難しい「これと同じものを」
2024.04.18
焼けたりした部品をポンと1個渡されて、
「これと同じものを」

という注文は、頼む側は簡単に考えているだろうが、頼まれる側にとってはじつは大変なこと。この点がなかなかわかっていただけない。

その手間のわりに値段が安いから、あまりやりたくない仕事だ。部品1個50円とか。

まず、同じ部品というのは手に入らない。たいてい古かったりして、いまでは売ってない。どこかマニアックなところに在庫があるかも、でも劣化してるかもね。

結局、代替品という事になる。

現品に抵抗値や容量の捺印があっても、焼けていたり腐食が進んで読み取れない場合も。
実際これでかなり苦労した経験がある。
同一品があればそちらを参考にできるけれど、1台しかなかったら最悪お手上げ。

60年ぐらい経過したものの文字の読み取りをしていると、考古学者になったような気がした。
すでにコンデンサはコンデンサではなくなっていた。コンデンサの形をした物体になっていた。容量計をあててみると、ほとんど抜けてしまっていた。

同じ電圧、同じ容量の物が見つかったとしよう。しかし同じ寸法とは限らない。
とくに技術の進歩で昔に比べたら小型化が進んでいる。
昔、MZなどレトロマイコンを見るとわかるけど、100μFって意外と大きかったのだ。それが今では直径5ミリ、高さ11ミリでしょう。耐圧によっても変わるけど、せいぜい25Vぐらいまでの話。

とにかく取付ができれば、本体が小さい分には支障ないでしょう。

その部品がどんな回路や環境で使われているのかも確認したいところだ。コンデンサだったら、モーターの始動用なのか、といった内容。

「わからん、基板にのってる」だいたいこんな回答か。

同じ型番の部品が入手できなければ、現在手に入るもので代替品を検討しなければならない。そのためには、色々な資料を調べたり見比べたりと、それなりに手間がかかる。

いろんな手間とか時間を考えると、自分で探したほうがよくないですか、と言って断ったほうが良い。
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kanitama - 2024年04月18日 21:10
あまり古いものは却下でよいのではないでしょうか。昭和60年以前のものはお断りという方向性もありだとおもいます。修理せず新しく作り直すことをお勧めしたいものです。
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