PICマイコン
2025.01.16
マイコンは各社各機種、次々に新しいのが出てきて、どれを選んだら良いものやら迷ってしまって、結局、手が出なかったりする。

トラ技などの付録に基板がついてきたけど、今では廃れてしまったものもある。

今後使っていこうとして、解説書や書込ツール等をあれこれ買い揃えたけど結局無駄になった、というのは避けたい。

そもそも昔は('90年代)ワンチップマイコンは少なかった。世の中には有ったけど、特にホビーでいじる人にとっては身近ではなかった。
それまではCPUがあって、ROMがあって、RAMがあって、I/Oがあって・・・というふうにそれぞれのLSIを配線で結んでシステムを構成していた。
Z84C015のようにワンチップ化されたものもあったが、ROMとRAMは外付けしかなかった。
どうしても大掛かりになり、場所をとるので、ROMやRAMも含めたワンチップは欲しかった。

8048(8748)などが存在するのは(製品の基板などを見て)知っていたけど、あまり市販されておらず、開発ツールや書込機の課題もあった。

そんな中、'97年頃にトラ技に載ったのはPICマイコンの初めての記事。

なお、PIC自体はもっと昔から存在していた。たとえばMacintoshのマウスの中に入っていたのを実際にこの目で見ている。

その初めての記事は間違いも結構あったが、やってみようという気にさせられた。書き換え可能のワンチップマイコンは便利そう。

マイクロチップ社の英文の分厚いデータブックしか手に入らず、それを必死になって読み込んでいた。

当時は16C84で、その後16F84になった。

やはり最初は書込機でつまずいて、パラレルポートにつなぐ書込回路なんか手作りしてみたけどなぜかうまくいかない。あの回路をシンプルで素晴らしいなどと称賛する文章を見かけたが、動かなければ意味がないのだ。
とにかく、困った困ったと苦しんでいた。
プログラムも、あの変なアセンブラに慣れなくて、プログラムが正しいか間違っているのか。コンフィグはこれで良いのか悪いのか。わからなくてウロウロしていた。最初の頃はそんな具合だった。

試行錯誤しているうちにうまくいったのか良く覚えてないけど、記事に載っていた書込機を何パターンか作って試したのは何となく覚えている。
どれもこれも中途半端で、使いにくい点があったりして不満はあった。

最終的には秋月のPIC書込機キットを組み立ててケースに入れ、ようやく落ち着いた感じ。その後、色々な型番のPICを使う必要があり、純正の書込機を買ったと思う。

あのPICの変なアセンブラには苦心したが、Cコンパイラは当時高かったし、この小さなマイコンにCコンパイラは合わないだろうとも思っていた。
ちょっとしたプログラムだけでおさまりきらないのではないか。アセンブラで頑張って詰めるしかないと信じていた。

8ピンPICも魅力があった。
最初は12C508で、容量の大きい509と、EEPROM内蔵の12CE508なども有り、出た当時に入手して試していた。最初は窓付き(高価だった)とワンタイムしかなかった。
窓付きの内部をのぞいてみると、PICのコアとEEPROMが別々になっているのがわかって面白かった。(いまでは一体になっているだろうけど)

ところで、
PICにはいろんなワナがあって、毎回のようにひっかかったりしていた。

特にバンクが曲者で、暴走の原因になった。プログラムメモリにもデータメモリにもバンクがある。その切替が面倒で、切り替えのために余分な命令が増えるのと、常にバンクを意識しながらプログラムを作る必要があった。

ある時、他人の作ったプログラムを改良・機能追加してほしいと頼まれ、見てみるとかなり容量の大きいアセンブラのプログラムだった。よくこんなの作るなあ、と思いながら、元になったプログラムはアレだなと気づいていた。

機能を追加するのでプログラムを足していったら、バンクをまたいで動かなくなった(暴走)。困ったぞ、このバンクにおさまるようにするには!? 地獄の三丁目であった。
最終的にはうまくおさめたけど二度と触りたくない気持ち。

元々は確かソースが失われていて、最新版は製品に載っているPICから読み出してくれ、と。そのバイナリを逆アセして、残っている旧版のソースとを照合しながら、最新版のソースを再現してくれというのが最初の依頼だったような記憶。(よかったね、プロテクトかかってなくて)
担当者がやめたのか、HDDが壊れたのか、そのあたりの事情は知らない。

