486の頃
2022.10.20
486全盛の頃、産業用のCPUボードの設計にも関わっていました。
簡単に言うとPCそのものです。要するにマザーボードを設計製作していたという話です。

チップセットや、お手本の回路は有ったけれど、やはりミスなどがあって簡単に動かず、実際に動くようになるまでは色々なことがありました。
最初は画面真っ暗。BEEP音だけで原因を推測したりしていました。(ピピーッ、ピッピッピッ・・・短い音、何回鳴った?メモリのエラー?)
画面が出るようになっても、最初はノイズだらけだったり・・・色々手直しして、製品に仕上げていったわけです。

それで試作の完成後、先輩からの指示は「とにかく一日中、PCとして使って色んな操作をしてみてくれ。中に入っているソフトをひとつずつ動かしてみて。何か異常や気づいた事があれば報告してくれ」

工場の片隅に本体とモニタとキーボード、マウス、メモ帳を置いてテスト作業を始めました。

コントロールパネルとか、アクセサリに入っているものまでひとつずつ操作していったのです。

ちょうど工場の真ん中の通路になっている付近で、みんなが横目に見ていったり、ちょっかいを出してくる人もいました。お前なにやってんだよって。

(一番若かったから、いじられキャラだった)

マインスイーパとか、じつは今でもやり方をよく知らないんですが、それを動かして適当に操作していたら・・・

いきなり引っ張って行かれまして、「お前は仕事時間中にゲームをするのか」って。

いやいや、そうじゃないんですよと。色んな操作を試してみてくれと指示されていて業務の中でやってるんですよと。

近くに立て札でも置いとけばよかったかね。「機能テスト中のため、ゲームをする事もありますが業務として行っております」

仮にそれを置いていたところで、ナニソレって絶対話しかけてくる人がいただろうし、かえって面倒だったかもしれない(笑)
昔のLANカード
2022.10.20


昔の技術雑誌を整理していたら、'90年頃の広告に、こんなLANカードが。

もう30年近く経過しているので支障ないと思いますが、このシリーズ等にも私は関係していました。じつは地元の工場で設計・製造していたものです。

この広告の物は最初の製品で、私が入社する前のものです。

いまではLANカードそのものを見かけません。その前は\500でも売ってるようなものでした。でも最初は、こんなに高価だったのです。

それに、この部品の多いこと。PC-9801のCバスの2階建てです。しかもチップじゃなくてDIP部品だらけで詰め込んでいます。

68000が載っていました(実際はCMOSで東芝の互換品)。インテリジェント型といって、LANカード上にマイコンを搭載して、通信にかかる処理を引き受けるというものです。
PC-9801側との間にデュアルポートRAMが有り、そこでやりとりをしていました。
当時のPC-9801は性能が低く、通信にかかる負担を軽減する為、LANカード上のマイコンが処理を引き受けていました。

その後、改良が進み、最終的にはゲートアレイ1個とそのほか数点のICぐらいで出来るようになりました。そこまでの道のりが長かったように思います。

その頃にはNE2000互換の安価なISAバスボードが出回るようになり、インテリジェント型はなくなってしまいました。

- CafeLog -