CP/M移植(3)
2024.02.16
親戚からもらったMZ-2000にCP/Mを移植しようとしたわけだが、じつは使用していたフロッピー一式の中に添付してくれていたらしい。
それを自分は気づかずに、どこかの段階で捨ててしまったようだ。
もともとは大阪の町工場で使われていたMZ、当時PC98互換機と入れ替わりになって不要となり、よかったらあげるよというのでもらった物。
その、くださった方から「CP/Mのディスクもあったでしょう」と後で言われた。(えっ、そうだったのか)
添付されていたフロッピーは、タバコのヤニと手垢にまみれて汚れがひどく、傷の入った物も多く、読み込ませてみるとエラーが出たりしてダメな物があった。
そして当時の自分の無知、シャープBASICとHu-BASICでお互いのディスクを読ませる事はできないという事を最初は知らず、
たとえばシャープBASICを動かしている状態で、Hu-BASICのディスクを読ませてみて、あれっ、エラーか、じゃあダメだなと(誤った)判断をしてしまった。
結局これらは全部ダメみたいだな、捨てるしかないな、というのでゴミと一緒に燃やしてしまったのである。(当時は自宅でゴミを燃やすのは普通で、いまのように禁止されていなかった)
そんなわけで、間違ってCP/Mのフロッピーを捨ててしまったために、はるかに遠い回り道への旅が始まったのである。
それを自分は気づかずに、どこかの段階で捨ててしまったようだ。
もともとは大阪の町工場で使われていたMZ、当時PC98互換機と入れ替わりになって不要となり、よかったらあげるよというのでもらった物。
その、くださった方から「CP/Mのディスクもあったでしょう」と後で言われた。(えっ、そうだったのか)
添付されていたフロッピーは、タバコのヤニと手垢にまみれて汚れがひどく、傷の入った物も多く、読み込ませてみるとエラーが出たりしてダメな物があった。
そして当時の自分の無知、シャープBASICとHu-BASICでお互いのディスクを読ませる事はできないという事を最初は知らず、
たとえばシャープBASICを動かしている状態で、Hu-BASICのディスクを読ませてみて、あれっ、エラーか、じゃあダメだなと(誤った)判断をしてしまった。
結局これらは全部ダメみたいだな、捨てるしかないな、というのでゴミと一緒に燃やしてしまったのである。(当時は自宅でゴミを燃やすのは普通で、いまのように禁止されていなかった)
そんなわけで、間違ってCP/Mのフロッピーを捨ててしまったために、はるかに遠い回り道への旅が始まったのである。
CP/M移植(2)
2024.02.16
とにかくBIOSのソースが曲がりなりにも参照できたのは助かった。これを元にして、修正を加えていった。
ただ、2004年の段階でバイナリから逆アセンブルしてソースを再現することもしていた。なぜかというと、移植後にうまく動かない事があり、疑義が生じたので他機種のBIOSの中身を確認してみたかったから。
結局それは読み込むセクター番号が間違っていただけで(わかるまでにはずいぶん回り道をしたが)、修正したら直った。
MZ-2000の場合、テキストVRAMがD000H~DFFFHになる。画面アクセス時、メインRAMの一部を切り換えてVRAMにしてからアクセスする。
従って、そのアドレス範囲にそのプログラムが存在すれば当然暴走してしまう。
そのため画面表示ルーチンをBIOSの終わりの方に置き、アセンブル後にこれらのルーチンがE000H以降に配置されているか、LSTファイルを確認していた。
画面関係のBIOSはMZ-2000用として全部自作した。
基本的にVRAMへの切り換えと、指定したアドレスへの書込だけだから難しくない。
・画面モードの切り換え(80x25)
・画面クリア
・1文字表示
・コントロールコードの処理(それぞれのコードに対する処理も)
・アドレスの計算(表示位置とVRAMアドレス)
・画面スクロールアップ
・Y座標からVRAMアドレスを求める
・カーソル表示
(カーソルを表示する前に、表示位置にあった文字を保存しておく。カーソル移動した時に、元そこにあった文字を書き戻す)
