道具シリーズ(16) 精密ドライバー
2022.05.23
精密ドライバー

幼い頃、近所の時計屋さんがあって、電池交換などを近くで見ていた事がある。

初めて手に入れたのは、たしか何かの化粧道具か何かに入っていたやつ。どう見ても精密ドライバーなのに、なんでそんなものの中に入っていたのか。爪の生え際を整えるか何かわからないがそういった目的だったらしい。
とにかくそれを失敬して、その1本だけをずいぶん長い間使っていました。

古い腕時計を片っ端からバラして、当然、元に戻せなくなってゴミ。ひどい事をしました。カメラもぶっ壊しました。とっておけばよかったのに。後の祭り。

中学ぐらいだったか、「ラジオの製作」の売り買いコーナーで、ある人から電卓を買いました。液晶が割れていて表示がまともに出てないから安くて。
それで、これを何とか使えるようにしたいという考えに取り憑かれ、カシオに送って修理依頼しようとした・・・という話は「リレー式電卓」の話の中に書いたので省略するが・・・

それを分解した時に使ったのは、カッターの刃。その先端を当てて回しました。そんなスムーズに回せるわけない。でもこれしかないから仕方ない。
こんな事を何度も繰り返したから、ねじはツンツルテンになってしまった。

何かと便利なカッターナイフ。別の話に書いたように、グリグリ回せばドリルの代用にもなりました。
道具シリーズ(15) ユニバーサル基板など
2022.05.23
ユニバーサル基板など

道具というより材料だが・・・

生まれて初めて接したのは、ラグ板でした。雑誌の製作記事で(子供の科学)。

真空管ラジオをもらってきて、その中身を見たりもしていました。あの真空管ラジオは、幼い頃に住んでいた家の床下に入れたまま、たぶん今もずっとそこにある。パーツ取りしてシャーシだけになっているんですけどね。

昔の家だったんで・・・ふすまの張替えをした時に昭和10年頃の福岡日日新聞(現在の西日本新聞)が出てきたから、昭和はじめ頃の家ではないかと思います。
地下には、いもを保管する為の貯蔵庫があって、貯蔵庫というか地下を掘っただけなんですが、そこにもみがらが積んである。悪さをすると、その真っ暗な所に閉じ込められたりしていました。戦時中は防空壕として使っていたらしい。

ラグ板がほしいと思っても、雑誌記事にあるようなキレイな物は通販で頼まないと手に入らない。拾ってきた真空管テレビやラジオから取り外した、汚い物ばかりでした。しかも2列じゃなくて1列のL型だったし。

そんなものが身近なところで売られていた東京などの人がうらやましかった。

要は部品を固定すればいいだろうという発送で、お菓子などの紙箱に穴をあけて部品を差し込み、リード線同士をハンダ付けしてみたが、いまいちうまくいかなかった。下手だったしなあ。それに当時は細かい作業が苦手で根気がなかった。

次に、何とか工夫したのが「画鋲」
身近で手に入るものといったら、近所のスーパーとか文房具を置いてあるところ。画鋲を板に差し込んで配線したらどうかと考えた次第。

板に実体配線図を描いて、要所要所に画鋲をさしこみ、部品を並べてハンダ付けする。

理屈の上ではそうだけど、あいにく手持ちの部品はジャンクから取り外したリードの短いやつばっかりだ。特にトランジスタ。
仕方なく画鋲をギリギリ近づけて配置。

そして画鋲は、温まりにくく冷めにくい。冷めるまで時間がかかる。だから融けたハンダが固まるまで時間がかかり、その間に、先につけたリード線が浮いたりした。

なんとも忙しかったわけです。1点の画鋲に3本ぐらいつけようとして、いまつけてるやつだけに熱を集中させたかった。他のやつに熱が伝わるとハンダが融けて浮いてしまう。

まるで「もぐらたたき」だよ!

