ラストナンバーは何か
2025.05.09
(電話回線の)混線は今まで何度か経験した。

最初はパソコン通信のホスト局をやっていた頃・・・

深夜に各局と掲示板データを転送しあうシステムを毎日動かしていたが、なぜか通信が途中で切れてしまい、原因は回線にノイズが入った為。
電話機を使って聞いてみると、ただ受話器を上げただけで話し中の音が混ざっていたりした。

それで故障係に電話して来てもらったが、なぜか調べに来てもらった時には再現しない。
また症状がでたら教えて下さいということで帰っていったが、その夜に再発したわけ。

それでまた連絡を入れた。
今度は高所作業車を出して、電話局からうちまで電話線を追いかけて調べてもらった。途中で線がくっついている箇所があったらしい。落雷で融けたとかそんなところだろうか?

うちに故障係の方が来られた時、うちの電話機でどこかにかけていた。なんだろう。

その電話機は単純な機能のもので、液晶とか何もない。ただ、最後にかけた電話番号だけは記憶され、リダイヤルできる。

どこにかけているのか興味があったので、なんとかして番号を突き止めようとした。

ただ、そのままリダイヤルすると問題がありそう。知らないところにかけてしまう可能性がある。じつは子どもの頃に114などへいたずら電話をかけて遊んでいたら電話局の人にいたずらするなと怒られたことがある。

電話機を回線から取り外し、電話線に電池をつないで電源供給した。そこでリダイヤルを押してみると、プツッ、プツッ、プツッ、と1を3回出している事がわかった。

当時は知らなかったけど、線路試験受付の番号だったというわけ。電話料金は無料。

これは電話工事の人が首にかけているブレストのボタンをチョンチョンチョンと3回押すと111をダイヤルしたのと同様になる。

そういえば電話工事の人が、工事完了時に電話線に端末をつないで伝票を発行していたが、それもちょっと興味があった。
いまではそれも無くなってしまい、タブレットの画面にサインをしてください、という形になっている。
コロコロ音
2025.05.09
黒電話なんか若い人は知らないだろうけど、

電話機を並列に配線して使っていたことがある。いわゆる親子電話というやつ。

もちろん中学生の頃で、資格なしに勝手に配線して使っていたのである。いまは工事担任者資格は持ってる。

今までの黒電話はそのまま、そこから配線をのばして新しく買った電話を並列につなぐ。たとえば二階に置く。

まだ(携帯電話どころか)コードレスホンも普及してなかった頃だから、二階に電話があると便利だった。一階からオーイ電話だと叫んだり、二階からバタバタ降りてきたりのぼったりしなくて済む。

その親子電話で、なぜか覚えていること。

増設した電話機のダイヤルを回す(ボタンだけどパルスダイヤルと同じ)と、黒電話のベルがコロコロコロと鳴る。
通常のベルを鳴らす程度の強い信号じゃないためか、弱い音で鳴る。

これはモデムも同じで、やはりパルスダイヤルだから黒電話がコロコロ鳴る。それが別に何か問題があるわけじゃないけど、なぜか覚えている。

逆に、モデムの誤作動につながったケースがあった。
併設電話機のダイヤルを回すと、そのパルスをモデムの着信検知回路が拾って、着信と判断してしまう不具合。
その機種はデフォルトで自動着信「あり」になっていたから、勝手にオフフックしてしまって電話をかける時に支障があった。

DIPスイッチかATコマンドで自動着信「しない」に設定して記憶させておけばよいのだけど、それでもターミナル画面に RING RING という表示が出る。
回路をちょっと工夫すればよかったのだろうけど、そこまで作り込んでなかったんだろうな。とある機種、自分の経験ではその1機種だけだった。

メーカーに問い合わせたけど、調査中ですと回答があってそれっきり音沙汰なし。今更どうしようもなかったのだろう。
構内専用自動交換機
2025.05.08
写真は、「沖電気時報」より。


これは PAX-102 「10回線構内専用自動交換機」 の中身です。

構内交換機というのは、いわゆるPBXのことです。たとえば会社の中とか、その内線専用で使う交換機です。この機種は外線と接続する機能は無く、構内専用です。

これがどうしたかというと、

小学生の頃、ある朝・・・親父が「こうないこうかんき、欲しくないか?」と私に聞きました。

私は「こうない」の部分を「校内」と思い込んだわけです。その意味しか知らないから。
校内っていうことは学校で使っていたやつ? どんなのだろう?

