ポリウレタン銅線(UEW)
2025.03.25
ユニバーサル基板の配線は、
最初の頃、適当なビニール線を使ってつないでいた。でも、太いからかさばってじゃまになる。
次にスズメッキ線を使ったが、裸線なので交差するような場所にはそのままでは使えない。出番は、電源の引き回しぐらい。
それからラッピング線を使い始めて、これはまあまあ良かった。
学生の頃にマイコン自作の本を買ってみたら、「ワイヤリングペン」というものが紹介されていた。
それに使われている細い線がUEWというものでポリウレタン銅線でした。
小学生の頃、電磁石の実験でおなじみだったエナメル線とは似て非なるものらしい。
エナメル線は紙やすりやマイナスドライバー(あるいはカッターナイフの背)でゴシゴシやって塗装を落とし、銅をむきだしにしてから接続していた。
一方、UEWは削っても良いが、ハンダゴテで加熱すると塗装が融けてくるので便利という。
マイコンにはバス配線が多い。たとえばデータバス。CPU、ROM、RAM、8255といった具合にデータバスを並列につなぐ必要がある。
同じ場所にビニール線を2本つけようとしても、はんだごてで加熱した時に片方のハンダが融けて浮いてしまったりする。(そこで、長めにむいてから巻き付けたりした)
UEW線の場合、接続したいピンに細い線を巻き付けていけば良い。途中で切らない。クルッと巻いて、次へ。
それからはんだごてで加熱してハンダを流すと、塗装が融けてハンダがなじんで接続される。
これがラッピング線だったら、被覆を剥いてピンにひっかけてはんだ付けして、余分を切って、次の接続箇所へ、また被覆を剥いてピンにひっかけてはんだ付け。
ワイヤーストリッパーを持ったり置いたりニッパーに持ち替えたりハンダゴテを持ち替えたりして忙しい。
本を読み、こりゃー画期的なものじゃないか、と思ってパーツ屋に行ったら売られていたわけ。それで買ってきて試した。学生時代ね。
ところが、言われているように簡単には融けない。おかしいなあ。相当加熱したら融けたけど、これじゃソケットが融けたりしないか、基板を傷めたりしないか、という感じ。
当時使っていたハンダゴテがだめだったのかもしれないけど・・・
これで接続不良が起きてトラブったらたまらんと思って、使うのをやめた。
なーんだこりゃーと放り投げて、結局その後も捨てずに持っていた(今でも有る)。

いま改めてハンダゴテを当ててみたら、いとも簡単に塗装が融けた!
やっぱり当時のハンダゴテがショボかったか。
こて先はC面(斜めカット)が良い。熱が伝わりやすい。
先日の話、たまたま手に入れたワイヤーがUEWだったのでした。
また削るのか面倒だな~と思ってハンダゴテを当ててみたら、あれっ、容易に塗装が融けるぞ!
