電話からラジオ
2025.09.23
電話にラジオの音声が載ってきて困るという話
聞いた話や専門書の記載だけで、実際に経験したことはありませんが・・・
パソコン通信の全盛期、モデムにも影響があり、ラジオのノイズで困ったという話も聞きました。

近くにラジオの送信所が有ると、その強い電波の影響を受けるようです。

昔ながらの黒電話よりも、いまどきの電話機のほうが影響を受けやすい。回路が半導体化されていて、それが検波して音に変えてしまうということです。

アマチュア無線でも、特に大出力で運用されている場合はご近所に迷惑をかけていないか調べる必要があります。
昔の上司が、近所の電話機などにフィルターを付けて回ってきたということでした。

オーディオから無線の交信が聴こえたり、誰もチャイムを押してないのにピンポン鳴ったり、スイッチOFFなのに電球がボワッと光ったりとか、
知らない人だと、怪談に結びつけられそうなことですけれど、じつは電波の影響です。

そういえば中学生の頃、体育館で使っていたワイヤレスマイクからタクシー無線の声が聴こえてきて、一同びっくりした事もありました。これは単に周波数が同じで混信したからです。

AMのラジオ放送は縮小されるし、電話回線はメタル線の巻取りで光に変わり、あるいはモバイル回線を利用した固定電話に変わり、(そもそも固定電話自体がなくなったりして)
こういったアナログならではのノイズの問題も自然になくなっていくのかなと思います。
サンダーカット
2025.09.18
'90年代前半に登場して、確か当時は白山製作所というメーカーが製造しNTT-ME?が販売していました。まだその頃は電話局の営業窓口が有りました。
窓口で、そのカタログを見せて「これが欲しいんですが」と申し出たら、奥のドアを開けて事務所へ通されました。(めったに入れない場所へ、貴重な経験)

これを売っているということは、標準の保安器では不十分ということを認めたと言えるんじゃないかと私は勝手に思っています。
いずれにしても、電話機やモデム等には雷対策の回路が普通は組み込まれていました。

サンダーカットは、電話線と電灯線(コンセント)の両方に接続します。

原理は、
電話線と電灯線を(雷の高電圧がかかった時に)バイパスさせて、電話機や家電を保護しようというものです。

雷で壊れやすいのは、電話線と電灯線、あるいはアンテナと電灯線といった2つの線にまたがる機器です。要するに雷さんの通り道になります。

黒電話は電話線しかつながっていないので、雷ではなかなか壊れません。雷が入っても出ていくところがないからです。

留守番電話なんかは、電話線から入ってきた雷サージが、電灯線へ通っていきます。テレビの場合は、アンテナから入ってきた雷サージが同様に電灯線へ通っていきます。この通っていくときに機器を破壊します。

サンダーカットは、そこ(機器)じゃなくて、こっち(サンダーカット)を通ってくださいという仕組みです。

電灯線は片側アース(電柱の所で接地されている)です。アースと考えて良いでしょう。


サンダーカットの回路は、その当時、実際に現物を開けて確かめてみました。

本当に中身が入っているのかという疑いもありました。何しろ、何度もモデムなど壊れましたから。
あの頃、市販の雷対策コンセントなんてのを買ってきて、どんなもんだろうと開けてみたらバリスタが1個だけ、アース端子は緑色の線が出ているだけというシロモノでガッカリしました。

サンダーカットは、
3極のアレスタ(放電管)が電灯線と電話線それぞれにつながっていて、お互いはZNR(バリスタ)で接続されていたという記憶です。
放電管だけだと、続流という現象があって、電圧が下がっても放電し続けてしまいます。そのためにバリスタで、ある程度以上の電圧がかからないと導通しないようにしています。

原理的には納得できたけど、実際にはISDNのTAだのモデムだの色々壊れてしまいました。

サンダーカットが働く電圧未満で壊れやすいモデムだったのかなと思います。
それとも、確かに働いたが応答が間に合わなかった。
同じく、確かに働いたが雷が強すぎてバイパスしきれなかった。
推測でしかなく、今さらわかりません。