FDDの読み書きルーチンは、印象としては難しく感じるが、すでに原型があったので意外とラクだった。
ただ、X1用なのでMB8877、MZ-2000はMB8876という違いがあり、データバスの論理が反転している。そこで、FDCとのI/O命令のところにCPLを追加していった。
当然I/Oアドレスも実機に合わせて変更した。
単純な書き換えだけではなく、それぞれが何の動作をしているか、FDCのマニュアルを見ながら理解しコメントを書き加えていった。
結局あとでうまく動かない時に、細かく見直す必要があったから、そのようにしておいて正解だった。
調べる都度、データシートを開いて見るよりも、最初からソースにレジスタのビットの割り付けとか機能をコメントとして書いておくと便利。
ただ、2004年の段階でバイナリから逆アセンブルしてソースを再現することもしていた。なぜかというと、移植後にうまく動かない事があり、疑義が生じたので他機種のBIOSの中身を確認してみたかったから。
結局それは読み込むセクター番号が間違っていただけで(わかるまでにはずいぶん回り道をしたが)、修正したら直った。
MZ-2000の場合、テキストVRAMがD000H~DFFFHになる。画面アクセス時、メインRAMの一部を切り換えてVRAMにしてからアクセスする。
従って、そのアドレス範囲にそのプログラムが存在すれば当然暴走してしまう。
そのため画面表示ルーチンをBIOSの終わりの方に置き、アセンブル後にこれらのルーチンがE000H以降に配置されているか、LSTファイルを確認していた。
画面関係のBIOSはMZ-2000用として全部自作した。
基本的にVRAMへの切り換えと、指定したアドレスへの書込だけだから難しくない。
・画面モードの切り換え(80x25)
・画面クリア
・1文字表示
・コントロールコードの処理(それぞれのコードに対する処理も)
・アドレスの計算(表示位置とVRAMアドレス)
・画面スクロールアップ
・Y座標からVRAMアドレスを求める
・カーソル表示
(カーソルを表示する前に、表示位置にあった文字を保存しておく。カーソル移動した時に、元そこにあった文字を書き戻す)
FDDの読み書きルーチンは、印象としては難しく感じるが、すでに原型があったので意外とラクだった。
ただ、X1用なのでMB8877、MZ-2000はMB8876という違いがあり、データバスの論理が反転している。そこで、FDCとのI/O命令のところにCPLを追加していった。
当然I/Oアドレスも実機に合わせて変更した。
単純な書き換えだけではなく、それぞれが何の動作をしているか、FDCのマニュアルを見ながら理解しコメントを書き加えていった。
結局あとでうまく動かない時に、細かく見直す必要があったから、そのようにしておいて正解だった。
調べる都度、データシートを開いて見るよりも、最初からソースにレジスタのビットの割り付けとか機能をコメントとして書いておくと便利。
CP/M移植(1)
2024.02.15
2004年頃にMZ-2000へのCP/M移植をした話は、すでに自分のサイトで書いた。ちょっと久しぶりに思い出してみる。
最初に取り組んだのは高校生の頃で、昭和の末期だった。
図書館から借りてきた本によると、CP/Mは移植できるようだ。その程度の知識からのスタートだった。
ちょうど親戚からもらったMZ-2000が有り、64KB RAM空間だからCP/Mを動かすのにはちょうど良い。
そして当時は、開発ツールがないからハンドアセンブルしかなかった。Z80の命令表を下敷きに入れて持ち歩き、それを見ながらニーモニックをマシン語へ変換していく。
良く出てくる命令は、前に使った部分から書き写せば良いし、やっているうちに覚えてしまい、今でも覚えている。
ある番地から別の番地へのブロック転送は、21 00 00 11 00 80 01 00 20 ED B0 C9 とか。
こんな事に脳の記憶容量を浪費しているなんて。
ハンドアセンブルから脱却しないと、ある程度の規模のプログラムを作るのは非常に効率が悪い。とにかく開発ツールが欲しかった。CP/M上でM80を動かしたかった。
CP/Mはどこから持ってくるかと考えて、いけない事だがPC-8001用とX1用をどこからか入手した。
