エッチングと基板
2024.04.08
初めてプリント基板の工作キットを買ったのは中学生の頃だったか。

確かサンハヤトのPK-3といって、今は無い。
弁当箱ぐらいの大きさの箱、乳白色の箱だったと思うけど、その中に必要な物が入ったキットだった。
中身は、エッチング液のボトル、溶剤とフラックスの小瓶、ナイロンたわし(銅箔を磨く用)、デザインナイフ、廃液処理剤と漏斗(厚紙を折って作る)、そして説明書だったと思う。そして、この箱自体がエッチング用の容器にもなるわけだ。

通販で頼んだのが届いたのは、ちょうど風邪で寝込んでいた時で、もうソワソワして早く開けてみたくてたまらない。
ところが、まだ直ってないんだから寝てなさいと怒られた。
いや、ちょっとぐらい開けてみるのは良いだろう、と起き上がって箱をあけたが最後。
さっそく基板を作ってみようと、やる気満々なのであった。

このキットはパターンの作り方が変わっていて、感光とかインレタではない。
粘着シートを貼り、それをパターンの通りに切り抜き、その切り抜いた部分にインクを塗り込んで乾かす。
記憶では、そういう作り方だったと思う。
インクが良く乾いたらエッチング液につける。すると、インクの乗っていない部分の銅箔が溶けて、インクの乗っている部分の銅箔が残る。
不要部分の銅箔がすっかり溶けたら、水洗いしてエッチング液を洗い流す。
そして、溶剤を使ってインクを溶かして拭き取る。
これでパターンが出来上がる。
仕上げにフラックスを薄く塗れば出来上がり。もちろん穴あけもする。

シートを切り抜くためのデザインナイフがキットの中に入っていた。私は不器用なほうだったから、そんなにきれいには切り抜けなかった。細かい作業を丁寧にやるのは、今はできるけど当時は本当に苦手だった。

結局、ペンでパターンを描いたほうが楽だと思って、その方式に切り替えた。

それでも思うようにいかず、塗り方が薄いとエッチングで溶けてしまい、虫食いみたいになってしまう。
トントントン・・・とインクを重ねて塗るような感じで作業するとうまくいく。

いずれにしても、エッチング液につけてパターンがきれいに溶けるまでが待ち遠しい。
自家製プリンを冷蔵庫に入れて固まるのが待てないタイプだった。

エッチング液をぬるま湯程度に温めたり、こまめに揺すったりして早く溶けるようにしたりしていた。

うっかりピチャッと飛ばしてしまい、服についたらさあ大変。なかなか落ちない。
そして金属につくと腐食してしまう。

まあとにかく時間がかかるので、せっかちな自分は、もうちょっとなんとかできないか工夫しようとした。

そこで、朝から学校に行く前にエッチング液に入れておいて、帰ってきたら出来上がっているはずだと。
その間は全く基板のことなんか忘れて、忘れた頃にできあがっているという素晴らしさ。

それで実際にやってみたんだが・・・フタをあけてみると銅箔がすっかりなくなってつんつるてんになっていた。
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