経験的に、落雷時にはよく漏電ブレーカーが落ちていました。
漏電ブレーカーは、通常だと電灯線の電流は行きと帰りは同じですから漏電していないね、というわけで働きません。もし電灯線の一方がアースにつながると、行きと帰りは異なりますから検知されて落ちます。
サンダーカット経由で雷の電流が流れ込んだ場合も差が生じるので落ちるのかなと思います。

まあ、今となっては・・・

メタル線(電話線の銅線)を巻き取ろうという時代ですから、もうどうでも良い話になってしまいました。光ファイバーか、移動通信か。
ベルの共鳴り
2025.09.09
いまでは誰も覚えてないと思いますが、
パソコン通信時代、
モデムを黒電話の回線に並列接続して使っていました。

パルスダイヤルでATDPXXXXXXXXXX(XXXは電話番号)として発信すると、モデムからダイヤルパルスが出ます。

その時、黒電話から「コロコロコロ」「コロコロ」とパルスによる音が出ていました。これを共鳴りといいます。この現象は誰も覚えていないでしょう。

最初からトーンダイヤルだったら経験しないわけです。

ダイヤルパルスはベルが鳴るほど強くなくて、電磁石が微妙に動く程度、それでコロコロ音が出ていたのでしょう。
黒電話を並列にしても同じようにコロコロ鳴りました。

なお、モデムはダイヤルパルスで誤って着信しないような工夫がされていました。(していました)

おかしかったのは・・・覚えているのは1機種だけ、V.34ESIIだったか。併設TELからダイヤルするとそのパルスで誤って着信し、自動応答してしまうのです。
出荷時設定で自動着信有りになっていたせいです。手動着信のコマンドを入れてEEPROMに書き込めば以後は解決しました。
当時メーカーに問い合わせたけど、一度やりとりした後は有耶無耶になりました。
回路を手抜きしていたのでしょう。せめて出荷時設定を手動着信にしてくれれば。

電話機などを並列接続することをブランチとも言います。

ひとつの回線で何台まで接続できるか。いまでは何台も接続することは少なくなったかと思います。
居間に固定電話やFAXがあって、そこから書斎へパソコン通信のために線をひっぱったりという家があったような記憶です。

1回線で黒電話のベルを3台まで鳴らすことができたはずです。それ以上は保証できなかったのではなかったかと。

黒電話ではなく、ベル回路の負荷が軽い、いまどきの電話機だったらそれ以上に接続しても良かったと思います。
そもそも、そんなに何台もつなぐかと思いますけれど。

何台もつなぐときは、1台が通話中に他が受話器を上げても聞こえないように、秘話アダプタというものを取り付けていました。まだ売ってるのかな。

当時ホームセンターから買ってきて、暇な時に回路図を起こして検討していました。秋月でもキットが無かったっけ。
あやしげな電話回線用FMトランスミッタのキットもあった。
電話番号
2025.07.01
自分の出身地の町では、当初、電話番号は4桁でした。それで町内の相手に電話をかけていました。同級生の家に遊びに行く前に、電話をかけました。

町外(市外)は勿論、最初に市外局番を回していました。(回すってのは古いかな)

そしてその番号は、2000番台か3000番台でした。そこで、なぜそうしたのかって考えないものです。普通は。

もし0から始まる番号だったら、市外局番になってしまう。

もし1から始まる番号だったら、警察や消防につながってしまう。たとえば、1101という番号にかけようとしたら、110と回した時点でアウト。

それで2000番台からに割り当てられたのでしょう。

自動化される前は手動交換で、電話番号は1番から順番に割り当てられていました。その番号を基本として、たとえば1番だったら2001番になったというわけです。これなら覚えやすいです。

一部、企業や役所などで代表扱いになる所は番号が変更されました。

その後、必ず市内局番をつけるように変更され、**-****という形式でダイヤルするようになって現在に至ります。

市内局番も当然、他の番号と重複しない数字が割り当てられたのでしょう。

そして市内局番が付加された結果、0000番台や1000番台も割当可能になったと思います。自分の出身地で、現実に割り当てられたかどうかは未確認。

あまり関係ないが、意外と使われていなかった2000番が割り当てられたのは有りました。

よその市・町では0000番台の電話番号も見かけます。(もちろん市内局番付き)

