サンダーカット
2025.09.18
'90年代前半に登場して、確か当時は白山製作所というメーカーが製造しNTT-ME?が販売していました。まだその頃は電話局の営業窓口が有りました。
窓口で、そのカタログを見せて「これが欲しいんですが」と申し出たら、奥のドアを開けて事務所へ通されました。(めったに入れない場所へ、貴重な経験)

これを売っているということは、標準の保安器では不十分ということを認めたと言えるんじゃないかと私は勝手に思っています。
いずれにしても、電話機やモデム等には雷対策の回路が普通は組み込まれていました。

サンダーカットは、電話線と電灯線(コンセント)の両方に接続します。

原理は、
電話線と電灯線を(雷の高電圧がかかった時に)バイパスさせて、電話機や家電を保護しようというものです。

雷で壊れやすいのは、電話線と電灯線、あるいはアンテナと電灯線といった2つの線にまたがる機器です。要するに雷さんの通り道になります。

黒電話は電話線しかつながっていないので、雷ではなかなか壊れません。雷が入っても出ていくところがないからです。

留守番電話なんかは、電話線から入ってきた雷サージが、電灯線へ通っていきます。テレビの場合は、アンテナから入ってきた雷サージが同様に電灯線へ通っていきます。この通っていくときに機器を破壊します。

サンダーカットは、そこ(機器)じゃなくて、こっち(サンダーカット)を通ってくださいという仕組みです。

電灯線は片側アース(電柱の所で接地されている)です。アースと考えて良いでしょう。


サンダーカットの回路は、その当時、実際に現物を開けて確かめてみました。

本当に中身が入っているのかという疑いもありました。何しろ、何度もモデムなど壊れましたから。
あの頃、市販の雷対策コンセントなんてのを買ってきて、どんなもんだろうと開けてみたらバリスタが1個だけ、アース端子は緑色の線が出ているだけというシロモノでガッカリしました。

サンダーカットは、
3極のアレスタ(放電管)が電灯線と電話線それぞれにつながっていて、お互いはZNR(バリスタ)で接続されていたという記憶です。
放電管だけだと、続流という現象があって、電圧が下がっても放電し続けてしまいます。そのためにバリスタで、ある程度以上の電圧がかからないと導通しないようにしています。

原理的には納得できたけど、実際にはISDNのTAだのモデムだの色々壊れてしまいました。

サンダーカットが働く電圧未満で壊れやすいモデムだったのかなと思います。
それとも、確かに働いたが応答が間に合わなかった。
同じく、確かに働いたが雷が強すぎてバイパスしきれなかった。
推測でしかなく、今さらわかりません。

経験的に、落雷時にはよく漏電ブレーカーが落ちていました。
漏電ブレーカーは、通常だと電灯線の電流は行きと帰りは同じですから漏電していないね、というわけで働きません。もし電灯線の一方がアースにつながると、行きと帰りは異なりますから検知されて落ちます。
サンダーカット経由で雷の電流が流れ込んだ場合も差が生じるので落ちるのかなと思います。

まあ、今となっては・・・

メタル線(電話線の銅線)を巻き取ろうという時代ですから、もうどうでも良い話になってしまいました。光ファイバーか、移動通信か。
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