活動写真: 乙辺肺今~
2024.03.31
ずっと閉じこもって仕事ばかりの日々で不健康ですから、今日は仕事を放りだして、長崎へ活動写真を観に行きました。
その題名は「乙辺肺今~」です。
長崎は、かつて私が数十年前に遊学した場所で、西洋の文化に触れられる場所でして、活動写真もそのひとつであります。今回観るのは米国からの舶来物です。洋物と書くと色々と想像をかきたてられるので舶来物と書きます。
「福島之五〇人」を観に行って以来、数年ぶりでございます。
その見世物小屋、というか小屋じゃなくて立派な建物でありますが、しばらく行かない間に大変貌を遂げている汽車の停留所前にある建物の中にその活動写真の会場があり、いわゆる銀幕であります。
なんとハイカラな街に変わったのでありましょうか。あの汽車の停留所(終点)は、自分の中の一番古い記憶では、三角屋根の地味なものでした。学生時代、同級生たちを見送ったのもその三角屋根の下でした。それが建てかわったのも二十年かそこらじゃなかったかと思いますが、早くも大改造であります。
新しくなってから、まだ数回しか来たことがなく、しかも変化し続けていますから、この前の記憶なんてあてになりません。工事の進捗次第で、回り道ができたり、以前は仮設通路があったり、公共汽車の乗り場も何度か変わりました。今度はどこへ行ったのかという感じです。
以前に比べれば、やたら歩かされる印象があり、運動になるという面では良いのかなと思います。
どこがどうなっているのやら、新しくできた「宿」の建物があり、間違ってそちらへ入りそうになりました。とにかく歩かされました。新しくできた新館があり、今までの建物は本館と呼ばれているようです。
猫の着ぐるみを目撃。一瞬、ツシマヤマネ・・・と言いかけて、違う、五島のやつだ。つばきねこ、そのまんまじゃないかと。
お子様といっしょに写真を撮ったりしていましたが、私は肉球が気になって、肉球をこの目で確かめてからその場をあとにしました。
活動の会場前には商店があり、活動のお供として著名な「玉蜀黍を破裂させたもの」やら「可楽」、「牛乳紅茶」などの飲み物を買い求める人々で長蛇の列ができておりました。
そんなに並びたくなるほどおいしい飲み物、食べ物なのでありましょうか。思うに、便利商店の弁当なんか飽き飽きしていても、大自然の中で食べると、また違っておいしく感じるものです。これと同じようなものでしょう。
なんと三時間の長丁場との事前情報、途中で厠へ行きたくなると困るので、水分や催す原因になる珈琲なども控えて我慢していた為、のどが渇いてたまりません。
ところが長蛇の列は一向に衰えず、こりゃあ待っていても仕方ないなと、飲料水のからくり販売機を探しに行ったのでした。
歩けど歩けど、この建物の中には全くありません。駅の中も、一体どうなっているのでありましょうか。おそらく便利商店とか「星巴克」で買うように仕向ける陰謀でもあるのでしょうか。
あきらめて、まあ三時間ぐらいなら大丈夫だろうと水分なしで見世物小屋の中に入りました。
やたらと宣伝ばかりでなかなか本編に入りません。この間に目を休めておこうと、目を閉じたままで過ごしました。
いよいよ始まって、まあ、あれですな、いわゆる「ねたばれ」になるので内容は書かないほうが良いでしょう。
やたらにでっかい音が鳴るので、それだけは忠告しておきたいと思います。油断するとドンドン鳴ります。油断した頃にいきなり来ます。
ところで座席も色々ありますが、銀幕の一番前の席は全く人気がないのか、誰もいませんでした。周囲の人が目前を通り抜けるのを気にしないで過ごしたい向きは、一番前の席が良さそうです。
三時間の長丁場と書きましたが、途中で休憩でもあるのかと思ったら、結局ありませんでした。厠へ行く方が抜け出したり戻ってきたりするのを横目で見ておりました。
ちなみに昔は、フイルムの長さの都合で上映途中に映写機の切り換えがあり、観客に気づかれないようにいつの間にか切り換えていたものでした。二台の映写機をうまく重ねて、時機をみて操作しているようでした。幼少の自分は、いつ切り替わるんだろうと後ろばかり見ておりました。
(追記: 切り替えタイミングになると、たしか画面の隅に印が出てくるのでわかったはず)
