SC3K-2011を振り返る(3)
2023.08.31
あと、忘れてはいけないのは「ケース」だ。
うちの製品は、これに限らないけれど、多くはケースに組み込んでいる。
アマチュアの作品は基板むきだしの物が多い。基板を作って満足してしまっている。基板むき出しはいじくりやすいが、ホコリをかぶったり、ぶつけたり落としたりして壊しやすい。
永く使えるようにするには、やはりケースが必要だ。
CNC(フライス)またはレーザーカットでアクリル板をカットして、ケースを製作している。

そういえば電源のことを書いていなかった。
SC3K実機は、でっかいトランス式のACアダプタと、本体内部に大きいアルミのヒートシンクが組み込まれていた。そのヒートシンクに3端子レギュレータ7805が取り付けてあった。
7805は、なんといっても安い。
自分は仕事でも1,000個程度しか仕入れた事はないが、それでも単価\30よりは下がらなかった記憶がある。
大手メーカーが大量生産で仕入れるならば、もっと安いのではないかと思う。そうでなくても\30は安い。

3端子レギュレータの発熱は、要するに入力と出力電圧の差を熱に変えて放出しているわけである。入出力電圧の差に、電流をかけたワット数になる。
理屈上は無限大の放熱器をつければ大丈夫だが、無限大なんてのは現実に無いので、可能な限りのサイズとなる。
プリント基板の銅箔ベタとか、筐体内部に広いアルミ板を貼ったり、あるいは金属の筐体に直接取り付ける(絶縁が必要な場合もある)。このようにして放熱するやり方がある。

この発熱のせいで、カセットI/Fが影響を受けてロードに失敗していた。(SC3K実機の話)
最初どうしたっけ。
電源を入れた直後の冷えているうちにロードを試みたり、蓋を開けて放熱を助けたり、さらに風を送ってみたり・・・(風を送るといってもファンがないからうちわでパタパタしたような?)
どうしたっけ。7805とヒートシンクを(電線をつないで延長し)外に出してしまった事もあったと思う。

SC3K-2011では、スイッチング電源アダプタが出回っているからそれを使うことにした。これで電源まわりはスッキリした。
回路は5Vだけで動作するから、最初から5Vを入力すれば良い。

SC3K実機も単電源で動いていたが、あの頃は複数の電源を必要とするDRAMもザラにあった。SC3K実機はMB8118を使っていたので5Vオンリーでよかった。このDRAMはVRAMとして使用されていた。
MB8116だと、確か+12Vと-5Vも必要だったと思う。いま思えば不便だった。

そこで思い出したのは、BASICのカートリッジ内蔵RAMをバックアップできないか、ということ。
内蔵RAMもDRAMだった。
当時(中2)はよく理解していなかった。ただ、技術雑誌を見てみると、RAMを電池でバックアップした例があった。これを真似すりゃいいんじゃないかと。

そもそも、なんでバックアップがいるかというと、さきほど書いたようにカセットのロードに失敗した経験からか、カセットのSAVE/LOADに時間がかかるためか、
あるいは、カートリッジの接触不良で、カタッとなった瞬間に今までの作業がフッ飛んでしまったせいか。理由は忘れてしまった。

とにかく、RAMに電池をつなげば、プログラムが残るだろうと単純に考えただけ。

中2当時、DRAMとSRAMの区別もわからなかった。

実際にBASICカートリッジを開けて、中の基板の電源5Vパターンを追ってみて、それを途中でカットしてダイオードを入れてみた。
確か、一部カットしただけでは他のICもつながったままなのに気づき、また調べ直してDRAMだけ浮かすようにしたんじゃなかったっけ。
それでとにかくDRAMに電池をつないだ。単3電池を3本か4本直列で。

だけど結論から言うとバックアップはうまくできなくて、それよりも、電池でSC3Kが動作する事に気づいてしまった。
使い捨ての乾電池だと不経済だから、ニッカドを使ったけど。

こうして、ワイヤレス化への取り組みが始まった。

(ここまで、SC3K-2011ではなくてSC3K実機の話になってしまっているが・・・)
続く。
トラックバックURL
トラックバック一覧
コメント一覧
コメント投稿

名前

URL

メッセージ

- CafeLog -