なんだ、これくらいだったらどんどん使ったのになあと思えるぐらい。
(だけど、塗装を焼く臭いがくさい。身体に悪そうな臭いがする。部屋に染み込む臭い。換気を良くして使おう)
でも、これくらい容易に塗装が融けるなら実用性がある。だけど今さらという感じ。めったにユニバーサル基板で回路を組むことは少なくなった。残念。
なおUEWなどは本来ユニバーサル基板の配線専用じゃなくて、マグネットワイヤーといってモーターやトランスの巻線用に作られたもの。
最初の頃、適当なビニール線を使ってつないでいた。でも、太いからかさばってじゃまになる。
次にスズメッキ線を使ったが、裸線なので交差するような場所にはそのままでは使えない。出番は、電源の引き回しぐらい。
それからラッピング線を使い始めて、これはまあまあ良かった。
学生の頃にマイコン自作の本を買ってみたら、「ワイヤリングペン」というものが紹介されていた。
それに使われている細い線がUEWというものでポリウレタン銅線でした。
小学生の頃、電磁石の実験でおなじみだったエナメル線とは似て非なるものらしい。
エナメル線は紙やすりやマイナスドライバー(あるいはカッターナイフの背)でゴシゴシやって塗装を落とし、銅をむきだしにしてから接続していた。
一方、UEWは削っても良いが、ハンダゴテで加熱すると塗装が融けてくるので便利という。
マイコンにはバス配線が多い。たとえばデータバス。CPU、ROM、RAM、8255といった具合にデータバスを並列につなぐ必要がある。
同じ場所にビニール線を2本つけようとしても、はんだごてで加熱した時に片方のハンダが融けて浮いてしまったりする。(そこで、長めにむいてから巻き付けたりした)
UEW線の場合、接続したいピンに細い線を巻き付けていけば良い。途中で切らない。クルッと巻いて、次へ。
それからはんだごてで加熱してハンダを流すと、塗装が融けてハンダがなじんで接続される。
これがラッピング線だったら、被覆を剥いてピンにひっかけてはんだ付けして、余分を切って、次の接続箇所へ、また被覆を剥いてピンにひっかけてはんだ付け。
ワイヤーストリッパーを持ったり置いたりニッパーに持ち替えたりハンダゴテを持ち替えたりして忙しい。
本を読み、こりゃー画期的なものじゃないか、と思ってパーツ屋に行ったら売られていたわけ。それで買ってきて試した。学生時代ね。
ところが、言われているように簡単には融けない。おかしいなあ。相当加熱したら融けたけど、これじゃソケットが融けたりしないか、基板を傷めたりしないか、という感じ。
当時使っていたハンダゴテがだめだったのかもしれないけど・・・
これで接続不良が起きてトラブったらたまらんと思って、使うのをやめた。
なーんだこりゃーと放り投げて、結局その後も捨てずに持っていた(今でも有る)。

いま改めてハンダゴテを当ててみたら、いとも簡単に塗装が融けた!
やっぱり当時のハンダゴテがショボかったか。
こて先はC面(斜めカット)が良い。熱が伝わりやすい。
先日の話、たまたま手に入れたワイヤーがUEWだったのでした。
また削るのか面倒だな~と思ってハンダゴテを当ててみたら、あれっ、容易に塗装が融けるぞ!
なんだ、これくらいだったらどんどん使ったのになあと思えるぐらい。
(だけど、塗装を焼く臭いがくさい。身体に悪そうな臭いがする。部屋に染み込む臭い。換気を良くして使おう)
でも、これくらい容易に塗装が融けるなら実用性がある。だけど今さらという感じ。めったにユニバーサル基板で回路を組むことは少なくなった。残念。
なおUEWなどは本来ユニバーサル基板の配線専用じゃなくて、マグネットワイヤーといってモーターやトランスの巻線用に作られたもの。
近頃のPICマイコン
2025.03.24
マイコンひとつとっても、ここ20年以上で色々と変遷がありました。
AKI-80からH8/3048Fへ、その前に川鉄Z80・・・
PICマイコンが雑誌記事などで知られるようになったのは1995年頃ではなかったかと思います。
製品自体はずっと前から世の中に存在していました。Macintoshのマウスの中に入っていたのを覚えています。
ただEEPROMやFlashで書換ができるやつは割と新しいでしょう。16F84以前は16C84でした。12C508は最初ワンタイムで、開発時は窓付きを使っていました。