それにしてもこの作品は米国での公開から色々と話題になっており、特に日本の広島と長崎では歴史的な経緯があり、微妙な感じがしていました。
自分の祖父がスリーダイヤで魚雷を作っているときに原爆にやられたと聞いています。被爆者手帳を持っていました。
見終わった感想としては、その意味での抵抗感はありませんでした。それよりも、だらだら長く続いたのと、あまりおもしろくなかった感じでした。
時代考証の視点から違和感を感じましたのは、「トリニティ実験」のカウントダウンのシーンで二九四管の時計が出てきました。二九四管は確か戦後の発明じゃなかったかと思います。実際はどんな物が使われたかわかりませんが、計数放電管(いわゆるデカトロン)も同様に戦後ではなかったかと思います。
ちうごくの核実験の映像を「あなたの管」で見ることができますが、その制御装置はランプがたくさん並んでいて、それがパタパタ鳴りながら動いていたのでたぶん継電器によるものでしょう。
ttps://www.youtube.com/watch?v=Pq6yMDBOcuI
ttps://www.youtube.com/watch?v=8y0fD-wMNUw
1:25あたりから・・・
計数回路は絵荷灰汁に用いられており、いわゆる一〇進カウンタが基本となっています。これも「あなたの管」(管というのはブラウン管を指します)で、映像を見ることができます。
一桁あたり零から九までの電球が並んでおり、それが増えたり桁上りをしたりといった映像です。
ttps://www.youtube.com/watch?v=goi6NAHMKog
活動写真の後は、上階の印度料理店で咖喱でも食べようと思っていましたが、脱水症状になりかけていたのか一時的に体調が思わしくなく、刺激物はイカンだろうなと思い、うどん屋で簡単に済ませました。
なぜだか唐突に「ヨドチョー」さんを思い出してしまって、それでは、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ
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その題名は「乙辺肺今~」です。
長崎は、かつて私が数十年前に遊学した場所で、西洋の文化に触れられる場所でして、活動写真もそのひとつであります。今回観るのは米国からの舶来物です。洋物と書くと色々と想像をかきたてられるので舶来物と書きます。
「福島之五〇人」を観に行って以来、数年ぶりでございます。
その見世物小屋、というか小屋じゃなくて立派な建物でありますが、しばらく行かない間に大変貌を遂げている汽車の停留所前にある建物の中にその活動写真の会場があり、いわゆる銀幕であります。
なんとハイカラな街に変わったのでありましょうか。あの汽車の停留所(終点)は、自分の中の一番古い記憶では、三角屋根の地味なものでした。学生時代、同級生たちを見送ったのもその三角屋根の下でした。それが建てかわったのも二十年かそこらじゃなかったかと思いますが、早くも大改造であります。
新しくなってから、まだ数回しか来たことがなく、しかも変化し続けていますから、この前の記憶なんてあてになりません。工事の進捗次第で、回り道ができたり、以前は仮設通路があったり、公共汽車の乗り場も何度か変わりました。今度はどこへ行ったのかという感じです。
以前に比べれば、やたら歩かされる印象があり、運動になるという面では良いのかなと思います。
どこがどうなっているのやら、新しくできた「宿」の建物があり、間違ってそちらへ入りそうになりました。とにかく歩かされました。新しくできた新館があり、今までの建物は本館と呼ばれているようです。
猫の着ぐるみを目撃。一瞬、ツシマヤマネ・・・と言いかけて、違う、五島のやつだ。つばきねこ、そのまんまじゃないかと。
お子様といっしょに写真を撮ったりしていましたが、私は肉球が気になって、肉球をこの目で確かめてからその場をあとにしました。
活動の会場前には商店があり、活動のお供として著名な「玉蜀黍を破裂させたもの」やら「可楽」、「牛乳紅茶」などの飲み物を買い求める人々で長蛇の列ができておりました。