まだ熱いうちに付け直そうとしても、また浮くばかり。いったん冷めるのを待ってから、またトライする。こんな具合に効率が悪かったです。

壁に掲示するタイプのラジオの展開模型を作りたいなと思ったんだっけ。

もうひとつ記憶にあるのは、同じ画鋲配線方式で・・・
自転車のブザーを作った。
たいていの自転車には、チーン、と鳴るのがついていると思うが、私は人と同じなのはイヤだったので自作した。
「みんなの科学」で紹介されていた呼び鈴ブザーの回路だったか、それをベースにして、実際に手に入ったジャンク部品で作ってみたのだけど、なんじゃらほい、それはないだろうという音がした。(笑)

ビービー、とか、ブーブー、ピーピーなら分かるんだけど、私が作ったのは「ボヨンボヨン」

なんとも奇妙なサウンドでありました。(笑)

まあとにかく出来上がったから、これからみんなで自転車に乗って出かけるから、私もこれを装備して出かけよう。
ところが、振動でガタガタなって回路がバラバラ(笑)
特に重たいトランスと電池がクセモノだったんだな。

色々言えば問題だらけだったけど、紙箱に画鋲をさして作った時点でダメだったしな。

しかし、まあ、いまその回路を再現しようとしても、あの偶然の産物は意外と難しいかもしれないね。

適当な部品をくっつけて作ったらタイムマシン付き電子レンジができちゃった、という「タイムマシン付き電子レンジ」(月刊マガジンだったか?後年、単行本を入手した)に影響を受けていた。

その後、科学教材社の通販を利用するようになって手に入れたのは・・・確か小学6年前後じゃなかっただろうか。いわゆる蛇の目基板。
いまでもサンハヤトのカタログに有るでしょう。ピッチが大きいやつ。2.54mmじゃないやつ。あれのドットが独立しているのと(1つ目)、4つつながってるのと2種類なかったっけ。
これを使い始めてラジオなんかこしらえて遊んでいた。

ベークの4mmピッチだっけ。いまサンハヤトのサイトを調べてみたけど見当たらず、もうなくなったのかな。

そのうち、2.54mmピッチの基板をどうしても使わなければならなくなった。ICを使った工作にチャレンジしたわけ。こんな細かいの大変だろうというのが最初の印象。

なんだっけな。初歩のラジオに載っていた電子サイコロかルーレットみたいなやつ。3つのLEDがチラチラ点滅して、ボタンを押すと止まってひとつのLEDだけ光る。
じつは記事では、ボタンを押すとスタートしてしばらくたつと止まるのだったけど、どこをどう間違ったのか、おかしな動きになった(笑)

こんなIC工作なんか初めてだったから、そんな奇妙な動きだって最初から動いたわけではなく、しつこく見直しをして手直しして、ようやく「とりあえず」動くようになったわけだ。
道具シリーズ(14) ドリル
2022.05.23
ドリル

自作プリント基板や、パネルに穴あけしてスイッチを取り付けたりする時にドリルを使いますね。

最初うちにあったのは(といっても幼い頃だが)ハンドドリルでした。

ああ、あれね・・・たぶん認識が違うと思う。手回しのやつです。腹で押すようにしなかったっけ。疲れるしズレるし、不便なシロモノでした。ただ、それしかないから仕方がない。

細い刃から折ってしまってなくなった記憶がある。

そんなの買えばいいじゃん、といっても隣町か、大きな市に行かないと売ってないから、そんなに気軽に買えなかった。

電動式ドリルを買ったのは、専門学校の学生の時だった。お金はそんなに無いから、安いものを探していたら、マルイだっけ、ドリルの組み立てキットがあったのでそれを思い切って購入。

