シンプルZ80マイコン(11)
2025.09.18
高校の実習教科書に、Z80じゃないけど8085をステップ実行させる実習課題があったのを思い出しました。

ROMどころかRAMも無いのです。
RAMが有れば、RAMにプログラムを書き込む仕組みもいるでしょう。おのずと配線は複雑になる。

そこで、ゴッソリと削ぎ落とし、本当に最低限の構成とする。

スイッチからひとつずつ命令を与えて実行するという仕組み。
操作するあなた自身がROMやRAMの働きをするというわけ。

だから、アドレスを指定するスイッチも無い。

1命令サイクルを実行し、その都度結果を確認して、考えた通りに動いている事を確認していく。

究極のシンプルマイコンボード?じゃないかと思います。

不便は不便よ、確かに。
ですが、動きを理解するには良い教材だと思いました。あくまでも教材なのです。実用品ではありません。(この点を勘違いしないように)

Z80でも同様にやれるでしょうけど、さすがにそこまで省略したものは見たことがない。

NMOSのZ80だと内部ダイナミック構成で、要するに最低クロックが決まっているから1Hzとか手動では動かせない。
CMOSのZ80ならOK。たとえばTMPZ84C00とか。

クロック1発ずつ入れて、それぞれの信号の動きを確かめていく。

私が初めて読んだコンピュータの本
「ニャロメのおもしろコンピュータ探検」
いまだに覚えていて、CPUが命令を取り込んで実行するまでの話だったと思うけど、
「人間がスイッチをひねるには10分の1秒もかかるね」「そんなのまだるっこしくて待ってられないッスよ」といったやりとりがありました。

そこで、この超シンプルマイコンボードは、CPUのクロックを極端に遅くすることで人間様のほうが速いという逆の立場になるわけです。
クロックは人間様が握っているのです。CPUの心臓を動かすも止めるも人間しだいです。

それにしても、スイッチを「ひねる」という言い方。いまでは絶対言わないね。
もはや「ポチッとな」と押すようなスイッチも希少。
スイッチをひねる、なんて言うのは真空管ラジオじゃないかと思います。
「ひねる」この言葉、気に入っています。
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amesho - 2025年09月18日 21:03
あいにく実習することはなく、ただ教科書の片隅にあったな、という記憶だけでした。だけど、かえって印象に残っていたようです。

クロックは通常の数メガヘルツにしておき、命令の実行ごとにステップ実行するのが一般的かと思います。
クロックを一発ずつ与えて動かすのは、リード信号、ライト信号などの動きも含めて細かく見ることができます。
kanitama - 2025年09月18日 20:50
8085をステップ実行させる実習とは興味深いですね。実習用のマイコンで操作したのだと思いますが、ステップ実行とはこういったものだということを学ぶものなのでしょうか。デバッグには必要な機能なのでじっくり学ぶことが求められそうです。
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