PC98とGALライタの話
2024.11.13
'90年代初め頃、PALやGALなどのPLDが普及してきて(少なくとも仕事では使っていた)、将来TTLなどのロジックICは無くなるだろうと言われていた。

MMI社(当時)のデータブックを見ると、PALがTTLをやっつけている漫画が載っていたっけ。

30年以上経過したが、TTLは無くなってないけどな。品種は減ったり値段は上がったけれど。保守用としても無くなっては困る。

ロジックは集積できても、バッファ等はどうしても必要な場合が多い。

TTLより先にPALやGALが滅びてしまったようである。GALは、本家のLatticeはとっくの昔にやめたけど、ATMELは今でも製造中。かつては、AMI社、AMD社、TI社なども類似品を作っていた。

さて、その'90年代初め頃にアマチュアがGALを使おうとしたら、手頃な値段の書込機は無かった。それでなかなかアマチュアには手が出なかったのである。
書込機はメーカーが認定した物でないと公式には使えず、どうしても高価になっていた。何十万とか何百万。

そこで自作したいとなるわけだが、書込仕様は公開されてない。契約した書込機のメーカーにしか開示されていなかった。
じつは自分の当時の勤務先はそのメーカーのひとつだったのだが、棚にはファイルがたくさん並んでいて、書込方式がよく変わるだの何だのという話を担当者から聞いた事がある程度。
何か安定しない要素があるのか、改良しながらやっているのか知らないが、そんな状態だから下手に公開してしまうと、バージョン違いなどで問題が起きる可能性があったのだろう。
いまのようにネットで即時に情報が更新されるような時代ではなかった。

それでも一部の有志がチャレンジしていて、トラ技にはPALの書込機の製作記事が載った。その後、GALの書込機の製作記事とGAL用アセンブラの頒布があった。そのソフトは有償で配布されたので購入した。送金したら、フロッピーが送られてきたのである。

ソフトは準備できたが、GALライタは自作するしかない。

そこでPC-9801に8255ボードを作る必要が生じた。8255ボードからフラットケーブルを通して、GALライタの基板につながる。

実際に8255ボードと、GALライタの基板を自分で組み立ててみたが、なかなか正常に動かずに苦労した。何が悪かったのか覚えていないけど、結局使えるようにはならなかったと思う。

I/Oのアドレスも確かFM音源か何かと干渉していたんじゃなかったか。音が鳴らなくなっておかしいなあと、自作ボードを抜いたら鳴るようになった記憶。アドレスを変えて、プログラムのほうも当然変更して・・・今のような便利なPnP以前の世界だった。

そもそもPC-9801で自由に使えるI/Oアドレスは限られていた。色々工夫しながら使っていたのである。

その後もPICマイコンの初め頃に書き込み機を作ったがうまくいかなかったりして苦労しており、書き込み機なんか自作しないで既製品を買ってしまえというのが持論。そんな物に時間を使うなという意味で。
パラレルポートなんかその後PCから無くなったし。(有れば有ったで便利だったのになあ)

結局GALライタがうまく動くようになったのは、再度作り直した後か、あるいは記憶の確かなところでは「えるむ」のChaNさん作のライターを組み立てたら成功したのは覚えている。PC98につないで使った。確かプリンタポート用だったと思う。

これのおかげで「キーボード切替器」を作る事ができた。

PC98用の8255ボードは、他にもROMライターを作る為にも使おうとして当時実験をしていた。
しかしなかなかうまくいかず苦しんでいた。

結局、フラットケーブルがクセモノだ。
クロストークなど不安定となる要素が多い。たとえばアドレスのビット変化が多いタイミング(00FFhから0100hへの変化時など)でノイズが増加しておかしくなってしまう。

ケーブルが長いのも問題だから、最低限に切り詰めた。それでも改善しない。

さらに、50芯のうち半分をGNDにした。1本おきにGNDになるように、偶数だったか奇数だったか忘れたけどその列のピンを全部GNDにした。これである程度のシールドとGNDの強化にはなったのだが、まだ不安定で、最終的にはバッファを入れて解決したような気がする。

フラットケーブルをツイスト線に変えたような記憶も有る。だけど拾ってきたツイスト線のフラットケーブルは40芯しかなかった。そこでまた改造をしたかもしれないけど覚えてない。

信号の動作をゆっくりにするのも解決策のひとつ。だけど実用性は無い。

そもそもROMライタを作ろうというのが間違いで、前に書いたように完成品を買ったほうが早い。それを自作する時間をとられるな。

PC98の前にMSXでROMライタを自作して完成していた。在学中に自動車学校を挫折してしまい、就職してから通っていた自動車学校の待ち時間に、趣味の設計など好き勝手に過ごしていた。その中で設計を進めたのがそれ。

本当に原始的なやり方で、2764の1バイトごとに50mSのパルスをかけて書き込むというやつ。それしか知らなかった。1個(8KB)書くのに6分ぐらいかかったか。終わったときには2764が熱くなっていた。

会社でROMライタの経験者である先輩に色々と教わった。1msのパルスをかけるやり方とか。書き込めたように見えても放置しておくと消えてしまった事があるとか。逆差しやズレ差しはどうやって検知するか、などなど。

まあ、いずれにしても今では思い出の中だ。

今でこそGALでも何でも書き込める装置を持っているけど、あの頃は本当に不便だった。何もできなかった。

そういえば当時CPLDやFPGAは、ほぼアマチュア向けではなかった。開発用のソフトだって相当高価なもの。入門書を買って読むのが精一杯。その入門書の企画でALTERAのサンプルCPLDをもらえるというのがあって、何やかんやで3個もらったが、コンパイラも書き込み器も持ってないのに無用の長物だった。