2010年代になってからArduinoが出回ってきて、
自分はその前にArduinoじゃないけどMEGA128や168をAVR Studioから使っていました。この開発環境は名前が変わって、ATMEL Studioだったっけ、また名前が変わったような。もう10年以上使ってない。
Arduinoの流れでは、ESPなども有る。
ほかにMbedが有って、それからラズパイが有って、これはマイコンというよりパソコンだろうけど、
ラズパイは初代が出た時に買った。だけどあんまり使わないまま、まだどこかに眠ってる。
コロコロ変わらないでほしいですね。特に産業用で使っているユーザーが多いので、いまでも3B+じゃないと困るとか言われたって・・・
あのキーボード一体型のやつが個人的にはお気に入り。放熱の仕組みも良い。
ところでPICの話に戻って、

これですよ。一昨年のトラ技の付録が目についた。
型番わけわからんです。PIC16F18857 って、無計画に番号を振っているような気がする。何らかの規則性があるのかどうか。なさそうな感じ。
84があって、628があって、628Aになって、
8ピンは12C508、12F629に675、
ピン数が多いのは873で877で、
その次の世代で883とか887になり・・・
dsPICとか24もあったけど、それと18Fシリーズ、ろくに使わないまま通過してしまった。
あまり品種を色々使いたくないのは、新しく使い始めるたびにワナにかかってしまうからね。
おかしいなあ、出力が出ない、なんでだろう。全然わからん。
あっそうか、このレジスタをこうすれば・・・まだダメだ。おかしいなあ。
・・・あれこれ調べて、まさかこれか。・・・ああっ、動いた。
こんなことをそのたびに繰り返しますからね。
18Fシリーズは直接アドレッシング範囲が拡大されて、16Fシリーズで頭の痛かったバンクから開放されたけれど、
それはアセンブラで使っていればメリットは感じられるけど、結局C言語になればバンクもあまり関係ない。
バンクといえばずいぶん苦労した。他人がアセンブラで作ったプログラム。かなりの容量。よく作るなと感心した。
感心している場合ではない。これに追加をしてくれと。そういう仕事。
それで追加のプログラムを作った。ところが・・・暴走した。バンクをまたいだせいだ。どこかに分割して置いてやるしかない。
そのジャンプは、いちいちバンク指定して、それを頭に置きながら・・・あれっまたおかしいなあ。ああそうか、これをこうして・・・もうコレ以上何か増やせって言われても困るぞ。そんな感じ。
余計な話になってしまったけど、これからワンチップマイコンを使いたいという時に何を勧めたらいいんだろう。
ライブラリが充実しているからArduino系は手放せない。
PICの頃はライブラリが無いから自作していた。誰かが作ったものがあれば使わせてもらっていたけど、最初は何もないから外付けしたいICのデータシートを見ながら手作りして試行錯誤。
たとえば最初の頃、RTCが読み書きできるようになるまで相当な時間をかけて、これじゃ本来の目的が果たせない。
ちょっとした簡単な制御ならPICだろうと思う。入力があって、出力があって、入力に対して出力を色々な組み合わせで操作したり時間的な遅延とか引きのばしとか。
'90年代までさかのぼれば、あの頃にZ80のワンチップでフラッシュROMまで内蔵したものが有れば、PICのワナにはまって遠回りしなくて済んだのに、という思いがいまでも心の片隅でホコリをかぶっている。
無いことも無い。だけど特殊だった。パチンコのV2チップが自分の理想としていた物で、だけど一般に出回らない。(出回ってはいけない。裏物が作られるから)
V2のROMをフラッシュにして、ROMとRAM容量がもっと大きかったら、Z80需要の大部分はそれで間に合ったかもしれないのに。
川鉄Z80(KL5C80A12)を使った時は結局ROMは外付けだったし、内蔵RAMじゃ足りないから外付けして、結局AKI-80(Z84C015)とあまり変わらなかった。Z84C015のほうが慣れた周辺ICを内蔵しているから使い慣れていた。
Z84C015+フラッシュROM+RAM これが自分の理想だった。