また別の話で、
いまアセンブラのソースが有るけど、これをC言語に書き直してほしい、ってのもあった。
新しい担当がアセンブラわからないって。
色々不思議な依頼があるものだ。


あと、PICのポートは「微妙に足りない」の法則がある。
最初18ピンでいけそうだと確信した。ところが、あと1本欲しいってのはよくある。

そうなると次の選択肢は28ピンになる。(今は20ピンもあるだろうけど)
今はXTALのピンもI/Oとして使える品番もあるけど、昔はXTALやMCLRは専用だった。16F84とかの時代。

28ピンか、でかいな・・・SSOPにするか、と。

それでも、兼用ピンの制約などでこのピンは使えないな、これはあれにしか使えないな、このポートは8ビットのデータを受けるから、・・・というわけで足りなくなり、結局40ピンになる。

40ピンはさすがにでかすぎるので、QFPにするか、と。
電源アダプタ
2025.01.06
ACアダプタとか呼び方は色々あって、詳しい定義は知らない。

昔(昭和~平成)はトランスが入っているものが普通で、コンセント周辺で邪魔ものだった。

このために電源の延長コードの短めのやつを買ったり作ったりして、さらにぐちゃぐちゃが加速した。

改めて考えてみると、近頃はトランス式のACアダプタは見かけない。すっかり無くなってしまった。みんなスイッチング方式になった。

スイッチングだってトランス入ってるじゃないかというツッコミもあろうが、ここでいうトランスはスイッチング用じゃないほうの昔ながらのトランス。

確かに大きくて重くて邪魔くさいけど、利点はスイッチング方式に比べてノイズが少ない。特にアナログには良い。
しかしスイッチング方式も近頃は改良されてきてノイズが激減した機種もあるようだ。

今さら、トランス式のACアダプタを買おうとしてもなかなか売ってない。

昔、あいまいな言い方だけど少なくとも10年以上前か。昔はジャンク屋でも普通に入手できたし安かった。
秋月でも平成初期の頃には玩具の付属品のアダプタなんかをたくさん安売りしていた。覚えているのは、リカちゃん電話用とか。
オリジナルのブランドのスイッチング電源アダプタを売るようになったのは、そのあとのこと。ジャンクを売りながら、需要があると把握したんだろうな。たぶん。
ジャンク屋の広告を味わう
2024.12.22
1983/11の「ラジオの製作」その広告欄


当時、こういった広告を飽きることなく眺めていました。どれもこれも興味をそそられる。だけどお金は限られている。欲しい。

ちょっとお金が貯まったら、通販で色々買ったものでした。

「ダイヤル式移動電話器」というのは要するにコードレスホンです。
自分はスーパービデオではなく、確か、セイコーエレクトロ産業から3台セットで買ったような記憶。
今のコードレスホンとはわけが違う。黒電話にアンテナが付いたようなもの。ボディは白かったけど。アンテナはラジオについているロッドアンテナと同様。
電源はニッカドが内蔵されていました。
そして本体が別にあって、木目調の箱で下半分はアルミだったと思うけど、安っぽい感じ。
実際に使ってみたけど、アナログのせいか通話時に雑音が乗っていた。一応は実用できたけど。呼び出し音はベルじゃなくてブザーが鳴っていた。

その下の無線電話機もコードレスホン。
これは最高200m届くというけど、電波法違反じゃないか。でんぱりようこちゃんが月に代わっておしおきよ!
この機種と同じか確かめようがないけど、同じような物を使っている農家がいて、自宅そばの畑で作業している時に便利だって。昔の話だけど。もっと遠くまで届くとか。
おいおい、そりゃ電波法違反ですよと指摘したが、本人は便利さのほうが優先で私の言う事など聞いてくれなかった。人間、ご都合ですよねえ。

気づいていない人は多いけど、コードレスホンの電波って合法機であっても結構遠くまで届いている。通話可能な距離とは別ですよ。
これも昔の話。受信機を回していたら、近所の人が電話している音声が丸聞こえ。ああ、あの塾だな。結構離れているのに、ここまで届いているなんて。
他人の話を聴く趣味はないのでそこで止めたけど、気をつけないといけないね。秘密の話はコードレスではやめよう。

