面倒だから適当に回したんだろうけど、効率も何も考えていなかった。

そして、一番最後の人がその回覧物をどうするかというのも課題だった。ゴミ箱へ入れるのか、所定のファイルに綴じるのか。最後の人に押し付けられてしまう。

いまの時代ならメールに資料を添付して関係者にCCまたはBCCで送れば一瞬で済むしゴミも出ない。保存もフォルダに入れておけば済む。

振り返ってみると、なんとも無駄な事をしていたのだが、当時はそれが当たり前だったから仕方がない。
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