それで持ち帰ってきたのが、この写真の左側部分のリレーユニットでした。

解体された状態で、配線は切られていたし、リレーはつぶれていました。
たぶん、役所なので使えないようにしてから捨てたんだろうと思います。

最初は、写真左側のユニットだけ受け取りました。
当時は完成状態の写真なんか見たことがありません。だけど、これだけじゃないだろう、とはなんとなく思っていました。

そこで親父に、もっと部品が無いだろうかと聞いたら、またいくつか持ち帰ってきました。
トランス、基板、端子盤といったものでした。

トランスはカバーを開けてみると内部に水が入っており、外に放置されていたと思います。もちろんそのまま通電すると危ないので、数日よく乾かしてから通電してみました。

結局、リレーユニットはあちこち配線が切られていたりつぶれていたりして修復しようがなく、いじって遊ぶだけで終わってしまいました。

ロータリースイッチ(電磁式)は面白いと思ったので、それだけはずいぶんいじって遊びました。断続的に電流を流すと、接点が順番に切り替わっていくのです。
これで10回線の電話機を選択していくのでしょう。

当時は資料も何もありませんから、何がどうなっていたのかさっぱりわかりませんでした。

つい先日、こういう資料を手に入れて、今更ながらなるほど・・・と長年のスキマ?が埋まってきたわけです。
国立国会図書館のデジタルコレクションの中に、色々な資料が無料公開されています。「沖電気時報」もそのひとつです。

この交換機は電話機を10台まで接続し、同時に通話できるのは2組まででした。
あの色々な基板は、当時は正体不明でしたが、発信音や話中音を出す為の発振回路だったのでしょう。

もともとどんな形だったのか、今更知った次第です。

そして、今はこの仕様書を見るだけで回路を設計して作れるレベルになりました。わざわざ作りませんが、せめて当時の部品を残しておけば良かったと思います。
固定電話その後
2025.04.17
昨年、固定電話(ひかり電話)を引いてみたが、非通知が1回だけでどこからもかかってこない。これを実際に確かめるのも目的のひとつでした。

その非通知1回は「探り」なのかと思っていて、それで生きている電話番号が収集されてセールスや詐欺電話がかかってくるものと予想していたが・・・全く何もない。

もし、この番号を公開すると(通販の会員などに登録)、別に「探り」で調べた”生きている電話番号リスト”と紐づけされてそこからセールスや詐欺電話がかかってくるかもしれない。
そのへんの流れを追いたい。どこから漏れているかつきとめたい気持ちがある。一箇所にしか電話番号を入れてないから、おたくの店から漏れたとしか考えられないという具合に。
ハイブリッド回路
2025.02.23
アナログの電話回線は2本の線だけで電源供給と音声の送受信をしているわけですが、どうして2本で可能なのか。

自分のマイク~(電池と回線)~相手のスピーカー
そして、相手のマイク~(電池と回線)~自分のスピーカー
という結線をすれば4本必要になる。アースを兼用しても3本。



それは、ハイブリッド回路(2線-4線変換回路)またはそれと同等の物を使っているからです(上図)。
黒電話の時代にはコイル(トランス)で実現していました。昔のモデムはオペアンプで組まれていて、いまの多くの電話機はICに内蔵されています。

基本的にはブリッジになっていて、これが平衡している限り、自分のマイクが拾った声は自分のスピーカーには聞こえない仕組みです。

左向きの三角は自分のマイクから、右向きの三角は自分のスピーカーへつながっています。

自分の声は2本の抵抗を通ってトランス経由で外線へ出ていきます。
スピーカーにつながるオペアンプの入力+,-には自分の声が入り、±0で自分の声は聞こえないわけです。(差動増幅)

600Ωと書きましたが、現実の回線は必ずしもそうなっていないので、自動的に調整する仕組みがあるようです。この図は、あくまでも原理的に簡略化しただけです。

中学生の頃に学校で組み立てていたインターホンは、フラットケーブルで親機・子機を接続するもので、個人的には「ダサい」代物でした。なんで2本じゃないのかと。フラットケーブルなんか引き回したくないです。見た目も悪いし・・・。

でも中学生の製作品でオペアンプとか難しそうなものは不向きだろうという見方もあろうかと思います。

このハイブリッド回路、会社に入ってからモデム等の設計をする機会が有り、試作してみることになりました。
それでトラ技か何かに載っていた物を真似して2台作り(通信テストなので2台必要)、実験を始めてみたところで、
その当時は何もわかっておらず見様見真似だけで精一杯でした。当然、調整の仕方もよくわかりません。もたもたしていたら、
上司から「お前わかってないだろ」って言われてゴミ箱ポイでした。

それでとにかく「作り直せ」と言われて、作り方も「なってなかった」んでしょうね。アースの引き回し方ひとつでも、まだまだあの頃は未熟でした。

学校を卒業して数年だったっけ。ユニバーサル基板の電源ラインの引き回しだって、細いラッピング線をむいたやつで全部引いていました。いま思えばおかしな話。細すぎだろって。
ずっと一人でやってきたから、知らなかったのです。学校では習わなかったし。

電源とアースには太めの銅線を使って、信号の流れを考えた部品配置で作り直し・・・これでようやく実験を始めることができた思い出があります。

これが今も続いている製品シリーズの基礎になりました。

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