これを元にして、基本的にはBIOSをMZ-2000用に作れば良い。フロッピーからロードする手段は、また別に必要になる。
PC-8001用やX1用のフロッピーは、MZ-2000で直接読み出す事はできない。直接、というのはたとえばBASICでFILESとやればファイル名のリストが出てきてLOADできるとか、そんなレベルの話。こんなふうに簡単にはできないということ。
とりあえずセクターダンプでは中身をのぞくことができた。但し、FDCの違いによってバスの論理が逆転しているから(MZ-2000はMB8876、他の機種はMB8877など)、論理反転して読み込んでみた。
何番のセクターからどこまでがどのファイルか、なんてのは当時わからなかったから、とにかくひとつずつ読み込んでみて、たぶんここからここまでかな、この分があのファイルじゃないだろうか、と推測していた。
ダンプしていくとテキストファイルだと文字が見えてきて、どうやらこれはBIOSのソースだなと把握することができた。
こうして抽出したテキストをファイル化して、ソースを別のPC上に再現したのは2004年の話。
高校生の当時は、紙にプリントして、うーんと考えるばかり。どこをどう直したら良いんだ?しかもハンドアセンブルで全体を・・・? まだまだ実力が足りなかった。
2004年に取り組んだ時には、別のPC上でソースをアセンブルできる環境があったから、とにかく仕事が進んだ。
ん? 開発環境があるなら今更MZに移植しなくても? (まあ、いいじゃないですか)
最初は1文字入力と出力をシリアル通信に割り当てて、WindowsのPCから通信してCP/Mを動かしていた。そのうちにMZの画面に文字表示できるように作っていったっけ。キーボード入力は作るのが面倒くさくて結局作ってない。
フロッピーから直接CP/M本体を読み込んでブートする方法は最初自分でできなかったから、考えたのはBASICからBLOADすることだった。
とにかくBASIC上で、RAMの空いたところにCP/Mのファイルを読み込んでいき、そこで修正をかけたものをBSAVEして保存すれば!
ちょうど良いことにCP/Mの存在するアドレスとBASICのワークエリアとは干渉しない。
一部だぶったっけ。もう忘れたが、とにかく最初BASICが起動し、それからCP/MをBLOADして、CP/Mへジャンプしたら後はCP/Mだけが動く世界。
最初に取り組んだのは高校生の頃で、昭和の末期だった。
図書館から借りてきた本によると、CP/Mは移植できるようだ。その程度の知識からのスタートだった。
ちょうど親戚からもらったMZ-2000が有り、64KB RAM空間だからCP/Mを動かすのにはちょうど良い。
そして当時は、開発ツールがないからハンドアセンブルしかなかった。Z80の命令表を下敷きに入れて持ち歩き、それを見ながらニーモニックをマシン語へ変換していく。
良く出てくる命令は、前に使った部分から書き写せば良いし、やっているうちに覚えてしまい、今でも覚えている。
ある番地から別の番地へのブロック転送は、21 00 00 11 00 80 01 00 20 ED B0 C9 とか。
こんな事に脳の記憶容量を浪費しているなんて。
ハンドアセンブルから脱却しないと、ある程度の規模のプログラムを作るのは非常に効率が悪い。とにかく開発ツールが欲しかった。CP/M上でM80を動かしたかった。
CP/Mはどこから持ってくるかと考えて、いけない事だがPC-8001用とX1用をどこからか入手した。
これを元にして、基本的にはBIOSをMZ-2000用に作れば良い。フロッピーからロードする手段は、また別に必要になる。
PC-8001用やX1用のフロッピーは、MZ-2000で直接読み出す事はできない。直接、というのはたとえばBASICでFILESとやればファイル名のリストが出てきてLOADできるとか、そんなレベルの話。こんなふうに簡単にはできないということ。
とりあえずセクターダンプでは中身をのぞくことができた。但し、FDCの違いによってバスの論理が逆転しているから(MZ-2000はMB8876、他の機種はMB8877など)、論理反転して読み込んでみた。
