電子ルーレットはバラツクのか
2025.10.04
よくある電子工作のルーレット
(よくあるのか?)

発振回路でクロックを作り、そのクロックでカウンタIC(たとえば4017)を回す。
その出力につながっているLEDが順番に点灯する。

スタートボタンから時定数回路で一定時間だけONになるパルスが出る。それで発振回路を動かしたり止めたり、あるいはクロックをゲートする。(その一定時間だけクロックを通す)

何も考えずに遊んでいましたが、乱数として成り立つのかどうかという観点だと、どうなんだろうと今さら考えました。

時定数回路に電解コンデンサを使っているから、精度なんか適当だろうと思いこんでいますね。

但し、何度も回して統計を取っていないので、よくわかりません。

印象としては、毎回同じようなところで止まるといったことはなかったような気がします。確かなことは言えませんけど。

昔、ランダムにタイミングをずらして電源を入れる回路を作る必要がありました。まさに電子ルーレットの応用で作ったのです。基本的には同じです。

電解コンデンサだからバラツクだろうと思って試してみたら、意外と正確で、偏った結果が出たような記憶です。うまくいかないもんだなあと。
そこでもうひとつ、周波数の高い発振回路を組み合わせたらどうかと試したのでした。
電解コンデンサの精度が低いといっても、秒単位でずれるとは思えず、もっと高い周波数でないと差が出ないでしょう。

高い周波数でカウンタを回したほうが良い。

電子ルーレットは、ボタンを押したらスタートしてくるくる回り、ある時間後に自動的に止まる、というのが自然な動きかと思います。

むしろ、常にぐるぐる回っていて、ボタンを押すとそのポイントで止まるんじゃなくて、余韻を残して徐々に遅くなり、ピタッと最後に止まるほうが良いのかなと。

徐々に遅くなる回路をどうやって実現するか、案外簡単かもしれないが、

それよりも、ボタンを押している間だけルーレットが回り、クロックの周波数を上げて目で追ったりできないぐらいにしておき、離すと止まるほうが単純か。

何が言いたいかというと、簡単そうでいて意外と根が深いということです。
初めての設計
2025.10.04
よく覚えていませんが、中学生の頃だったと思います。初めて設計らしき事をしたのは。

当時、確か若松通商でした。音声合成の基板が出回っており、予め組み込まれた8種類か10種類の音声を切り替えて出すことができて、その基板を買って遊んでいました。

「好きよ」とかそんな声が入っていて、もともと何のために作られたのか謎な基板でした。玩具か何かに使うものが余って出回ったのかもしれません。

それと、ラ製に載っていた電子ルーレットの製作記事。よくありそうな4017を使った回路。

これらを組み合わせたらどうだろう、と思いついたわけ。

ルーレットに音声を自動的に選択させる。スタートを押し、回って止まったところで、どの音声を出すかが決まる。

お互いをどうやって接続するかで、音声ICのほうは確か接点でGNDにつなぐんじゃなかったっけな。それで音声を選択する。
一方、ルーレットのほうは4017からLEDを駆動していて、直接、電圧を音声ICに入れてもダメだろうと。論理が違う。
どうしたかハッキリ覚えていませんが、トランジスタを介して接続したと思います。いわゆるオープンコレクタ。当時はそんな用語も知りませんが、見様見真似でしょう。

結果から書くと、ちゃんと動くものができました。中学校に持っていってクラスメイトや技術の先生に見せたりしました。

この回路だと、ルーレットが回っている間も音声選択信号は出ていて目まぐるしく切り替わっているわけです。ただ、音声ICの応答が追いつかないから声が出るまでには至ってなかったのでしょう。大雑把でしたね。
作るだけで設計ができない話
2025.10.04
手元にある1982年11月号
ページの隅に読者からの一言が載っています。(読むと結構面白い)

(引用します)

★一言★
トランジスターを使った工作で、具体的に働きを説明してほしい。
また抵抗、コンデンサーの値の設計値をなぜそうなったのか、わかりやすく説明してほしい。
岐阜市・****さん


これは全く同感で、私も昔から思っていました。

ほとんどの製作記事が、”作って終わり”なんです。それは「ラジオの製作」も同じでしょう。自分で設計できるようにならない。

作るのが目的ならそれで良いのです。
でも、自分で設計できるようになりたい、という人もいたと思います。

それじゃ詳しく書くかというと、ページ数の制約もあったでしょう。
「一言」に、(当時増えてきた)マイコンの記事を増やしてもハムの記事を減らさないで欲しい、なんて書いてあったりしました。
あらゆる電子ホビーを一冊でカバーしていたのですから、一杯一杯だったでしょう。(電子工作、BCL、ハム、マイコン、オーディオ)