そんなに並びたくなるほどおいしい飲み物、食べ物なのでありましょうか。思うに、便利商店の弁当なんか飽き飽きしていても、大自然の中で食べると、また違っておいしく感じるものです。これと同じようなものでしょう。
なんと三時間の長丁場との事前情報、途中で厠へ行きたくなると困るので、水分や催す原因になる珈琲なども控えて我慢していた為、のどが渇いてたまりません。
ところが長蛇の列は一向に衰えず、こりゃあ待っていても仕方ないなと、飲料水のからくり販売機を探しに行ったのでした。
歩けど歩けど、この建物の中には全くありません。駅の中も、一体どうなっているのでありましょうか。おそらく便利商店とか「星巴克」で買うように仕向ける陰謀でもあるのでしょうか。
あきらめて、まあ三時間ぐらいなら大丈夫だろうと水分なしで見世物小屋の中に入りました。
やたらと宣伝ばかりでなかなか本編に入りません。この間に目を休めておこうと、目を閉じたままで過ごしました。
いよいよ始まって、まあ、あれですな、いわゆる「ねたばれ」になるので内容は書かないほうが良いでしょう。
やたらにでっかい音が鳴るので、それだけは忠告しておきたいと思います。油断するとドンドン鳴ります。油断した頃にいきなり来ます。
ところで座席も色々ありますが、銀幕の一番前の席は全く人気がないのか、誰もいませんでした。周囲の人が目前を通り抜けるのを気にしないで過ごしたい向きは、一番前の席が良さそうです。
三時間の長丁場と書きましたが、途中で休憩でもあるのかと思ったら、結局ありませんでした。厠へ行く方が抜け出したり戻ってきたりするのを横目で見ておりました。
ちなみに昔は、フイルムの長さの都合で上映途中に映写機の切り換えがあり、観客に気づかれないようにいつの間にか切り換えていたものでした。二台の映写機をうまく重ねて、時機をみて操作しているようでした。幼少の自分は、いつ切り替わるんだろうと後ろばかり見ておりました。
(追記: 切り替えタイミングになると、たしか画面の隅に印が出てくるのでわかったはず)
それにしてもこの作品は米国での公開から色々と話題になっており、特に日本の広島と長崎では歴史的な経緯があり、微妙な感じがしていました。
自分の祖父がスリーダイヤで魚雷を作っているときに原爆にやられたと聞いています。被爆者手帳を持っていました。
見終わった感想としては、その意味での抵抗感はありませんでした。それよりも、だらだら長く続いたのと、あまりおもしろくなかった感じでした。
時代考証の視点から違和感を感じましたのは、「トリニティ実験」のカウントダウンのシーンで二九四管の時計が出てきました。二九四管は確か戦後の発明じゃなかったかと思います。実際はどんな物が使われたかわかりませんが、計数放電管(いわゆるデカトロン)も同様に戦後ではなかったかと思います。
ちうごくの核実験の映像を「あなたの管」で見ることができますが、その制御装置はランプがたくさん並んでいて、それがパタパタ鳴りながら動いていたのでたぶん継電器によるものでしょう。
ttps://www.youtube.com/watch?v=Pq6yMDBOcuI
ttps://www.youtube.com/watch?v=8y0fD-wMNUw
1:25あたりから・・・
計数回路は絵荷灰汁に用いられており、いわゆる一〇進カウンタが基本となっています。これも「あなたの管」(管というのはブラウン管を指します)で、映像を見ることができます。
一桁あたり零から九までの電球が並んでおり、それが増えたり桁上りをしたりといった映像です。
ttps://www.youtube.com/watch?v=goi6NAHMKog
活動写真の後は、上階の印度料理店で咖喱でも食べようと思っていましたが、脱水症状になりかけていたのか一時的に体調が思わしくなく、刺激物はイカンだろうなと思い、うどん屋で簡単に済ませました。
なぜだか唐突に「ヨドチョー」さんを思い出してしまって、それでは、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ
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