道具シリーズ(6) ペースト
2022.05.21
電子工作でペーストは使用しない事になっています。あとで腐食したり、絶縁が悪くなってトラブルの原因になります。でも、はんだごてセットを買うと一緒に入っているので、使うものだろうと思ってしまうのですね。

小学生の頃、2石レフレックス(2T-100 ホーマー)の次に、6石スーパー(SP-6000 ホーマー)を作りました。
2T-100はずいぶん苦労しました。最初鳴らなくて・・・何が悪いやらわからない。いま思い出せばトランジスタの向きなど、いくつか間違っていたけれど、もうこれ以上間違いないという所まで手直しして、それでも鳴らない。困った困った困った。
神棚に上げて拝んでみたけれど、神様は修理してくれません。
「天は自ら助くる者を助く」
要するに自分で頑張れという事でした。
結局、バーアンテナの線の被覆削りが不十分だったんですけど・・・見た目では銅の色をしていますからなかなか見分けがつきません。
ちょっとした思いつきで、カッターの刃の背で線をこすってからハンダ付けしたら、鳴るようになったという、たったそれだけのこと。
まあ、それとペーストは関係ないんですけどね。

次のSP-6000を買った時に、今度は丁寧かつ慎重に確実に作業を進めようと決心したのです。説明書に書いてある通りに、手間はかかるけど、抵抗のリードを1本ずつ紙やすりで磨いてからハンダ付けした。
そこで、ペーストを使うとハンダがよく流れる事を知って、これは素晴らしいと感動し、とにかく塗りたくったわけですな。
こてを当てるとジュッと音がして、少々くさいけど、きれいにハンダが流れる。イモになりにくい。

最初の決心を貫徹したおかげか、一発で鳴りました。よかったよかった。この気持を大事にして精進しようと思ったか思わなかったか忘れたけれど。

ところが・・・・・・数日経過したら、ならなくなったのです。おかしいなあ。もう原因はわかりきってますが、ヒマでしたらおつきあい下さい。

最初ちゃんと鳴っていたから実装ミスじゃないな。だとしたら原因がわからないから、こういうのに詳しい親戚に聞いてみた。「トランスが断線してるんじゃないの」

えっ、トランス、断線??

テスターで導通をみたけれど断線していないようだ。そうしたら、何だろうな?わからん・・・

シグナルトレーサとかで回路を追ってみたらどうだろうとか、でも当時の実力じゃよくわかってなかったから、やっぱりわからない。

最終的にどうしたのか、肝心なところの記憶が消えてしまって思い出せないのだけど、ペーストが原因だったのは間違いありません。
ひととおり、ハンダゴテでハンダを融かし直してみたんだっけな。それか、溶剤でベッチョリペーストを洗い流したか。
とにかく鳴るようになって、ほっとしました。

もし(真空管回路などで)ペーストを使う事があったら、ごく少量だけ付けて、ハンダ付け後に溶剤で洗う必要があると思います。
それにしてもペーストの出番はないと思うんですがね・・・ハンダ付けしようとする端子や部品のリード線をよく磨いて、脂(フラックス)入りハンダを使えば十分です。
よくハンダが流れない場合、たとえばコテの熱量不足とか、コテ先が酸化していたりとか、そういった原因があるわけです。

あと、ペーストはどうしたっけ。
つまようじでちょっとずつ取って使っていたら、表面がでこぼこになるじゃないですか。それが気に入らなくて、ハンダゴテをつっこんで融かし、全体がツルンと平らになるようにして(遊んで)いました。
くさい煙がモクモク出るし、こて先は黒くなって傷むし、ろくなことはありません。
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