大量の部品を集めてコンピュータを作る話
2025.09.07
昔の(確か70年代か80年代前半)「ラジオの製作」のQ&Aコーナーで、

Q.テレビなどのジャンクから大量の部品を集めました。これでコンピュータを作りたいと思います。どうやって作ったらいいか教えて下さい。(内容は記憶あいまい)

A.熱意は認めますが、買ったほうが安いです。(内容は記憶あいまい)

熱意は認めますが、の部分は確かな記憶だと思います。印象に残っていました。

本当に作るのは大変なことです。
若いときは、そんなことないだろうって思うのです。
経験がなければ経験してみれば良くわかります。
でも、その熱意は立派なものです。
本当に自力で作ったら、相当な知識と経験を得るでしょう。

トランジスタやダイオードのレベルから作っていくと、回路が膨大になって大変です。どこがおかしいのか調べるのも大変です。
そのためには、ある程度の回路単位でユニット化していく必要があるでしょう。それらをつなぎあわせる配線も複雑になります。

実際に作った人は海外に何人もいます。動画サイトに載っています。
一方、日本では数えるほどです。発表されていない方とか知られていない方もあるかもしれませんけど、海外にくらべたらずっと少ないです。
リレーでもトランジスタでもICでも色々あります。
日本のうさぎ小屋では無理な、巨大なコンピュータを手作りして、ドヤ顔で写っている人もいました。

やはり、何かが根本的に違うのです。パワーが有りすぎます。

特に欧米の方の体力というかエネルギーは相当なものです。
日本人の食生活も欧米化と言われていますが、欧米の彼らが食べたり飲んだりするものは異次元です。
肉を食らうせいか体格も立派で、酒やコーラもエネルギー源でしょう。
長期の休みが取れるのも趣味に没頭できる要因のはずです。
トランジスタとかフォトカプラで論理素子
2025.09.07
高校生の頃からコンピュータの歴史に興味を持ち始め、そのうちに自分でCPUを作りたいと思い、何か具体的な回路は無いものかと、本を読み漁っていました。
そんな本の中で、ダイオードによるOR回路などを見つけました。

ダイオードでできるんだ、と簡単に考えたのが甘かったのです。
何段も連結していくと電圧が落ちて動かなくなるのは当たり前です。
そのためにトランジスタを入れる必要がありました。

ダイオードによるAND回路にトランジスタを組み合わせるとNANDになります。DTLという回路方式で作りました。
ダイオードと抵抗とトランジスタの組み合わせです。

NANDが出来れば、あとはその組み合わせで原理的にコンピュータは作れます。
実際には馬鹿正直に同じ回路を並べたりはしません。回路的に整理できるところは整理したりします。これは論理設計と回路設計の違いです。(重要)

とにかく、そのNAND回路を作って試したのでした。

原理的な回路は教科書かどこかに書いてあるように単純ですが、実際その通りに作っても安定して動きません。
そのためにはいくつかの部品を追加する必要があります。
NANDを3段作って連結し、発振回路を作って試すぐらいで終わりました。

実験したり本を参考にして回路を検討していくと部品が増え、ゲートひとつにこれだけ部品がいるのか・・・と、当時はユニバーサル基板か感光基板で手作りするしかなかったですから、できるだけ部品の少ない方式は無いものかと考えていたのでした。

そこで目についたのはフォトカプラです。
一次側にLED、二次側にフォトトランジスタが組み込まれています。
本来の目的は、信号の絶縁です。電位差のある回路同士で信号のやりとりをする為に必要な部品です。光を通して信号のやりとりをします。

このフォトカプラのトランジスタを並列につないでいけばORじゃないかと。(当たり前)
直列につないでいけばANDじゃないかと。そんなふうに、また単純に考えていました。

その考えで基本回路や半加算器かRSフリップフロップまで試してみたのですが、思うように動きません。
当時は理解が足りなかったのでしょう。とりあえず、簡単じゃないんだなという感触をつかんだのが唯一の収穫でした。

トランジスタでもフォトカプラでも、動いている様子が視覚・聴覚に訴えないと面白くないわけで、結局どっちで作っても同じだなということでフォトカプラの採用はあきらめたのでした。

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