電源が壊れた話
2025.02.26
昔の話。

現場(屋外)に設置していた装置が動かなくなった。
調べてみると電源が壊れていた。
電源を取り替えたら動いた。

それだけ。

電源というのは略した書き方だがスイッチング電源基板。
よくあるTDKラムダとかコーセル等のメーカー品

それがなぜ壊れたのか報告しろ!とのこと。

ハッキリ言ってそんなのわかりません。
壊れ方を見て明らかに焼けていたら、落雷によるものでしょうと言えるけれど。

落雷の事例は過去にたくさん経験がありました。特に離島からの返品が多く、梅雨時になると多く発生していました。それらを全部ひとりで診ていました。

それは別として、冒頭の物は見た目では普通で、目立った損傷もありませんでした。ただ、メインのスイッチングのMOSFETが壊れていただけ。

雷かもしれないが、偶発的な故障(部品不良)かもしれません、としか言えません。

電源ロガーを仕掛けて電圧を監視しようという話も出たが、そんなのいつどうなるやらわかりません。(気の長い話だ)

気象台に問い合わせても、落雷まで観測していない地域もあります。まさに知りたいのはその地域でした。気温や風速はデータが有る。落雷はデータが無い、と。

同じようにMOSFETが壊れていた事例は別の機種で、別の場所でも複数回経験があり、結局よくわかりませんでした。
電源メーカーに送ったら修理されて返ってきて、いや、そうじゃなくて、故障原因の報告を求められているのでそれを知りたいんですが・・・

ところで、電源の基板を良く見た事がある方ならご存知かと思いますが、「放電ギャップ」がパターンとして組み込まれているものがあります。

実際、雷サージが入るとそこで放電して、ある程度の保護をしてくれます。

なんと部品代ゼロで保護できるなら素晴らしいじゃないか。(と、思ってはいけません)

放電するとパターンが融けてしまって、次に食らった時には役に立ちません。(笑)
三角の尖った形になっていますけど、それが丸くなって放電しなくなるんですね。
どうなるかというと説明するまでもありません。

そんなのを離島から戻ってきた基板でいっぱい見ました。

だいたい安価なクラスの電源にこういう放電ギャップが付いている感じ。コストダウンの一部でしょう。部品がいらないのですから。

屋外用の器具は当然のことながらアレスタを組み込んでおくものです。

照明器具だったら、もし筐体が樹脂で絶縁されているものだったら地絡の可能性は少ないです。主に電源の2線間だけの問題になります。この2線間で過電圧にならなかったら大丈夫という考え方です。

残念ながら我々が昔作っていたのは金属筐体だったので、電源基板と筐体との間で放電していました。その痕跡もハッキリ残っていました。
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