耐久試験の経過
2025.03.23
温度測定を始めたら発見がありました。

いまの時期(3月下旬)では、朝の起動時には5℃から、正午前には(晴れていれば)50℃までケース内部温度は上がっています。

物の、一日の温度変化の幅は意外と広いということです。

気温(外気温、室温)と、物の温度は別です。物のほうが気温より冷えているようです。今朝の時点で外気温は10℃以上のはずです。室温は16℃でした。

こんな細かい事まで観察したことは今までありませんから、興味深いです。

物が冷えているのは、たとえばエアコンの暖房で部屋を暖めても、空気が温まっているだけで机は冷たいままだったりするわけです。

温度計を吊るしておけばそれは気温を示しているのか、って考えるとじつは難しい話になります。
それに直射日光が当たっていても気温でしょうか。違うでしょうね。日光が直接当たらないようにしなければなりません。

温室の計測装置では、管の中にファンで強制的に空気を通して測定しているようでした。
傘を重ねたような形で、通気をよくするのと同時に日よけを兼ねたセンサーユニットもありました。

近々、測定ユニット2号機を仕込むことにしています。今度は温度・湿度・気圧を同時に測定します。

日光で温まってケース内部の気圧は上がるのか、逆に冷えると気圧は下がるのか、そういった疑問もこれでスッキリするかもしれません。

湿度を見ることで、ケース内部に水分が入ったかどうかもわかるでしょう。
屋外器具の防水
2025.03.21
屋外器具の防水、これはノウハウもあると思うけれど・・・

前職では色々やってみたが、なかなか「これは」という結果が得られないまま不完全燃焼で終わっていた。それから十数年。モヤモヤ。

このケースを使えば大丈夫だろう、樹脂で固めれば大丈夫だろう、ではダメなのが現実。

樹脂で固めれば、どこかにヒビが入って水が浸透したり、あるいは電線の内部を通って水が入ってショート。

いくら防水のケースだって、電線やアンテナを出す穴をあけた時点で防水ではなくなる。

そのまま使ったって、雨ざらしにしていれば微妙なスキマから水が入ってくる。呼吸をするからだ。(そこでベントフィルターや水抜き穴が必須)

我々は最初何も知らないまま、完全密閉にしたら大丈夫だろうと考えて物を作っていた。ところが、現場に設置してしばらくすると、結露していたり、水が入ってタップンタップン。

意地になってコーキング材を塗り固めたり、不活性ガスを注入してみたり、シリカゲルの大袋を仕込んでみたり、色々やってみたが結局ダメ。

現場から回収した筐体を傾けてみると、内部からサビ水がドバーと出てきたり、といったサンザンな結果。

水抜き穴がなかったから、水は溜まるだけで逃げないから当然そうなる。

もちろん試作・製造時には、手元で可能な範囲でテストをしたが、現場と同じ条件の再現は難しかった。(恒温槽に入れたり、シャワーで水を数時間かけっぱなしにしたりした)

現実的な解答は、たとえば「お家に入れる」
むきだしで設置するんじゃなくて、別のボックス(工事現場などで仮設電源のブレーカーなどが入っているような、あのような箱)に装置本体を組み込む。
電波を使う装置だと金属の箱に入れたら使えないから、アンテナだけ外に引き出すか、樹脂の箱を使う。

大事な部分(電子回路など濡れたらいけないもの)は箱に入れる。二重構造にする。

基板には防湿処理を施す。これはスプレーとかハケ塗りとかドブ漬けとか色々あるけど、経験を反映すると、何もしないよりはマシ程度の認識。
スプレーは一度じゃなくて、乾いたらまた塗り重ねる。これを数回繰り返す。

電力会社向けの基板を昔作っていたけど、その時は防湿塗料をたっぷり塗り込んだ。当然ながらコネクタ等はマスキングしなければならない。なんでも、電柱上の箱の中で15年動かなければならないって言われた。温度や湿度の要求が厳しかった。

基板を樹脂で固めたって、電線の中を水分が通ってくるだろうし、ヒビが入るので安心はできない。これも経験を反映すると、やはり、何もしないよりはマシ程度の認識。

樹脂も色々ある。柔らかいもの、固いもの。

ガチガチに固めたら、今度は部品にダメージが加わって動かなくなったりした(部品が物理的にガッチリ動かなくなったという意味ではなく、動作しなくなった。機能しなくなった。たとえば断線とか破損)。樹脂は膨張・収縮するから気をつけろ。固まる時に収縮する。わかっていれば当たり前だけれど、意外と見落としている。

弱い部品については、その部分にあらかじめシリコン(電子回路専用のもの)を塗り固めておく。それから固くなる樹脂を流し込む。そうすると、ある程度はストレスを緩和してくれるものと思う。

コーキングを丁寧に塗り込んだって、異種の物質だから一体化するはずもなく、どこかにスキマができる。そこから水が入り込む。

Oリングも試したけど、これは実際に浮きを作って試した限りではうまくいった。但し、円形の筐体やそういった加工じゃないと適用できない。
エナジーハーベストと、耐久試験開始
2025.03.21
TWE-LITEと、エナジーハーベスト電源管理モジュール(そして太陽電池)の組み合わせ、
それに温度センサICを付けて、
全体を防水ボックスに組み込み、屋外に設置(放置?)した。

今日から耐久試験開始!

設置場所は、一応は庇があるけど雨天時は雨をかぶる場所。南向きの場所で、日光がよく当たる。

電波は室内まで安定して届いており、太陽光が十分当たっていれば1分に1回ずつ温度データを送ってくる。

それで実際のデータを見ると、あの防水ボックスの中は正午頃すでに40℃!

室温で約19℃、外気温はもうちょっと低いと思うが、やはり「日なた」で「密閉された箱」の中だから温室と同様。

これが真夏になったら一体何度まで上がるやら、興味深いところ。

実験の目的のひとつに、防水の試験もある。
前職で屋外器具の防水にはさんざん苦労した。これはという結論は出ないままだったが、なんとしてもそれを掴みたい。

このタカチのケースは約3,000円もする。これにベントフィルターを取り付けた。
(趣味なら100均のタッパーでも十分だろう)

完全密閉なら水は入るまい、と単純に考えてしまうけど、実際は水が入る。入るだけでなく溜まってしまう。逃げ場がないから当然だ。

温まった時に膨張し、冷えた時には収縮する。これでわずかなスキマから空気と一緒に水分を取り込んで、内部に溜め込み、結露を起こしたりする、と考えている。
その対策としてベントフィルターを試してみる。
これは空気を通す特殊な膜が仕込んであって、水分は通さない。
適度に圧力を調整することで、外部からの吸い込みを抑えようというわけ。

水抜き穴でも良いと思うが、そこからアリ等が入ってきたりすることがある。網を貼ったりするぐらいなら少々高いけどベントフィルターのほうが良さそう。

そうそう、屋外に置いてある器具や制御盤は、トカゲとか良く入っている。どこから入ったんだろうと思う。入りこんで干からびてしまっているのも見た。
Gも・・・(自主規制)

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