いたずら(草の根ネット)
2024.11.26
やはり、いたずらをする奴もいた。

SYSOPとしてログインしようとする奴とか(パスワードを色々と試行/制限がかかるし、記録される)、GUESTで入って、ゴミメッセージを残していく奴とか。

「ば-か」って書き込みがあって、ーが変だと思い、この特徴をもとに犯人を絞り込んだり・・・

いたずらして何が面白いのかわからないけど、こちらもその都度対策していった。GUESTで出来る項目を極端に制限したりとか。

ISDNだと発信者の番号がわかるという噂が流れていて、これでいたずらが減ったような記憶がある。

地元の草の根ネットの運営者同士で情報を共有しあって、たぶんあいつじゃないかという話はあったと思う。

SYSOPについてはホストPC直接しか入れないように設定したような気がする。もう忘れた。

代わりに、自分が普段活動する時のためのIDを別途取得してそれを使っていた。会員登録や書き込みの削除などはSYSOPで入って作業していた。やはり、見た目でもSYSOPと一般IDでは印象も違う。

些細な喧嘩とか炎上も有ったような無かったような気がするけど、それほどひどい事態にはならなかったのは確か。
オフ会
2024.11.26
どこの草の根ネットでも、時々「オフ会」と称して、会員さん同士が直接会う機会があった。

みんなでどこかへ出かけようとか、食事をしようとか、花見とか、そんな感じ。
何月何日の何時に、ここへ集合と告知をしておく。当時は携帯も普及してなかったから、待ち合わせは大変だった。

佐賀の某ネットが主催したオフ会へ参加し、ホテルの宴会場で食事をしたのも遠い昔の思い出。ひとりずつスピーチした時の写真が今も残っている。

今思えば、いわゆる男女の出会いの場じゃなかったかと思うが、当時の自分はそんな事まったく思いつかず、ただ純粋に面白いからパソコン通信をやっていただけ。

たまに「女性の会員はどれくらいいますか」などと聞いてくる人がいたので、なんでそんな事を聞くのだろう?と疑問に思った。あまりこういう趣味は女性が興味を持たないから、女性は少ないんでしょうね、と言われているのだとばかり思っていた。
何人ぐらいです。ああ、じゃあやっぱり少ないんですね、という話だとばかり。

当然、男女問わず個人情報については答えなかったが、答えるとしても大まかな人数までだ。それだって登録しただけで終わっている人もいるし、実際に活動している人数まではわからない。

まあとにかく、集まってみると中学生、高校生から、同年代やそれ以上の方々まで色々でした。職業も色々。ここで地元の陶芸家の方々との接点もできた。普通に暮らしていたらそんな接点はなかった。

自分は茶碗でご飯を食べるけど、陶芸家は茶碗でご飯を食べているわけで(お金を稼ぐという意味)、茶碗なんかそんなに売れて生活できるほど収入があるんだろうかと思ったが、全然知らなかった世界との接触は貴重だった。
茶碗なんか100均で買えば、ぐらいにしか自分は思わないが、世の中は広い。ひとつの茶碗に価値を見出す人もいる。何万どころか何十万円で売っている茶碗もあった。

興味があってパソコンを50万出して買ってしまったが、使い方が全然わからないというスゴイ方。たぶん直感で動くタイプだろうな。まず手に入れてそれから考えよう、と。
そこで、うちに来て使い方を教えてくれと。その頃、失業して暇だったので入り浸っていたら、ラーメン屋で「お弟子さんですか」などと言われる始末。本当は逆なのだが。
自由奔放な自営業の世界は、そこで学んだのだった。

皆さん、普段は文字だけでコミュニケーションしているので、直接会って話すなんて貴重な機会です。

とにかく文字だけでしたからね。ああ、こういう方だったんだと。直接会ってみたら、それまでの想像とのギャップ?

私はSYSOPだったので、顔と名前(ハンドルネーム、ニックネーム)を一致させて覚えておかないといけなくて大変だった。ど忘れして、えっとどなたでしたっけ、と失礼な事も。

隣県のネットとの交流会もあり、かなり大勢集まった時もあった。もはや誰が誰なのかさっぱり・・・
ISH形式
2024.11.26
これも、今ではほとんど誰もわからない話かもしれない。

自分の草の根ネットにはファイル専用のボードがあったけど、他のホスト用のプログラムでは掲示板のみという時代もあったようです。

そこへなんとかしてファイルをアップできないかというわけで、ISH形式というものがありました。

普通のファイルだと、テキストではないファイルという意味ですが、コントロールコードや表示できない文字も当然含まれます。そのままでは掲示板に載せられないし、表示が乱れるばかりです。欠落もあるでしょう。

そこでファイルを一旦、可読文字に置き換えてしまい、掲示板への掲載もできるようにした、というふうに私は理解しています。

ダウンロードしたい人は、それをログにとっておき、ISHのプログラムを使うと元のファイルに戻せるというものでした。

アクセスの最初から最後までの通信内容をログといってファイルに記録しておき、それをISHのプログラムにかけると、ISH形式の部分からファイルを抽出してくれるのでした。