ある程度使える物だったと記憶しています。見た目はプラモっぽかったんですけどね。スタンド付きだったのでプリント基板の自作には良かった。

それ以前はどうしていたかって? 「キリ」であけていました。穴径なんかいい加減で・・・まあそれほど細かい物は作ってなかったから良かったのだけど。

あと、カッターナイフの刃の先端を利用して、穴を開けたい所に先端を当て、グリグリ回すと穴があけられる。皿もみ穴みたいになるが仕方ない。

樹脂だったらはんだごてでブスッと突き刺して、あとは適当に削ったりして仕上げ。くさいし、ハンダゴテの先端が傷むような気がして、あまり好きではなかった。手軽だし、スチロール系の箱なんか、ドリルだとうっかりしてヒビが入るけど、ハンダゴテだと融かすから割れにくくてよかった。

ピンバイスでグリグリ回すとか、途方もない事をしていたような気もします。

卒業研究でLEDマトリクスの電光板を作って、LEDを768個も載せる感光基板を手作り。両面板はガラエポしかなかったから、ドリルの刃が切れなくなるのが早い。何度もホームセンターまで買いに行って、下宿の仲間と交代しながらドリルで穴あけ。さっきのマルイの電動ドリルで。

その電動ドリルはそんなに長持ちしなかったような気がします。ギヤがダメになったんだっけ。

ボール盤を買ったのは社会人5年目ぐらいだったか・・・たまたまホームセンターで\6,000と安価な物があり、これは買いだと思ってすぐに買って帰った。これは結構長い間、愛用していたけど、わりと最近まで持っていて、最後は取引先の人にあげちゃった。

手持ち式の電動ドリルは、ボール盤の前ぐらいに買ったっけ。これは今でも持っています。ただ回転が遅いので、あとで速いのを買い足しました。
道具シリーズ(13) ラッピングツール
2022.05.23
ラッピングツール

贈り物の箱とかリボンの意味じゃなくて、リード線を端子に巻き付ける接続方式のことです。
ハンダ付けより信頼性が高いと聞いた事があります。
ただ、現在ではほとんど用いられてないと思います。

電話交換機のリレー配線とか、アポロ宇宙船の誘導コンピュータもラッピング配線でした。(たとえばAPOLLO AGCで検索) APOLLO GUIDANCE COMPUTER
AGCは、ICを並べたモジュール同士を差し込むバックプレーンボードの裏側の配線がラッピング配線で埋め尽くされていました。

あと、大型コンピュータのバックプレーン配線もラッピングでした。私もミニコンNEAC3200とか、専門学校にあったNEC ACOS-250の中がそうなっているのを実際に見た事があります。

昔は山一電機のラッピングソケットが有りました。山一以外にも各社あったと思いますが、一般のソケットに比べたら高価でした。

私がリレー式電卓を作った時は、普通のピンヘッダを使いました。2列のもので、リレー端子1個から2本の配線が引き出せるようにしていました。これなら原理的に配線可能です。

日本メーカーだとエブレンのラッピングツールが有名でした。もう売ってないと思います。電動式と手動式があり、かつては両方とも所有していました。
個人的には、手動式で十分かと思います。
巻き付けと、取り外しができるようになっていました。1種類で、回す方向によって巻き付け・取り外し兼用の物を持っていました。
海外製のものは、確かOKインダストリーズ? それも持っていて、巻き付けと取り外しはそれぞれ反対側にあって、軸の真ん中にストリッパーがついていました。線を差し込んでひっかけてひっぱると、被覆がむけるという物です。

電動ツールの場合、ビットスリーブというものを先端に取り付けました。巻き付け専用です。もう少し高いものだと、CSWといって、カット・ストリップ・ラップの3つの機能を備えていました。
つまり、ラッピング線の被覆をあらかじめ剥く必要なく、そのままビットスリーブに差し込んで目的の端子に挿してボタンを押せば、自動的に被覆むきしながら巻き付けてくれるという便利なものでした。値段は、ちょっとの差じゃなかったね・・・格段に違いました。

諸先輩の話だと、お前そんなのすぐだめになるぞ、普通のビットスリーブになっちまうぞ、という事でした。興味はあったけど、買おうと思ったことはないし、買う金も当時はなかったのです。

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