600型電話機、601型電話機、プッシュホン電話機・・・いずれも中古で、おそらく電電公社が捨てたものを拾ってきて売っていたのではないかと勝手に想像。
私もプッシュホンを買ったことがある。

この広告じゃないけど、ホームセンター等でもハンディホンやコードレスホンが売られていて、これらは全て認定品じゃなかった。

そもそも端末の自由化は電電公社が民営化された1985年からだったから、勝手に電話機を(公社以外のものに)取り替えて使うのはいけなかったのだけど、この当時1983年。

電話用さしこみプラグ・ジャック
これは電話機のコンセントで、今のモジュラージャックとは違う。その前の世代のもの。
あちこちに電話の配線をのばしてコンセントをつけておき、黒電話を持ち運んで使えるという時代があった。
電話機をはずしたままにしておくとベルが鳴らなくて着信に気づかないから、ベルを別に付けたりしなかったっけ。

特殊イヤホーン
聴診器みたいに二又になっている部分は管になっており、その二又の中間のところに普通のイヤホンが差し込んである。確か買ったぞ、当時。

スピーカー、ネットワーク、BOX
あまりスピーカーには興味がなかった。後輩のほうが強い興味をもっており、彼なら欲しがっただろうな。

スーパービデオは確か現在は無いと思う。ミニファクスなんかも売っていた時期があり、私も送受信セットで買ったことがある。

放送局用のビデオレコーダ、これはこの広告には載ってないけど、載っている号は見覚えがあった。業務用ビデオじゃないんですよ。巨大なビデオ装置。オープンリールの!
手の届きそうな値段だったので買おうと思った事もあったけど、どうやって運ぶのかという課題もあり、そして置き場所もなかった。家に入れるのは無理だったかもしれない。

右側のページ
パーソナル無線は当時ナウかった。ナウい無線。

受令機というのはケーサツ無線を聴くための受信機。当時アナログだから、普通に聴くことができた。
私が専門学校の頃、先生から修理依頼を受けたことがある。直せるようだったら直してくれと。ちゃんと直して先生に返したら、修理代を頂いた。

ハイパスフィルター(ナサ)
ナサ(笑)

ガッチャンマイク(笑)

写ってないけど、その次のページは共立電子産業
キット色々

「清少納言は枕草子、ナウい深夜ピープルの君には [ピロースピーカー] 」
ナウい。

オーディオX-Yモニターキット
これは5x5マトリクスLEDがステレオ信号に合わせて光るというもの。
なんかLEDがチカチカしているだけでも楽しかったな、あの頃は。

カラーテレビゲーム基板 TVG-15
これは確か ******** の製品の基板だけだろう。確か買ったぞ。
ゲームだけでも結構遊べて、飽きたら改造してRGB出力のマイコンを家庭用テレビにRF接続する為に使うこともできた。
乾電池しぼり器の製作
2024.12.22
1983/11の「ラジオの製作」から。


要するに、古い乾電池に残った電力を集めてニッカドに充電し、さらに使い尽くそうというもの。

いま改めて考えてみると、ニッカドは自己放電もあるし、ロスも結構あると思うが・・・結局ささやかな節約に終わるだろうから、電器店のおじさんに謝るほどでもない。

それに、今ではもっと良いアイデアも検討できる。
俗に言うジュール・シーフという回路があって、一種のDC-DCコンバータだが、古い乾電池からギリギリまで絞り出してLEDを点灯できる。(昔、実際に作った)

あの頃には無かったエナジー・ハーベスティングもある。

ニッカドを充電するといっても充・放電でのロス(損失)もあって、必ずしも良いアイデアとは言えないかも。

汎用性を重視して、一旦ニッカドに蓄えようというのが製作記事の目的だったのだろう。

機器側にDC-DCコンバータを内蔵して、電池が消耗してもかなりのところまで使えるようにするのが今では一般的かもしれない。
たとえばワイヤレスマウス。これは電池1本で動作するけど、内部の回路は1.5Vそのままでは動かない部分も多いはず。おそらく昇圧しているはず。
そして、動かなくなった時に電池電圧をはかってみると、かなり下がった所まで使えていたのがわかる。さっき交換して古いのは捨ててしまったけど、電圧を記録するのを忘れてしまった。

