各種ハンダ吸取機
2024.12.21
うちは製造や修理の仕事上、ハンダ吸取機を複数台持っています。

(1)FR-301 一体型
(2)FR-410
(3)FR-400

主に普段使っているのは(2)で、コテ部が軽くて長時間の作業でも疲れにくいです。

(1)のような一体型は比較的安いけれど、重いので腕が疲れてきます。ちょっと使うだけなら良いけれど。小型なので現場への持ち運びには向いています。

そして(3)は(2)よりコテ部が大きくて重く、パワーが大きいので仕方有りませんけど、疲れやすい感じです。
パワーが大きいためか、ファンが内蔵されており電源ON状態では常時回っていますので、騒音が気になるかもしれません。

いずれにしても吸い取る時の動作音はゴゴーッ、ズゴーッとうるさいです。床に置くと響きます。
防音のため、本体の下に敷くものを色々変えて試してみました。事務椅子の上に座布団を敷いて、その上に置くと比較的静かです。でも自分が座れません。
エアコン室外機の下に敷いたりするゴムを試したらどうかと思います。

(1)は現場用なのでめったに使わずホコリをかぶっています。

(3)は熱量の必要なもの、たとえば多層基板とか、ベタグランド、パワーデバイス等の取り外しに向いています。

消耗品の管理では、各機種共通の物もあるが、一部フィルタ等は異なっており、少々面倒です。できれば統一しようと思って同じメーカーとしました。

学生の頃を思い出すと、夢のようです。あの頃は、手動式の吸取機か、吸取線(これは今も使う)で頑張っていました。
片面基板なら、爪楊枝を使って穴を通したりできました。工夫次第です。

便利な吸取機が有っても、2~3本足ぐらいの部品は普通にはんだごてで加熱して引き抜き、残ったハンダを吸い取るような使い方のほうが良い場合もあります。
多めにハンダを盛って、コテ先を寝かせるようにして(コテ先の形状にもよる)3本同時に加熱してハンダを融かします。部品面を下にしていると部品が勝手に落ちていくこともあります。

ハンダを吸い取ると、リードがスルーホールの内側にくっついている事が良くあります。これを再び加熱してはずしたりする手間がかかります。
吸い取る時に、リードを動かしながら周囲のハンダを吸わせるようにします。基板を強くこすらないように、微妙に浮かせながら吸わせます。これはなかなか言葉では(伝えるのが)難しい。

ICなどピン数の多い物で、見た目で明らかに壊れている物はリードをニッパーで切ってから、残ったリードをはんだごてで加熱しながら1本ずつ抜いて、残ったハンダを吸い取るほうが作業効率は良さそうです。
明らかに壊れているというのは、焼けていたり、焼けて膨張したりして見た目で明らかなものです。
こういう物は丁寧に1本ずつハンダを抜く必要はなく、ニッパーでリードを根本から切って取り除きます。
根本というのは基板側じゃなくてIC本体側の根本です。基板側は切りにくい、切れないです。無理にやろうとして基板に傷をつけたりします。

吸取線は今でも良く使っていて、吸取機でもできるけど、それよりは銅箔を傷めにくいと思います。とくに表面実装部品を取り除いた後に残ったハンダの除去に使っています。

ベタグランドや多層基板と書きましたが、たとえばロジックICなどのカドピン(VCC, GND)はベタや内層につながっていて、熱が逃げやすくハンダが吸い取りにくいものです。

そこで加熱時間を長めにする(せいぜい10秒)

あるいは別のはんだごてで、反対面から加熱を助けてやる。工場などでは隣同士協力しあって、二人でやっていたりしました。
一人でやるのは大変ですができなくもありません。基板を立てて固定し、一方の手ではんだごて、もう一方の手で吸取機を持って同じピンを両面から加熱・吸引します。

ハンダを吸い取ろうとしているのに、あえてハンダを追加するのは不思議に思われるかもしれませんが、ハンダを追加したほうが吸い取りやすくなる場合があります。吸い取りにくいと思ったら、あえてハンダを盛ってみる。それから吸取機で吸ってみる。
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