TLCS-90ってのがあって一時使ったけど、これもZ80のワンチップみたいなもの。ROMは8Kバイトあったけどワンタイムで、書き間違ったら捨てるしか無い。1個千円以上したと思う。
RAMは256バイトだったっけ。忘れた。とっくにデータブックも捨てたから。
Z80とバイナリコンパチではなかったが、命令は拡張されていて、こんな記述もできるなんて!と、面白いマイコンだった。
これに慣れた後でZ80に戻ると、Z80に存在しない命令を使いそうになって失敗したりしたわけだが・・・
なんだ、PICの話じゃなくてZ80の話になってしまって・・・
AKI-80からH8/3048Fへ、その前に川鉄Z80・・・
PICマイコンが雑誌記事などで知られるようになったのは1995年頃ではなかったかと思います。
製品自体はずっと前から世の中に存在していました。Macintoshのマウスの中に入っていたのを覚えています。
ただEEPROMやFlashで書換ができるやつは割と新しいでしょう。16F84以前は16C84でした。12C508は最初ワンタイムで、開発時は窓付きを使っていました。
2010年代になってからArduinoが出回ってきて、
自分はその前にArduinoじゃないけどMEGA128や168をAVR Studioから使っていました。この開発環境は名前が変わって、ATMEL Studioだったっけ、また名前が変わったような。もう10年以上使ってない。
Arduinoの流れでは、ESPなども有る。
ほかにMbedが有って、それからラズパイが有って、これはマイコンというよりパソコンだろうけど、
ラズパイは初代が出た時に買った。だけどあんまり使わないまま、まだどこかに眠ってる。
コロコロ変わらないでほしいですね。特に産業用で使っているユーザーが多いので、いまでも3B+じゃないと困るとか言われたって・・・
あのキーボード一体型のやつが個人的にはお気に入り。放熱の仕組みも良い。
ところでPICの話に戻って、

これですよ。一昨年のトラ技の付録が目についた。
型番わけわからんです。PIC16F18857 って、無計画に番号を振っているような気がする。何らかの規則性があるのかどうか。なさそうな感じ。
84があって、628があって、628Aになって、
8ピンは12C508、12F629に675、
ピン数が多いのは873で877で、
その次の世代で883とか887になり・・・
dsPICとか24もあったけど、それと18Fシリーズ、ろくに使わないまま通過してしまった。
あまり品種を色々使いたくないのは、新しく使い始めるたびにワナにかかってしまうからね。
おかしいなあ、出力が出ない、なんでだろう。全然わからん。
あっそうか、このレジスタをこうすれば・・・まだダメだ。おかしいなあ。
・・・あれこれ調べて、まさかこれか。・・・ああっ、動いた。
こんなことをそのたびに繰り返しますからね。
18Fシリーズは直接アドレッシング範囲が拡大されて、16Fシリーズで頭の痛かったバンクから開放されたけれど、
それはアセンブラで使っていればメリットは感じられるけど、結局C言語になればバンクもあまり関係ない。
バンクといえばずいぶん苦労した。他人がアセンブラで作ったプログラム。かなりの容量。よく作るなと感心した。
感心している場合ではない。これに追加をしてくれと。そういう仕事。
それで追加のプログラムを作った。ところが・・・暴走した。バンクをまたいだせいだ。どこかに分割して置いてやるしかない。
そのジャンプは、いちいちバンク指定して、それを頭に置きながら・・・あれっまたおかしいなあ。ああそうか、これをこうして・・・もうコレ以上何か増やせって言われても困るぞ。そんな感じ。
余計な話になってしまったけど、これからワンチップマイコンを使いたいという時に何を勧めたらいいんだろう。
ライブラリが充実しているからArduino系は手放せない。
PICの頃はライブラリが無いから自作していた。誰かが作ったものがあれば使わせてもらっていたけど、最初は何もないから外付けしたいICのデータシートを見ながら手作りして試行錯誤。
たとえば最初の頃、RTCが読み書きできるようになるまで相当な時間をかけて、これじゃ本来の目的が果たせない。