ISH形式は、いますぐには具体例を探し出せませんが、

879SFS9AR892J9U98FSDU98GSD8762GJHFJKHASDKFHAS
SA8786Y238HYRIOWEYAU87YFSAHIOFHSDAUF8Y721OIUY
FJDSAIY20ROIHAHFSD8OYH2OI8RWIQOFDSHAA2GANVXKJ

・・・のような文字の羅列でした。

いまで言うところのBASE64エンコードにあたるでしょうか。

その当時でもバイナリからテキストへの変換としては、インテルHEXやモトローラS形式というものがありました。これは主にプログラミングの世界で、ROMの書き込みに使っていたのであまり一般的ではなかったかもしれない。
1行ボード(掲示板)
2024.11.26
当時、草の根ネットに設置していた1行ボードと呼ばれる掲示板
今で言うX(旧Twitter)のような感じで、1行程度の短い文章を投稿することができました。
意外と利用が多かったような印象があります。


通常の掲示板のほうは各分野ごとに設置しており、会員の中でも特に登録された者しか入れない空間もありました。

ちなみにメールボックスも有り、閉局に際してはとうとう相手に受信されないまま残ったメールもあったと思います。(閉局前に、各自受信するように呼びかけはしていた)

今では考えられないけれど、すべて文字ベースのやりとりでした。

絵や写真はファイルボードといって、ファイルを保管するスペースがあり、そこへアップロードしていました。リアルタイムに見る事はできず、ダウンロードしてから見ていました。

ファイルボードの利用では主にフリーソフトの交換を行っていました。

初期の頃、市販ソフトをアップロードした不届き者がいて、厳重に注意しました。本人に直接言ってもケロリとしていて、暖簾に腕押しでした。ちょっと感覚が違うようです。とにかくやめろって言ったんですがね。一度削除したら、またアップロードするし。
本人に聞くと「ローカルの者しか見ないから良いだろ」とか、そうじゃないだろって、なかなか本人には話が通じませんでした。

最初はそいつにチャットで呼びかけた。やりとりをしていたら意外と家が近い事がわかったので遊びに来ないかと誘ってみたら、
来た本人は全く無口というかコミュニケーション能力に問題ありの引きこもりで、場がもたない。こっちが話さないと何も言わない。おとなしすぎる。
とんでもないやつを呼んでしまったと後悔したが、基本的には悪い奴ではなさそうで、それだけは救いだったが・・・
ネット弁慶というか、いまでもネット上で強気や攻撃的なコメントをしてくるやつはたいていこのタイプだろうなと思っている。リアルでは他人とまともに会話もできない。


フリーソフトや自作のイラスト等、正当なものであっても、
大きいサイズのファイルのダウンロードで長時間回線を占有するのは良くないこととされており、譲り合って使いましょうと呼びかけていました。いまでは意味がわからないことですね。

物理的に電話回線が数本しかないのと、夜間は特に利用が集中するので、話し中になりがちでした。
つながらないと、接続したくなくなるから回線を増やして会員を受け入れろって、それで最終的には3回線(アナログ1回線とISDNで2回線分)にしました。

ちなみに大きいサイズのファイルといっても1メガとかそんなものでした。当時は通信速度が今と比べて遅いから、ずいぶん時間がかかったのです。
メガバイトのファイルなんて少なかった。たいていは数キロから数十キロバイトのファイルばかり。
そりゃあ、確かに画像は荒かったかもしれないが、色数も少なかったし・・・でも今から振り返ってみるとそれはそれで味わいがあった。

JPG画像1枚表示するだけでも遅くて、JPGはなるべく見たくないなと思ったりしていました。これはPCの処理速度の問題。
内線の交換機
2024.11.26
NTTの回線に接続することなく、電話機、モデムやFAX同士の通信テストができるようにする装置を擬似交換機といいます。

もしNTTの回線でテストしようと思ったら、2回線引く事になり、さらに通話料などもかかります。もし開発中の機器だったら勝手に接続できません。(技術基準適合認定)
それにダイヤルミス等で他人に迷惑をかけてしまう事もあってはなりません。

私は仕事上、疑似交換機を持っています。

そのほか、昔あった「三角電伝」(TRI-JACK)、そしてISDNのターミナルアダプタ(IT55DSU等)でも内線通話を利用する事ができました。

自分の草の根ネットでも、SYSOP(私)が接続する時は内線を利用して接続していました。基本的にはクロスケーブルを使うようになっていましたが、TAのアナログポートにモデムをつないでいたので外線と内線をそのまま使えて便利でした。電話番号を変えるだけ。
クロスケーブルだったらつなぎ替えか、あるいは当時流行った切替スイッチで切り替える必要があり、当初はそのようにしていたと思います。

究極的にはモデム同士を直結しても通信可能です。2台のモデムを接続する場合、片方はATDで発信、もう片方はATAで応答します。
あるいはFAXモデムを使い、FAXをスキャナまたはプリンタ代わりにしたい場合(これも'90年代に流行った)、FAXとFAXモデムを直結します。
回線の電流を監視している機種はそのままでは駄目で、下記の方法で実施します。

その線に6V~9V程度の電池に抵抗を通してつないでやると通信できました。当然、ベルを鳴らしたりはできません。発信・着信は手動で操作します。
FAX機のほうは受話器を上げてスタートボタンを押します。

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