何番のセクターからどこまでがどのファイルか、なんてのは当時わからなかったから、とにかくひとつずつ読み込んでみて、たぶんここからここまでかな、この分があのファイルじゃないだろうか、と推測していた。
ダンプしていくとテキストファイルだと文字が見えてきて、どうやらこれはBIOSのソースだなと把握することができた。
こうして抽出したテキストをファイル化して、ソースを別のPC上に再現したのは2004年の話。
高校生の当時は、紙にプリントして、うーんと考えるばかり。どこをどう直したら良いんだ?しかもハンドアセンブルで全体を・・・? まだまだ実力が足りなかった。
2004年に取り組んだ時には、別のPC上でソースをアセンブルできる環境があったから、とにかく仕事が進んだ。
ん? 開発環境があるなら今更MZに移植しなくても? (まあ、いいじゃないですか)
最初は1文字入力と出力をシリアル通信に割り当てて、WindowsのPCから通信してCP/Mを動かしていた。そのうちにMZの画面に文字表示できるように作っていったっけ。キーボード入力は作るのが面倒くさくて結局作ってない。
フロッピーから直接CP/M本体を読み込んでブートする方法は最初自分でできなかったから、考えたのはBASICからBLOADすることだった。
とにかくBASIC上で、RAMの空いたところにCP/Mのファイルを読み込んでいき、そこで修正をかけたものをBSAVEして保存すれば!
ちょうど良いことにCP/Mの存在するアドレスとBASICのワークエリアとは干渉しない。
一部だぶったっけ。もう忘れたが、とにかく最初BASICが起動し、それからCP/MをBLOADして、CP/Mへジャンプしたら後はCP/Mだけが動く世界。
非常用電源
2024.02.12
ポータブル電源は、まだ手が出ません。何と言っても安全性が気になります。リチウムイオン電池の発火事故が怖くて。
それに電池の特性では長期保存時に半分程度の充電にしておかなければなりません。満充電だと寿命が縮みます。その管理も厄介です。
使いたい時に容量半分だとどうなのかと思うし・・・
そこで個人的には鉛バッテリーなのかな、やっぱり、と考えています。

(写真は一例)
カーバッテリー同様に、常時満充電を維持することが基本になっています。
UPSも未だに鉛バッテリーが良く使われています。
浮動充電(常時弱い電流で補充電)を行っていれば、いざという時に満充電で使えます。
欠点は重いことです。なにしろ鉛ですから・・・
これと安価なインバータを組み合わせる。さすがに冷蔵庫まで動かそうとは思いませんが、身の回りの照明とか通信手段に利用できれば。
そしてUSB機器の充電ができるようにすることです。
それに電池の特性では長期保存時に半分程度の充電にしておかなければなりません。満充電だと寿命が縮みます。その管理も厄介です。
使いたい時に容量半分だとどうなのかと思うし・・・
そこで個人的には鉛バッテリーなのかな、やっぱり、と考えています。
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(写真は一例)
カーバッテリー同様に、常時満充電を維持することが基本になっています。
UPSも未だに鉛バッテリーが良く使われています。
浮動充電(常時弱い電流で補充電)を行っていれば、いざという時に満充電で使えます。
欠点は重いことです。なにしろ鉛ですから・・・
これと安価なインバータを組み合わせる。さすがに冷蔵庫まで動かそうとは思いませんが、身の回りの照明とか通信手段に利用できれば。
そしてUSB機器の充電ができるようにすることです。
レーザー加工機の現実
2024.02.04
CNCを長年使ってきた自分にとっては、レーザー加工機は夢のようなものでした。
存在自体はかなり昔から知っていました。展示会で見て一目惚れです。買って帰りたい気分でした。まあ、値段は300万もしましたが・・・その当時(2000年代初め)
値段が下がってきたのは近年のことです。
とにかく加工の速さと仕上がりのきれいさには惚れ惚れします。