ちょっとした簡単な制御ならPICだろうと思う。入力があって、出力があって、入力に対して出力を色々な組み合わせで操作したり時間的な遅延とか引きのばしとか。
'90年代までさかのぼれば、あの頃にZ80のワンチップでフラッシュROMまで内蔵したものが有れば、PICのワナにはまって遠回りしなくて済んだのに、という思いがいまでも心の片隅でホコリをかぶっている。
無いことも無い。だけど特殊だった。パチンコのV2チップが自分の理想としていた物で、だけど一般に出回らない。(出回ってはいけない。裏物が作られるから)
V2のROMをフラッシュにして、ROMとRAM容量がもっと大きかったら、Z80需要の大部分はそれで間に合ったかもしれないのに。
川鉄Z80(KL5C80A12)を使った時は結局ROMは外付けだったし、内蔵RAMじゃ足りないから外付けして、結局AKI-80(Z84C015)とあまり変わらなかった。Z84C015のほうが慣れた周辺ICを内蔵しているから使い慣れていた。
Z84C015+フラッシュROM+RAM これが自分の理想だった。
TLCS-90ってのがあって一時使ったけど、これもZ80のワンチップみたいなもの。ROMは8Kバイトあったけどワンタイムで、書き間違ったら捨てるしか無い。1個千円以上したと思う。
RAMは256バイトだったっけ。忘れた。とっくにデータブックも捨てたから。
Z80とバイナリコンパチではなかったが、命令は拡張されていて、こんな記述もできるなんて!と、面白いマイコンだった。
これに慣れた後でZ80に戻ると、Z80に存在しない命令を使いそうになって失敗したりしたわけだが・・・
なんだ、PICの話じゃなくてZ80の話になってしまって・・・
コイル(トランス)まきまき
2025.03.23
電子工作ではコイル(またはトランス)を巻くことはそれほど無いと思います。
ワイヤレスマイクの製作で鉛筆に銅線を巻き付けて、とか、バケツにリード線を巻いてゲルマラジオを作ったり、ぐらいでしょうか。
電源のトランスが必要なら既製品を選んで買うのが普通だし、手っ取り早いです。高周波回路ならFCZコイル(今も後継品が有ると思う)を使うことが多いでしょう。
でも、必要に応じて自分で巻くことがあります。
初めて自分で巻くという記事を見たのは、「みんなの科学 たのしい実験室」で電池式蛍光灯の製作ではなかったかと思います。
EIコアのトランスボビンに巻線を・・・というところがひっかかって、えーっ、そんな面倒くさそうな、と思ってそこでおしまい。
当時は中学生だったと思う。それで適当なジャンクのトランスを選んで、適当につないでみたら蛍光灯が光ったのでそれで良しと思って終わらせていました。
まあ、面倒くさいでしょうけど、やってみると意外とそれほどでもないです。是非やってみることを勧めます。
電源トランスの一次側を1000回巻く、というのは実際にやったことがないと大事業に思えるかもしれませんが、やってみると意外とそれほどでもなかったです。物足りない感じがしました。
もうずいぶん昔になりますが、中学生の頃に通った電器店のじいちゃんは、断線したトランスを巻き直すぐらい当然のようにやっていました。
修理のイロハもそのじいちゃんから習ったのでした。
あとは、
スイッチング電源を作った時にトランスを巻きました。これはせいぜい100回ぐらいで、そんなに巻くことはありません。
ただ、絶縁に気を使わないといけないので(バリアテープとか)けっこう気を使います。三層絶縁電線を使うとずいぶん楽になりました。
あとはトロイダルコア、これはドーナツ形のコアです。アマチュア無線で自作をしている方はおなじみでしょう。ノイズ対策でもよく出番があります。
昔、私が水産学部のお手伝いで漁船にのった時、我々の装置が盛大にノイズを出し、魚探の画面が真っ赤っ赤となり使い物になりませんでした。
動くものを作って間に合わせるだけで精一杯でそこまで気が回らなかったからです。
そこで次回行くときまでにノイズフィルタを準備することにしました。
ジャンクから見つけた大きなトロイダルコアにキャンセル巻きをして、あとコンデンサ等を付けたノイズフィルタを作って追加し、手元でテストしてノイズが一次側に出ないことを確認してから船に持っていきました。今度はバッチリでした。
トロイダルコアでトランス等も当然作れます。簡単なDC-DCコンバータなども作ってみると良いのではないかと思います。