最初はXILINXから使い始めたっけ。今のような集積度はなかった。色々と制約もあった。コンフィグROMは高価なのにワンタイムでもったいないから、EPROMが使えるエミュレータも自作した。
ミニテレビ局
2024.11.03
そうだ、ミニFMだけじゃなくてミニテレビ局もあった。

確か当時、ミズホ通信だったか覚えていないが市販品のトランスミッタもあったし、
自作の記事も「ラ製」に載っていたと思う。

要するにRFモジュレータにアンテナをつければ電波が飛ぶだろうというわけ。
電波が弱いからブースター用のICを付けてだな・・・

以前も書いたようにSC-3000のワイヤレス化をしたときに、その回路を組み込んだのだ。

当時のファミコンや、MSX、PC-6001等はテレビのVHF帯1ch、2chで画面表示していたけど、ただ普通に接続して使っているだけでも結構電波が漏れていて、

たとえば、隣の部屋でファミコンやってるヤツの画面が自分の部屋のテレビで、チラチラしながらも映った、という経験がある。
放送局ごっこ
2024.11.03
'80年代には「ミニFM局」が流行ったのでした。

FMトランスミッタを使って、せいぜい100mぐらいの範囲まで電波が届くものでした。文化祭などのイベントで臨時に放送したり、といった感じです。

自分も放送局ごっこをしたくなって、ちょうどFB2-500を持っていましたから、近所の友達の家まで届くかどうか試しました。時間を決めておいて、その時間に聞いてねと頼んでおき、翌日に結果を聞いたら、ちゃんと聞こえたとの事。聞いた内容も確認したので間違いないです。

個人的にはFMよりもAMのほうがポピュラーだと思っていて、AMで電波を飛ばしたかったのでした。FB2-500はAMにも対応していたが、自分がどこかで製作をミスって何度見直してもうまくいかなかったので、モヤモヤしたまま不完全燃焼で何十年も引きずってしまいました。

いまでは電波法が厳しくなり、コンプラだか天ぷらだか知りませんが色々うるさくなって、本当に適法な微弱電波を出すと、見えている範囲ぐらいしか届かないんじゃないかと思います。夢がありません。

当時でも無許可で大出力送信をして摘発されたニュースを何度か見た覚えがあります。

さて、当時の製作記事です。



トランスミッタは(当時の)市販のキット基板をそのまま組み込むようです。
こんなにきれいに作ったら、本格的ですね。

個人的には、何かの懸賞プレゼントでトランク型のミニ放送局セットを見かけて、それがどうしても欲しかった。
なんかスパイごっこみたいで格好いいじゃないですか・・・。
ラピュタの冒頭で、ムスカがトランクから無線機を取り出すでしょう。その懸賞プレゼントの話はラピュタ公開以前でしたけど、
とにかく、非常に心がときめいたわけです。

例によって懸賞には当たりませんでしたがね。
あんなの絶対ウソだ、当選者の発表は商品の発送を持って代えさせて頂きますって、うそだ実際には送ってないと、ひねくれていた自分でした。

どん兵衛の「どっきんこ」とか、毎年のように応募したのに全く当たらない。

どこの会社の懸賞だったか忘れたが、海外旅行が当たるやつも応募した。当たらなかった上にDMの宛先に流用されてしまって、その後にDMが頻繁に届く。

ところが、本当にあたったヤツがいたんですね。そのミニ放送局じゃなくて焼きそばUFOの景品でしたけど。ウソだと思い込んでひねくれていましたが、やっぱり本当だったんだ、と。

自作マイコンの何号機だったか、トランク形のケースに入れましたが、その元はトランク型のミニ放送局でした。
もちろん、そのマイコンのオプションとしてFMトランスミッタも作ったのです。ジャックで接続して、音声と電源を供給してFMラジオに送信するものです。
グライコとスライドボリューム
2024.11.02
昔の電子工作本から。


スライドボリュームがズラリと並んだグライコ(グラフィック・イコライザ)
相当な力作です。


スライドボリュームは業務用ではスタジオのミキシング卓っていうんですか、そういった物で見かけるようですが、
なかなかアマチュアの作品で使っている例は少ないのではないかと思います。

それは、細長い穴加工が大変だから、という理由でしょう。

電動丸ノコで切り込み、ヤスリで仕上げ。または糸ノコで切って、ヤスリで仕上げ。これを30回も繰り返す!


今の時代でしたらCNCとかレーザーカット等がありますけど、昔は、特に個人では手作業しかありませんでした。

図面を描いて鉄工所に加工してもらえばラクチンで、きれいな仕上がりになるでしょう。でも、実際はなかなか難しいでしょう。近所の馴染の鉄工所のオッチャンと知り合いでもない限り。
秋月の部品袋の活用
2024.11.01
同じ部品をたくさん買う事は良くあるけど、ひとつひとつパックされているのは嵩張るし、できるだけひとつの袋にまとめるようにしている。個数も書き込むと良い。

空き袋の活用方法は、たとえば修理でネジを保管するのに良く使う。

「外装」、「基板固定」、「側面カバー」というふうに取り付けてあった箇所を袋にメモしておく。
そして、その袋を筐体などにテープで貼り付けておく。

袋詰めしなくても、ネジは元ついていた場所に締めておいても良いが・・・再び組み付ける時に一旦はずす手間は有る。

この空き袋は廃物利用だから惜しげもなく使うことができる。使い捨てても良いとわかっているけれど、根っからの貧乏性か、実際には何度か繰り返し使っている。

そういえば、裂けやすい袋があるよね。秋月の部品袋で。開ける時にチャック部分だけじゃなくてその下まで裂けてしまう。もちろん、こうなったら使えない。

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