しかし、意外と手間やランニングコストのかかる物なのです。製品としては、まだ発展途上のように感じます。
身近な物、たとえばプリンタで定期的な調整と清掃が必要だったらどんなに不便でしょう。しかも工具を出してきて試行錯誤が要求されるとしたらどうでしょう。なんて面倒くさいんだと思うでしょう。
インクジェットプリンタにはヘッド調整などありますけど、それでも最初の1回か、ヘッドを交換した時ぐらいです。あとはインクが詰まった時にクリーニングするぐらい。簡単に操作できます。
大昔は複写機もドラム交換とか内部清掃とか、トナー補充といったメンテが必要でしたが、これをカセット式にした家庭用複写機が普及して、大幅に手間が削減されました。
レーザー加工機の場合、
加工物を焼いて切断しているので、煙が出てきます。特に木材だとヤニが出てきます。それでレンズや反射鏡が汚れます。
溶剤は反射鏡やレンズの表面処理が落ちるので、普通に綿棒だけを使って軽くこすります。強烈なレーザーを受けているせいか、いずれ劣化しますので交換が必要になってきます。
脱臭機は8万円ぐらいしたと思います。中身は単なるファンとフィルターだけです。
エアフィルターが汚れれば要交換です。これもまた意外と高い。何か身近なもので代用できれば良いんですがないでしょう。活性炭は家庭菜園に使うような物が大袋で売られていて比較的安そうです。HEPAフィルターなんかはさすがにありません。
悪臭で近所迷惑にならなければ、窓から直接排気すればエアフィルターは不要です。
レーザー管は寿命があり、一般に3,000時間と言われています。
実際は結構微妙で、通電時間を測定してトータル80時間しか使っていないのにもう切れなくなった、という人がいました。
ワット数など色々ありますが4~5万円もします。(うちは1本だけ予備を買ってあります)
一説によると、実際の通電時間ではなく、使い始めた時点からの3,000時間という事のようです。
うちなんかは月に1~2回、いくつか切ってみて1回あたり1時間にも満たない使用頻度ですが、そんなの関係なしに、使い始めから3,000時間だったらとっくに過ぎています。実際に使っている人の経験からは、2~3年ごとに交換しているような印象です。
これを交換するのが厄介で、水冷管も通っていますから、まずは水をこぼさないようにして慎重に作業します。
新しいものを取り付けると、微妙に位置がずれます。そこで光軸調整などが必要になってきます。面倒くさがって作業を省略すると、結果に出てきます。切れないなあと。
光軸ズレや光路の調整・・・
レーザーを最終的には細く絞って加工物を焼きますから、たとえばフォーカスがずれてぼやけてしまうとうまく切れません。
子供の頃、虫眼鏡で太陽光を集めて紙を焼いて遊んだ事がありませんか。これを思い出してみると良いです。光が最も絞られた状態が一番よく焼けました。そうなるようにレンズを動かして調整しました。
加工テーブル上、右端でも左端でも、左上でも右下でも真ん中でも同じようにならなければなりません。
反射鏡にテープを貼って、レーザーを一発打ってみて、ど真ん中に穴があくかどうか。きれいな点に抜けること。
ずれていたら、反射鏡の固定ネジをちょっと調整してもう一度レーザーを打ってみて、穴の開き方を見ます。
加工ヘッドを左上から右下までいちいち移動して、それぞれ確認します。これが職人技的な感じもしてきます。
何度も繰り返していると、しんどくなってきます。
光路の途中に反射鏡は3つありますから、それぞれ順番に調整が必要です。
オートフォーカスのヘッドに交換した時、そのままではビームがずれてしまって切れなくなりました。
それで実際に調整したんですが、なかなかうまくいかずに、くじけそうになりました。ここで終わったら投資が無駄だろうと自分に言い聞かせつつ・・・
オートフォーカスってのは大したものじゃなくて、加工物の表面に軽く当たったところで原点を決めるものです。
ボタンを押すと、ヘッド先端が降りてきて加工物に当たります。そして上がっていきます。
加工物との距離を最適にしようという仕掛けです。そうしないとビームが絞れませんから。
冷却水は、説明書によると2~3ヶ月に一度交換して下さいと書いてあります。