なんといっても自作は必要なインダクタンスが自分で作れることです。インダクタを色々揃えていても、調整したい時があります。もうちょっとなんだが、という時に自分で巻いたり減らしたり。
ワイヤレスマイクの製作で鉛筆に銅線を巻き付けて、とか、バケツにリード線を巻いてゲルマラジオを作ったり、ぐらいでしょうか。
電源のトランスが必要なら既製品を選んで買うのが普通だし、手っ取り早いです。高周波回路ならFCZコイル(今も後継品が有ると思う)を使うことが多いでしょう。
でも、必要に応じて自分で巻くことがあります。
初めて自分で巻くという記事を見たのは、「みんなの科学 たのしい実験室」で電池式蛍光灯の製作ではなかったかと思います。
EIコアのトランスボビンに巻線を・・・というところがひっかかって、えーっ、そんな面倒くさそうな、と思ってそこでおしまい。
当時は中学生だったと思う。それで適当なジャンクのトランスを選んで、適当につないでみたら蛍光灯が光ったのでそれで良しと思って終わらせていました。
まあ、面倒くさいでしょうけど、やってみると意外とそれほどでもないです。是非やってみることを勧めます。
電源トランスの一次側を1000回巻く、というのは実際にやったことがないと大事業に思えるかもしれませんが、やってみると意外とそれほどでもなかったです。物足りない感じがしました。
もうずいぶん昔になりますが、中学生の頃に通った電器店のじいちゃんは、断線したトランスを巻き直すぐらい当然のようにやっていました。
修理のイロハもそのじいちゃんから習ったのでした。
あとは、
スイッチング電源を作った時にトランスを巻きました。これはせいぜい100回ぐらいで、そんなに巻くことはありません。
ただ、絶縁に気を使わないといけないので(バリアテープとか)けっこう気を使います。三層絶縁電線を使うとずいぶん楽になりました。
あとはトロイダルコア、これはドーナツ形のコアです。アマチュア無線で自作をしている方はおなじみでしょう。ノイズ対策でもよく出番があります。
昔、私が水産学部のお手伝いで漁船にのった時、我々の装置が盛大にノイズを出し、魚探の画面が真っ赤っ赤となり使い物になりませんでした。
動くものを作って間に合わせるだけで精一杯でそこまで気が回らなかったからです。
そこで次回行くときまでにノイズフィルタを準備することにしました。
ジャンクから見つけた大きなトロイダルコアにキャンセル巻きをして、あとコンデンサ等を付けたノイズフィルタを作って追加し、手元でテストしてノイズが一次側に出ないことを確認してから船に持っていきました。今度はバッチリでした。
トロイダルコアでトランス等も当然作れます。簡単なDC-DCコンバータなども作ってみると良いのではないかと思います。
なんといっても自作は必要なインダクタンスが自分で作れることです。インダクタを色々揃えていても、調整したい時があります。もうちょっとなんだが、という時に自分で巻いたり減らしたり。
LoRa
2025.03.23
LoRaというのはLong Rangeの略で、遠距離まで届く無線通信のことです。
通信速度は遅いが、遠くまで届くという認識です。
過去の仕事では、LoRaを利用した製品をいくつか作ってきました。
それぞれ違う無線モジュールを使いました。それだけ選択肢があるとも言えます。
いま手元にあるのは、

LoRaモジュール評価ボード
ttps://akizukidenshi.com/catalog/g/g117616/
アンテナ
ttps://akizukidenshi.com/catalog/g/g117618/
この機種は仕事でも趣味でも使った経験はなく、ちょっと試しておこうという段階です。
自宅などでフィールドテストを重ねて、経験やデータを蓄積しておけば、いざ必要になった時に役立つでしょう。
使い方は、細かい設定などをとりあえず考えなければ、単純に送信と受信だけです。ですから一方は送信と受信の信号を折り返し接続しておいて、もう一方をPCにつないで文字を打ち込み、表示されるのを見ると良いでしょう。
LoRaに限らず、無線モジュールは通信距離のテストをしておきたいものです。どのくらい届くものか、その限界は? 障害物の影響はどうか?