ところで、相手が市内であっても市外局番から回してもつながります。手でダイヤルするには手間がかかるだけです。
結果的には接続されますが、NTTのシステムの中でどのようなルートを通って接続されるのかは不明です。
市外発信だと認識されて、一旦、統括している局につながってから発信地の交換機に戻ってきているのか、謎です。
特に現在ではIP化されている為、そんなのどうでも良いレベルになってしまいました。

昔はチケット予約などで着信が殺到したり、災害もそうでした。そもそも電話局が被害を受けていて接続不能になっていたという経験もありました。

公衆電話からの発信は優先的につながるというのは事実で、昔の電話交換機の教科書や技術資料にもそう書いてあります。

だけど、公衆電話はどんどん減るばかり。近年だけで2~3箇所は撤去されました。


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ご参考

電話番号に関するQ&A(総務省)
ttps://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/tel_number/q_and_a-2000apr.html

よくあるご質問(NTT東日本)
ttps://www.ntt-east.co.jp/info-st/faq/
有線放送
2025.06.16
有線放送というと、あの飲食店などでBGMを流しているアレですか・・・と言われそうです。

個人的には、有線放送電話を先に思い出します。まだまだ有りますが、全国的にずいぶん少なくなりました。

スピーカー付き電話機から定時放送が流れ、放送時間外には通話もできるというものでした。

いまでは「防災ラジオ」に置き換わったりしています。

昔は電電公社(現NTT)の電話の整備が追いつかず、特に地方や農村では有線放送電話が普及しました。

但し、1軒ずつ独立した回線ではなく、近辺の10軒か20軒程度の電話機が全部並列につながっていましたから、区別ができません。「何番さ~ん」とスピーカーで呼びかけなければなりませんでした。
その方式は各種あり、1台ずつの鳴り分けができる物もあったようです。(手元に1台あるのがそれで、内部にリレーが仕込まれている)

複数の電話機が並列接続されているので、他人の通話を聞こうと思えば聞けたのですが、のちに対策されました。本体のスピーカーから漏れて聞こえたそうです。たとえばバリスターを組み込んで、ある程度高い電圧のかかる放送時しか音が出ないようになりました。

自分が実際に有線放送電話を見たのは幼い頃で、自宅には無くて、祖父・祖母の家と店でしか見る機会がなく、たまたま行った時ぐらいだったのでほとんど記憶にありません。

昼に音楽などが流れていたのをかすかに覚えているぐらい。ラジオ放送をそのまま流していたような気がします。

いつ廃止になったのかもさだかではありません。以前ずいぶん調べたけれど、農協に関しては記録を見つけきれていません。農協の統廃合の影響もあるかもしれません。

放送と通話は同時にできませんから、時間割で放送の時間と通話の時間が決められていました。

放送時間中でも緊急の用事で電話を使いたい時があります。
そんな時には割り込みボタンを使いました。受話器をかける所にある赤いボタンを押すと交換台に知らせる事ができました。
この赤いボタンは深く押さないと反応しない為、受話器をかけた状態ではONになりません。

仕組みは簡単で、1KΩの抵抗を回線につないでいました。これで直流ループができて交換台のランプが光って知らせる仕組み。

私の出身の町では昭和52年初めまで、電電公社の電話も手動交換だったのです。それからクロスバー交換機による自動交換に変わり、たぶんその後ぐらいに農協の有線放送電話も廃止されました。

農協の建物は残っていませんが、当時は二階に放送と交換を行う部屋があったと聞きました。一度も上がってみたことがないのは残念です。
廃止後に全部撤去されてしまったのかもしれません。

各家の電話機や電柱、電話線はずいぶん後まで残っていて、回収されなかったのか、回収もれだったのか、各自で自由に処分してくださいだったのかわからないけど、

よその家に行くと、まだ取り付けられたままになっていたりしました。
知り合いの家に頼んで、その電話機を取り外してもらってきたりしたものでした。

中には、シロホンとアンプとマイクが有り、そこから地区内へ放送できるようになっている家もありました。これと有線放送電話との関連は不明です。

小学校に行く途中の畑の中などにスピーカーの付いた電柱が建っていて、これもずいぶん後まで残っていたりしたものですが、いま改めて見ると、町内のどこにも見当たりません。
どこにあったのかも、記憶がなくなりました。

こうして、忘れ去られて歴史の中に消えていくのでしょう。

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