じつは全く交換したことはありません。2~3ヶ月に一度なんてそんな面倒くさい、と思います。
水道水ではだめです。よく蛇口の周辺が白っぽく汚れてるのを見ますが、ミネラル分です。これが詰まったりすると厄介なので精製水が必要です。
機械の内部に水をこぼさないように作業するのが非常に大変です。
たぶん初めての時に絶対こぼすでしょう。
水を足しながら、ポンプを回して循環すると気泡が抜けてリザーバーの水位が下がってきますので、適量に調整します。このあたりは車のラジエーターの冷却水の作業と似ています。
あとは・・・加工物を切り抜いた時に、その切りかすが下に落ちますので清掃が必要です。たとえば穴を切り抜いたらその芯の部分が落ちますけど、忘れず拾っておかないと、あとでそれにレーザーが当たった時に融けてこびりついたり、燃える可能性があります。
火災の注意。アクリルにレーザーが当たって焼かれると可燃性ガスが出ます。火がついて燃えだす事があります。冷却用のエアが吹き付けられているので酸素供給と同じこと。燃え広がる可能性があります。
従って、加工中は機械のそばを離れないようにして、もし燃えたらすぐ対処できるようにします。
まあ、結論を言うと、機械の保守やランニングコストが気になるなら所有しないほうが良いでしょう。これは3Dプリンタにも言えます。
加工サービスは各社ありますので、そこにデータを送って依頼すればその料金だけで済みます。機械のメンテを自分でやらなくて良いです。騒音の心配もありません。何個作っても機械の番をする必要もありません。
機械を手元に所有する利点は、使いたい時にすぐ使えることです。急ぎですぐ加工したいかどうかです。試作を色々やってみる人もいるでしょう。こういう場合に向いています。
機械を所有する喜びはありますが、同時に色々な面倒を抱え込みます。
機械を所有していても、試作は手元でやって、量産は加工サービスに外注でも良いでしょう。
存在自体はかなり昔から知っていました。展示会で見て一目惚れです。買って帰りたい気分でした。まあ、値段は300万もしましたが・・・その当時(2000年代初め)
値段が下がってきたのは近年のことです。
とにかく加工の速さと仕上がりのきれいさには惚れ惚れします。
しかし、意外と手間やランニングコストのかかる物なのです。製品としては、まだ発展途上のように感じます。
身近な物、たとえばプリンタで定期的な調整と清掃が必要だったらどんなに不便でしょう。しかも工具を出してきて試行錯誤が要求されるとしたらどうでしょう。なんて面倒くさいんだと思うでしょう。
インクジェットプリンタにはヘッド調整などありますけど、それでも最初の1回か、ヘッドを交換した時ぐらいです。あとはインクが詰まった時にクリーニングするぐらい。簡単に操作できます。
大昔は複写機もドラム交換とか内部清掃とか、トナー補充といったメンテが必要でしたが、これをカセット式にした家庭用複写機が普及して、大幅に手間が削減されました。
レーザー加工機の場合、
加工物を焼いて切断しているので、煙が出てきます。特に木材だとヤニが出てきます。それでレンズや反射鏡が汚れます。
溶剤は反射鏡やレンズの表面処理が落ちるので、普通に綿棒だけを使って軽くこすります。強烈なレーザーを受けているせいか、いずれ劣化しますので交換が必要になってきます。
脱臭機は8万円ぐらいしたと思います。中身は単なるファンとフィルターだけです。
エアフィルターが汚れれば要交換です。これもまた意外と高い。何か身近なもので代用できれば良いんですがないでしょう。活性炭は家庭菜園に使うような物が大袋で売られていて比較的安そうです。HEPAフィルターなんかはさすがにありません。
悪臭で近所迷惑にならなければ、窓から直接排気すればエアフィルターは不要です。
レーザー管は寿命があり、一般に3,000時間と言われています。
実際は結構微妙で、通電時間を測定してトータル80時間しか使っていないのにもう切れなくなった、という人がいました。
ワット数など色々ありますが4~5万円もします。(うちは1本だけ予備を買ってあります)
一説によると、実際の通電時間ではなく、使い始めた時点からの3,000時間という事のようです。