広大な工場の敷地を遠くまで歩き回ってテストしたこともありました。
遠距離までというと期待してしまうけれど、やはり電波ですから思ったように届かないことがあります。
基本はお互いに見通しできることです。
スマホに慣れちゃって、どこでも通話できるのが当たり前と思われているというか意識もしないような状態だと思いますが、それは大変な技術の蓄積で実現しているのです。
できるだけアンテナは高く上げて、障害物を避けて・・・と条件をあげていっても現実になかなか良いところは無かったりします。
その工場の敷地でも、建物の陰に入った時に通信が途切れたりしました。再び角を曲がったら復旧したりとか。
その時は、この機種ではなかったんですけど。
アンテナは指定のものを使わなければなりません。無線モジュールとアンテナはセットで技適を通しているからです。
でも、受信専用という条件付きなら感度を上げるためにアンテナを変えることは有りです。受信状況によっては検討してもよいでしょう。
通信距離のテストをひとりで行いたい、というよりも、行わざるを得ない場合があります。
たとえば、一方は折り返しにする。もう一方で送信と受信を確認する。たとえばPCにAと打ち込んだら、電波が飛んでいって向こう側の無線モジュールで受信して送信して、それを受信してAと表示される。
マイコンをつないでプログラムを動かすなら、それでも構いません。固定局側で自動送信して、受信局を持ち歩いてデータを見ます。
さて、この無線モジュールを何に使うかという話ですが、
たとえば農業IoTです。自宅から離れた畑やビニールハウスの温度などを監視したいという用途があるでしょう。
昔々、知人から聞いた話では自宅からビニールハウスまで500mほどケーブルをひっぱって温度を測定したという・・・これはおそらく道路使用上の問題があると思います。
その点、無線なら問題はありません。
温度だけではもったいないので、湿度その他の情報、そして逆にこちらからの遠隔制御も有りでしょう。
温度によって対応しているのか分かりませんが、一日に何度も農家の方がビニールハウスに来てチェーンをひっぱり、開閉操作をしているのを見かけました。これが自宅から出来たらどうでしょう。しかも開閉が出来たことの確認もできれば良いでしょう。
通信速度は遅いが、遠くまで届くという認識です。
過去の仕事では、LoRaを利用した製品をいくつか作ってきました。
それぞれ違う無線モジュールを使いました。それだけ選択肢があるとも言えます。
いま手元にあるのは、

LoRaモジュール評価ボード
ttps://akizukidenshi.com/catalog/g/g117616/
アンテナ
ttps://akizukidenshi.com/catalog/g/g117618/
この機種は仕事でも趣味でも使った経験はなく、ちょっと試しておこうという段階です。
自宅などでフィールドテストを重ねて、経験やデータを蓄積しておけば、いざ必要になった時に役立つでしょう。
使い方は、細かい設定などをとりあえず考えなければ、単純に送信と受信だけです。ですから一方は送信と受信の信号を折り返し接続しておいて、もう一方をPCにつないで文字を打ち込み、表示されるのを見ると良いでしょう。
LoRaに限らず、無線モジュールは通信距離のテストをしておきたいものです。どのくらい届くものか、その限界は? 障害物の影響はどうか?
