技術家庭科の先生
2023.12.28
先日、県内のニュースで、横断歩道を渡っていた無職の高齢者が信号無視?の車にはねられて重体、数日後に亡くなられたとのこと。
その高齢者の名前、あれっ、どこかで見たことがある。比較的珍しい名前だから、同姓同名の可能性は低い。

中学生の頃にお世話になった技術家庭科の先生じゃないか。

1,2年生まではその先生だったと思う。

覚えているのは、
ブリキ細工で「ちりとり」を作る授業があった。
ブリキ板に寸法をとって「けがき」して、金切りバサミでブリキを切り出し、曲げる道具で曲げて、カドを合わせてハンダ付けする。

タガネのような道具で、曲げたい線に当てて金槌で叩いて曲げたと思う。

ブリキのハンダ付けには、フラックスではなく塩酸を使った。

カドの合わせるところのスキマに少し塗って、ハンダゴテ(太い)で良く暖めてからハンダを流すと、ジュッと音をたててハンダが吸い込まれる。そのままにしておくと腐食が進むので塩酸を良く洗い流す。

その先生から「君は、こういうの得意だろ」と声をかけられた事を今でも覚えている。

あと、「決して逆に読むなセンターポンチ」と、みんなに言っていた。

センターポンチってのは穴あけをする位置に打って凹みをつける道具で、これを打ってからドリルを使うとズレにくいので作業しやすくなる。

名前が「こうた」というので、子供の頃は「何をこうたんだ」(買うた)と、からかわれていたとか。それで名前を覚えていた次第。
先生の御冥福をお祈り致します。
掃除機と火花送信機とコヒーラーとヘルツ
2023.12.27
小学生の頃に読んだ本に、マルコーニの時代の送信機・受信機が載っていて興味をひかれた。
タイタニックのSOS送信をしたのも、その送信機だったという。

高電圧を発生して、その火花を断続して電波として飛ばす。いま考えるとノイズばらまきだから現代では実用できないが、その簡単な仕組みを見て、再現してみたくなったわけ。その当時。

その元は「ヘルツの実験」

※参考
ttps://www.saga-ed.jp/kenkyu/kenkyu_chousa/h17/buturi/ji_herzt01.htm

誘導コイルで高電圧を発生、それを放電させて電波を飛ばす。
少し離れた所に置いた受信ループアンテナで、その両端を近づけておく電波受信時に火花が飛ぶ。

コヒーラーという検波器があって、ガラス管の両端に電極がつながり、中にアルミの粉が詰まっている。通常は導通しない。電波受信すると導通する。そのままだと次の受信ができないので、デコヒーラーといってコヒーラーを叩いて導通を解除させる仕組みがあった。

そのコヒーラーを自作するのがなかなかうまくできなくて、アルミの粉を集めるところで挫折したような記憶。
アルミ板をヤスリでゴリゴリやったけど、粉がなかなか集まらなくて面倒くさくなったのか。
今だったら、でんじろう先生の実験を見れば、ああすれば良かったのかと思うのだけど。アルミフォイルをちぎって丸めても良かったのかと。

針金を丸くして作ったループアンテナにイヤホンをつないで、ノイズを聞いてみたことはある。

送信機をどうするか、というところで誘導コイル、あの理科の実験で出てくるやつ・・・手に入らない。当時は思いつかなかったけれど、その代わりは色々考えられる。静電気を起こして火花をちらしてもよかった。ライターの火花を飛ばすものは当時ほとんど無かった。カチカチってなるやつ。ジッジッじゃなくて。

当時よくいじったのは、拾ってきた掃除機から外したリレー。
手元でON/OFF操作できるようにする為に、ホースの中にコードを通してあり、掃除機本体側にリレーが内蔵されていて、それでモーターをON/OFFする。

そのリレーを取り出してきて、いじって遊んでいた。AC100V用なので電池では励磁しない。だけど、電池をつないだまま鉄片を指で押さえてやると微妙にひっつく。
コイルと接点を直列につないで、微妙に押さえると接点が細かくくっついたり離れたりしてジーッと火花が出る。これを送信機にしてみた。

テレビには盛大にノイズが入るし、ラジオもガリガリ鳴るし、とんでもなく迷惑なシロモノだった・・・。

あと、触り方によっては感電する(した)。コイルに流れる電流を切った瞬間に逆起電力が発生する。それが場合によっては100ボルトを超えることもある。

ところで掃除機から外した部品は他にもあり、フィルター、これは現在とは違って使い捨てではなかった時代のもの。黒い布製の袋だった。
よく見ると、漫画家(藤子F不二雄先生or手塚治虫先生)がかぶっているベレー帽に似ているような気がした(あくまでも個人的な感想)。
当時は漫画家にもなりたいと思っていたから、それを洗って乾かして、頭にかぶってみた。うちの母から、汚いヤメレって叱られながら。
そんなのかぶったって漫画家にはなれない。
フォーンプラグのかしめ工具
2023.12.25
ステレオヘッドホン等に良く使われているプラグ、
もともとは(手動式の)電話交換機用だったという歴史がある。



ところで、これの作り方(ケーブルのつなぎ方)は自己流の方が多いような気がする。

一番端にケーブルを固定する部分があるけど、この「かしめ」なんかは、本当にみんな自由にやっているだろう。


1.全く何もしない人(論外)
2.ペンチで適当につぶす人(正式な工具ない)
3.そして・・・これは主にメーカーだが、正式な工具で「かしめ」

確かに、メーカー製品を開けてみると、きれいにかしめられている。だから正式な工具は有るはず・・・

その正式な工具は市販されているのだろうかと、ちょろっと検索してみたけれど、違うものばかり出てくる。果たして、それは存在するのか?