工業高校の電子工学科で基礎を習っても、なかなか自分は設計まで結びつきませんでした。

学校の実習とレポートでは、負帰還増幅回路の回路定数の計算をやって、実際にプリント基板を作って(ペンで描いてエッチング)回路を組み立てたんですけど、その計算式をレポートに書いていくのが大変だったのを覚えています。よくわかんないところがあった。

最初は見様見真似で、実際に作って試して失敗して、原因を調べて手直しして、やっと動くようになって、ようやく理解したという感じ。これを繰り返して、どうにかこうにか半人前、です。

仕組みや設計の解説を入れるにしても、基礎がないとわからないわけで、そんな記事もあればよかったのでしょう。

たとえばトランジスタ1石のラジオ、ベースにバイアスの抵抗が付いているけど、これはなぜこの値になっているのか。教科書には動作点などからこれを求める方法が書いてあるんですけど、雑誌記事では特に説明がないのです。
ある時、何も知らなかった自分が思いついたのは、ボリュームを付けて適当に回し、一番音が大きくなったところ(の抵抗値)で良いのではないかと思ったのです。

そして、作るだけで最初の頃は精一杯。あとで抵抗をはずして取り替えて調整しようなんて余裕もなかった。間違えたけど何とか直して動くようになった。もう満足した。へたに触って壊したくない。
本当は、ここの抵抗値を変えてみたらどうなるか。どんな変化があるか。そんなことを無数に試してみたほうが勉強になったはずです。
3端子DC-DCで失敗した話
2025.10.03
こんな便利なものはありませんね。
今までの3端子レギュレータのような発熱を気にせずに使えるなんて。

出始めは大きくて値段も高かったのですが、今では普通に使っています。

そんな3端子DC-DCで失敗した話

いくつかのメーカーから同じような物が発売されています。
たまたま品切れだったりすると、他メーカー品を検討したりするでしょう。

そんなわけで、買った代替品を基板にはんだ付けして通電したら、あらっ、なんでショート?

最初わからんですよ。どこかハンダブリッジ? まさか。何度見回してもありません。

原因を探っていくと、わかりました。
3端子DC-DCコンバータです。

そこで改めて気づいたことがあります。

型番の印字面を正面にした時、3本足が手前側に寄っている機種と、奥側に寄っている機種があります。
左から見てIN,GND,OUTの順番です。

もうお気づきでしょうか?

同じ物と思い込み、そのまま基板に差し込んだら、INとOUTが逆になったのでした。

3端子DC-DCの内部には、保護用なのか知りませんが、OUTからINに向かってダイオードが内蔵されているようです。
テスターで当たってみるとわかります。

これを逆にしたらどうなるでしょう。

たとえば24V電源から5V回路へ、ほぼそのまま24Vが流れ込みます。
マイコンなんか一発で吹っ飛びます。

そうです。1個数千円もするマイコンを壊してしまいました。
3端子レギュレータの基本
2025.10.03
3端子レギュレータの使い方なんて簡単さ・・・と思われがちです。

未熟だった頃の失敗談

DC24V電源から、5Vを作る必要がありました。
それなら7805だねと。
入力電圧は、最大35Vだから24Vを入力してもOK。

それで試作基板に組み込んでみたら、その7805が、やたらに熱くなって触れないぐらい。
これはいかんのじゃないか。

当時は単純に、原理も何も考えずに使っていたのです。

3端子レギュレータってのは、抵抗を通して電圧を落としているようなもの。
24-5=19Vを落としています。
19Vかける電流で、その消費電力がわかります。
100mA程度でも、1.9Wの発熱です。

ワット数で言われても感覚的にわかりにくいです。
だいたい1ワットも有れば指で触れないぐらいと思って下さい。
ヒートシンクを付ける必要があります。

ある程度以上に過熱したら、3端子レギュレータは保護が働いて出力をカットします。

ヒートシンクは、もしアルミの広い板、筐体がアルミでできていればそれを利用する方法があります。
基板だと銅箔ベタの上に倒してビス止めして、ある程度は放熱できますが、限度はあります。
その近くに電解コンデンサを配置しないように注意します。

できるだけ大きな放熱板を付けることで対応したのが、SC-3000やPV-7です。なにしろ3端子レギュレータは安い。数十円です。

発熱を抑えるならスイッチングレギュレータですけど、それなりに部品点数が必要となり、コストアップします。

今は便利な、7805と置き換えできるDC-DCコンバータ(3本足)がありますけど、昔はその登場前でした。

その3本足のDC-DCだって、ちょっとしたワナがあり、見事に大失敗したことがありました。別の機会に書きましょう。

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