広大な工場の敷地を遠くまで歩き回ってテストしたこともありました。
遠距離までというと期待してしまうけれど、やはり電波ですから思ったように届かないことがあります。
基本はお互いに見通しできることです。
スマホに慣れちゃって、どこでも通話できるのが当たり前と思われているというか意識もしないような状態だと思いますが、それは大変な技術の蓄積で実現しているのです。
できるだけアンテナは高く上げて、障害物を避けて・・・と条件をあげていっても現実になかなか良いところは無かったりします。
その工場の敷地でも、建物の陰に入った時に通信が途切れたりしました。再び角を曲がったら復旧したりとか。
その時は、この機種ではなかったんですけど。
アンテナは指定のものを使わなければなりません。無線モジュールとアンテナはセットで技適を通しているからです。
でも、受信専用という条件付きなら感度を上げるためにアンテナを変えることは有りです。受信状況によっては検討してもよいでしょう。
通信距離のテストをひとりで行いたい、というよりも、行わざるを得ない場合があります。
たとえば、一方は折り返しにする。もう一方で送信と受信を確認する。たとえばPCにAと打ち込んだら、電波が飛んでいって向こう側の無線モジュールで受信して送信して、それを受信してAと表示される。
マイコンをつないでプログラムを動かすなら、それでも構いません。固定局側で自動送信して、受信局を持ち歩いてデータを見ます。
さて、この無線モジュールを何に使うかという話ですが、
たとえば農業IoTです。自宅から離れた畑やビニールハウスの温度などを監視したいという用途があるでしょう。
昔々、知人から聞いた話では自宅からビニールハウスまで500mほどケーブルをひっぱって温度を測定したという・・・これはおそらく道路使用上の問題があると思います。
その点、無線なら問題はありません。
温度だけではもったいないので、湿度その他の情報、そして逆にこちらからの遠隔制御も有りでしょう。
温度によって対応しているのか分かりませんが、一日に何度も農家の方がビニールハウスに来てチェーンをひっぱり、開閉操作をしているのを見かけました。これが自宅から出来たらどうでしょう。しかも開閉が出来たことの確認もできれば良いでしょう。
耐久試験の経過
2025.03.23
温度測定を始めたら発見がありました。
いまの時期(3月下旬)では、朝の起動時には5℃から、正午前には(晴れていれば)50℃までケース内部温度は上がっています。
物の、一日の温度変化の幅は意外と広いということです。
気温(外気温、室温)と、物の温度は別です。物のほうが気温より冷えているようです。今朝の時点で外気温は10℃以上のはずです。室温は16℃でした。
こんな細かい事まで観察したことは今までありませんから、興味深いです。
物が冷えているのは、たとえばエアコンの暖房で部屋を暖めても、空気が温まっているだけで机は冷たいままだったりするわけです。
温度計を吊るしておけばそれは気温を示しているのか、って考えるとじつは難しい話になります。
それに直射日光が当たっていても気温でしょうか。違うでしょうね。日光が直接当たらないようにしなければなりません。
温室の計測装置では、管の中にファンで強制的に空気を通して測定しているようでした。
傘を重ねたような形で、通気をよくするのと同時に日よけを兼ねたセンサーユニットもありました。
近々、測定ユニット2号機を仕込むことにしています。今度は温度・湿度・気圧を同時に測定します。
日光で温まってケース内部の気圧は上がるのか、逆に冷えると気圧は下がるのか、そういった疑問もこれでスッキリするかもしれません。
湿度を見ることで、ケース内部に水分が入ったかどうかもわかるでしょう。
いまの時期(3月下旬)では、朝の起動時には5℃から、正午前には(晴れていれば)50℃までケース内部温度は上がっています。
物の、一日の温度変化の幅は意外と広いということです。
気温(外気温、室温)と、物の温度は別です。物のほうが気温より冷えているようです。今朝の時点で外気温は10℃以上のはずです。室温は16℃でした。
こんな細かい事まで観察したことは今までありませんから、興味深いです。
物が冷えているのは、たとえばエアコンの暖房で部屋を暖めても、空気が温まっているだけで机は冷たいままだったりするわけです。
温度計を吊るしておけばそれは気温を示しているのか、って考えるとじつは難しい話になります。
それに直射日光が当たっていても気温でしょうか。違うでしょうね。日光が直接当たらないようにしなければなりません。
温室の計測装置では、管の中にファンで強制的に空気を通して測定しているようでした。
傘を重ねたような形で、通気をよくするのと同時に日よけを兼ねたセンサーユニットもありました。
近々、測定ユニット2号機を仕込むことにしています。今度は温度・湿度・気圧を同時に測定します。
日光で温まってケース内部の気圧は上がるのか、逆に冷えると気圧は下がるのか、そういった疑問もこれでスッキリするかもしれません。
湿度を見ることで、ケース内部に水分が入ったかどうかもわかるでしょう。
2025.03.25 14:24
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