うちなんかは月に1~2回、いくつか切ってみて1回あたり1時間にも満たない使用頻度ですが、そんなの関係なしに、使い始めから3,000時間だったらとっくに過ぎています。実際に使っている人の経験からは、2~3年ごとに交換しているような印象です。
これを交換するのが厄介で、水冷管も通っていますから、まずは水をこぼさないようにして慎重に作業します。
新しいものを取り付けると、微妙に位置がずれます。そこで光軸調整などが必要になってきます。面倒くさがって作業を省略すると、結果に出てきます。切れないなあと。
光軸ズレや光路の調整・・・
レーザーを最終的には細く絞って加工物を焼きますから、たとえばフォーカスがずれてぼやけてしまうとうまく切れません。
子供の頃、虫眼鏡で太陽光を集めて紙を焼いて遊んだ事がありませんか。これを思い出してみると良いです。光が最も絞られた状態が一番よく焼けました。そうなるようにレンズを動かして調整しました。
加工テーブル上、右端でも左端でも、左上でも右下でも真ん中でも同じようにならなければなりません。
反射鏡にテープを貼って、レーザーを一発打ってみて、ど真ん中に穴があくかどうか。きれいな点に抜けること。
ずれていたら、反射鏡の固定ネジをちょっと調整してもう一度レーザーを打ってみて、穴の開き方を見ます。
加工ヘッドを左上から右下までいちいち移動して、それぞれ確認します。これが職人技的な感じもしてきます。
何度も繰り返していると、しんどくなってきます。
光路の途中に反射鏡は3つありますから、それぞれ順番に調整が必要です。
オートフォーカスのヘッドに交換した時、そのままではビームがずれてしまって切れなくなりました。
それで実際に調整したんですが、なかなかうまくいかずに、くじけそうになりました。ここで終わったら投資が無駄だろうと自分に言い聞かせつつ・・・
オートフォーカスってのは大したものじゃなくて、加工物の表面に軽く当たったところで原点を決めるものです。
ボタンを押すと、ヘッド先端が降りてきて加工物に当たります。そして上がっていきます。
加工物との距離を最適にしようという仕掛けです。そうしないとビームが絞れませんから。
冷却水は、説明書によると2~3ヶ月に一度交換して下さいと書いてあります。
じつは全く交換したことはありません。2~3ヶ月に一度なんてそんな面倒くさい、と思います。
水道水ではだめです。よく蛇口の周辺が白っぽく汚れてるのを見ますが、ミネラル分です。これが詰まったりすると厄介なので精製水が必要です。
機械の内部に水をこぼさないように作業するのが非常に大変です。
たぶん初めての時に絶対こぼすでしょう。
水を足しながら、ポンプを回して循環すると気泡が抜けてリザーバーの水位が下がってきますので、適量に調整します。このあたりは車のラジエーターの冷却水の作業と似ています。
あとは・・・加工物を切り抜いた時に、その切りかすが下に落ちますので清掃が必要です。たとえば穴を切り抜いたらその芯の部分が落ちますけど、忘れず拾っておかないと、あとでそれにレーザーが当たった時に融けてこびりついたり、燃える可能性があります。
火災の注意。アクリルにレーザーが当たって焼かれると可燃性ガスが出ます。火がついて燃えだす事があります。冷却用のエアが吹き付けられているので酸素供給と同じこと。燃え広がる可能性があります。
従って、加工中は機械のそばを離れないようにして、もし燃えたらすぐ対処できるようにします。
まあ、結論を言うと、機械の保守やランニングコストが気になるなら所有しないほうが良いでしょう。これは3Dプリンタにも言えます。
加工サービスは各社ありますので、そこにデータを送って依頼すればその料金だけで済みます。機械のメンテを自分でやらなくて良いです。騒音の心配もありません。何個作っても機械の番をする必要もありません。
機械を手元に所有する利点は、使いたい時にすぐ使えることです。急ぎですぐ加工したいかどうかです。試作を色々やってみる人もいるでしょう。こういう場合に向いています。
機械を所有する喜びはありますが、同時に色々な面倒を抱え込みます。
機械を所有していても、試作は手元でやって、量産は加工サービスに外注でも良いでしょう。