パソ通とISDN
2023.06.05
今ではすっかり目立たなくなったISDN・・・

パソコン通信全盛期には、注目されていた。
アナログ1回線しかなくても2回線に増やす近道だったし、デジタル回線だから通信の品質も良かった。

通信の品質が良いというのは、モデムだったら通信速度が上がるということ。品質が悪いと最高速度では接続できない。モデムの性能としては14,400bpsなのに、実際の通信速度は9,600とかそれ以下になったりしていた。

アナログ回線だと自宅から電話交換機まで行ってそこでデジタル化されるから、アナログの部分が長くて信号の劣化がある。
ISDNのアナログポートを使うと、TA(ターミナルアダプタ)がデジタル化するから、信号の劣化は最小限で抑えられる。

そして、ISDN回線同士に限られるが、TAのデジタルポートを利用した通信もできた。

そんなわけで、TAにアナログモデム2台とデジタルポートで合計3チャンネルのRS-232C、そして自分用の1チャンネルをホスト局に増設した。いや、結局アナログも1回線あって5チャンネル以上あったか。忘れた。

当時は電話局の窓口で回線工事の申し込みをする時代だった。
窓口で、ご希望の番号はありますかと聞かれた。なんと、そんな自由があったのである。どこにでもあるA4サイズのファイル、それに電話番号のリストが載っていた。もちろん手書き。
どうやら自分の(当時の)町内でISDNは8000番から始まっていて、8008という番号を割り当ててもらった。

ISDNの弱点、それは・・・・・・「雷に弱い」という事だと思う。個人的には。
とくに田舎の開けた場所だと落雷の影響を受けやすい。

TAなんか6万もしたのに。ISDNを引くぞと決心してから思い切って買った。これを買えば後戻りできないだろうと。そんなふうに気合を入れて臨んだISDN化だった。

昨夜雷が鳴っていたなあと朝から見てみればACTランプが点滅。やられた。

ずいぶん後になってから知ったのだけど、内部の回線入力部分にチップヒューズがあって、それが切れている場合が多かった。それを知っていれば自分で応急処置できたのに。

電話局に行ってDSUを貸してもらった。ついでに、「サンダーカット」なるものを購入したいと申し出たら、窓口のところから建物内部に入れてもらい、当時はNTT-MEだったか。別会社だけど同じビルの中にある事務所へ案内された。

そこでお金を払って現物を受け取り、帰ってから取り付けた。

ところが、それが付いていても結局やられてしまい、もうどうしようもなかった。雷が鳴りだしたらモジュラーケーブルを抜くしかない。しかし、そう都合よく在宅時に対応できるとは限らない。在宅時でも対応が遅れる場合は有る。

以前書いたように、ある日、雷が鳴り出したから席を立ってモジュラーケーブルを抜こうとしたら、その瞬間にドドーンと落ちて、ジジッと鳴って煙が出てモデム昇天の瞬間を体験した。

サンダーカットというのは今でも有るだろうけど、電灯線の片方が接地になっている事を利用したもので、電話線から入ってきた雷をサンダーカットがバイパスして接地に逃がそうというもの。
中身は単純で、アレスタとバリスタぐらいしかなかったと思う。

これを付けていてもだめだったから、雑誌で見たアメリカ製の多雷地帯で実績があるという避雷器を1台2万だったか、高価なものを買って取り付けてみたけど、結局やられてしまった。

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