そんなに使う用事もないのでわざわざ買う必要もないが・・・今回10本ぐらい作ったら終わりなので・・・
たのしい実験と部品
2023.11.29
古本屋を探索しながら、タイトルを見て「もしや」と思い、注文して届いたのがコレ。



(個人名が書かれているので隠してあります)





やはり目当ての物だった。但し、年代はちょっと古め。
これはかなりのレア物。なかなか市場に出てこない。一般書店で売られていなかったので出回ってない。

昭和50年代ごろから「ラジオの製作」などの雑誌に、「JEC ジャパン・エレクトロニクス・サークル」の広告が載っていた。
切手を何百円分送れば、豪華カタログなどを送りますといったもので、会員証もあった。
「太陽電池プレゼント券」に釣られて申し込んだようなもの。

古い雑誌を見た為、同封する切手の金額が足りなくて、あとで追加を送るはめに。
(雑誌は毎号買えなかったので、とりあえず手元にある雑誌を見るしかなかった)

こんな広告だった。

(1977年の「子供の科学」より)

カタログと会報と製作記事を一緒くたにしたような小冊子だった。

当時は夢中になって何度も何度も読み返した。むさぼるように。
いまと違って情報源は限られていた。雑誌ぐらいしかなかったのである。テレビでは電子工作といったマイナーな趣味はめったに取り扱われなかった。(自分の年代では)

さて、この小冊子の年代はわからない。真空管の記事が多いので古そうだなという感じ。
発行年は書かれていないが、郵便料金からの推測では昭和40年代前半ではないだろうか。計算尺の広告があるので、カシオミニが出るよりも前だろうけれど。

当時は株式会社実務機器という社名だったようだ。
JECは、後のジャパン・エレクトロニクス・サークルではなく、この当時は「実務 エレクトロ クラブ」の略だった。

会社の所在地は書いてない。私書箱の宛先しか記載がない。おそらく郵便のやりとりが多かったので私書箱を契約していたのだろうと思う。あやしい会社ではないだろう。

子供の頃、通販に対して抱いていたのは「怪しい」ということ。お金を送って品物が来ない、なんてことにならないだろうな?と疑いながら現金書留などを送ったものだ。
当時は現代のようにせっかちでタイパでコスパな時代ではなく、のんびりしたもので、品物が届くまで1週間や2週間は普通だった。
毎日のようにポストをのぞいてみるが、なかなか届かず、忘れた頃に届いたりしてビックリするので、かえって楽しみだった。

当時の通販でだまされた事はない。近年になってだまされたけどね。ニセ通販サイトに。

ところで、「太陽電池プレゼント券」どうなったかというと・・・通販で部品を買う時に同封したけど結局、太陽電池はもらってない。
商品はちゃんと届いたけど。
確か航空無線コンバータだったか、50MHzのコンバータだったか、そんなのを買って組み立てたのだけど、
たぶんあれは、説明書の見た感じから、おそらくラジオの製作などの記事のピーコさんだな。

ちゃんと組み立てたけど、動かしてみてもなんだかパッとしなくて・・・いま考えてみれば不思議じゃない。放送と違って、航空無線とか無線交信は「常に電波が出てない」から、周波数とタイミングが合わないと受信できないんだな。だから雑音しか聴こえない。
当時は全然わかってなかった。知らなかった。これさえ買えば(組み立てれば)、簡単に聞けると期待してしまっていたわけ。

ところでJECのその後、ラジオの製作やラジオライフにも広告が出ていたけど、いつまで出ていたかは記憶にないけど、21世紀になるかならないかの時には無くなったんじゃなかったかな。よく覚えて無くてスマヌ。

なんだかなあ。でも、あの頃、忘れた頃にひょっこり小さな小包がポストに入っていたのを見つけた感じ、あの小さな箱が愛おしく感じられる。毎日、学校から帰るのが楽しみだった。
かけざんけいさんき(続々)
2023.11.28
入力は0~9までの押しボタンの列が2組

10進数から2進数4bitへのエンコーダ回路(ダイオードマトリクス)

このままだとボタンを押し続けないといけないから、トグルスイッチか、押しボタンだったらオルタネート(押すたびにON/OFF交代)のようにメカ的に状態が保持されるものが良い。

本当は、セレクトボタンのようにひとつだけONになる機構のものが望ましい。昔の扇風機のOFF/弱/中/強のボタンだってひとつしか入らないようになっていたでしょう。(無理やり2つ以上押したりして遊んだけどな)

電子的に実現するなら言うまでもなくフリップフロップ

クリアボタン →かけられる数 →かける数 →答え という操作順

次に掛け算回路
前に挙げた1,2,4,8の掛け算マトリクス
ANDと加算回路で構成

あまりにストレートで面白くないので、リレーを駆使すると良さそう。
ガシャ、ガシャ、っていう音。

答えの表示は10位、1位それぞれ0~9までの豆電球が並んでいる。

今度は入力とは逆に、2進数4bitから10進数0~9までのデコーダを使う。それと豆電球を駆動するならその電流が流せる程度のトランジスタを通す必要がある。

黒板(いまどきはホワイトボードか、電子ボードか)に吊り下げるかマグネットで貼り付けられるような構造
薄く、軽く、アクリルで。
しかしリレーで回路を組むと、そんな薄くて軽いは無理。

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