買った時には乾電池が付属しているけど、それを使い切った後はエネループに入れ替えて使っている。
各種ハンダ吸取機
2024.12.21
うちは製造や修理の仕事上、ハンダ吸取機を複数台持っています。

(1)FR-301 一体型
(2)FR-410
(3)FR-400

主に普段使っているのは(2)で、コテ部が軽くて長時間の作業でも疲れにくいです。

(1)のような一体型は比較的安いけれど、重いので腕が疲れてきます。ちょっと使うだけなら良いけれど。小型なので現場への持ち運びには向いています。

そして(3)は(2)よりコテ部が大きくて重く、パワーが大きいので仕方有りませんけど、疲れやすい感じです。
パワーが大きいためか、ファンが内蔵されており電源ON状態では常時回っていますので、騒音が気になるかもしれません。

いずれにしても吸い取る時の動作音はゴゴーッ、ズゴーッとうるさいです。床に置くと響きます。
防音のため、本体の下に敷くものを色々変えて試してみました。事務椅子の上に座布団を敷いて、その上に置くと比較的静かです。でも自分が座れません。
エアコン室外機の下に敷いたりするゴムを試したらどうかと思います。

(1)は現場用なのでめったに使わずホコリをかぶっています。

(3)は熱量の必要なもの、たとえば多層基板とか、ベタグランド、パワーデバイス等の取り外しに向いています。

消耗品の管理では、各機種共通の物もあるが、一部フィルタ等は異なっており、少々面倒です。できれば統一しようと思って同じメーカーとしました。

学生の頃を思い出すと、夢のようです。あの頃は、手動式の吸取機か、吸取線(これは今も使う)で頑張っていました。
片面基板なら、爪楊枝を使って穴を通したりできました。工夫次第です。

便利な吸取機が有っても、2~3本足ぐらいの部品は普通にはんだごてで加熱して引き抜き、残ったハンダを吸い取るような使い方のほうが良い場合もあります。
多めにハンダを盛って、コテ先を寝かせるようにして(コテ先の形状にもよる)3本同時に加熱してハンダを融かします。部品面を下にしていると部品が勝手に落ちていくこともあります。

ハンダを吸い取ると、リードがスルーホールの内側にくっついている事が良くあります。これを再び加熱してはずしたりする手間がかかります。
吸い取る時に、リードを動かしながら周囲のハンダを吸わせるようにします。基板を強くこすらないように、微妙に浮かせながら吸わせます。これはなかなか言葉では(伝えるのが)難しい。

ICなどピン数の多い物で、見た目で明らかに壊れている物はリードをニッパーで切ってから、残ったリードをはんだごてで加熱しながら1本ずつ抜いて、残ったハンダを吸い取るほうが作業効率は良さそうです。
明らかに壊れているというのは、焼けていたり、焼けて膨張したりして見た目で明らかなものです。
こういう物は丁寧に1本ずつハンダを抜く必要はなく、ニッパーでリードを根本から切って取り除きます。
根本というのは基板側じゃなくてIC本体側の根本です。基板側は切りにくい、切れないです。無理にやろうとして基板に傷をつけたりします。

吸取線は今でも良く使っていて、吸取機でもできるけど、それよりは銅箔を傷めにくいと思います。とくに表面実装部品を取り除いた後に残ったハンダの除去に使っています。

ベタグランドや多層基板と書きましたが、たとえばロジックICなどのカドピン(VCC, GND)はベタや内層につながっていて、熱が逃げやすくハンダが吸い取りにくいものです。

そこで加熱時間を長めにする(せいぜい10秒)

あるいは別のはんだごてで、反対面から加熱を助けてやる。工場などでは隣同士協力しあって、二人でやっていたりしました。
一人でやるのは大変ですができなくもありません。基板を立てて固定し、一方の手ではんだごて、もう一方の手で吸取機を持って同じピンを両面から加熱・吸引します。

ハンダを吸い取ろうとしているのに、あえてハンダを追加するのは不思議に思われるかもしれませんが、ハンダを追加したほうが吸い取りやすくなる場合があります。吸い取りにくいと思ったら、あえてハンダを盛ってみる。それから吸取機で吸ってみる。

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