テレビから自分の声
2025.09.22
当時持っていたラジカセ(RQ448 MACFF)にはFMワイヤレスマイクが内蔵されていました。
本体内蔵マイクとして録音に使えるだけでなく、取り外して使うこともでき、楽しい玩具でした。

もうひとつ、ホーマー(共和製作所/現存せず)のFMワイヤレスマイクも持っていて、盗聴器というふれこみで漫画雑誌の通販にも載っていたと思います。私はデパートの玩具売り場で買いました。

FMワイヤレスマイクの楽しさはラジオから自分の声が出ることです。

テレビに出たいという願望もあり(実際には人前で喋ったりできない気弱な子どもだったが)、それに近い体験としてラジオから自分の声が出るってのは素敵なことでした。

放送局ごっこ、それです。
実際にミニFM局が流行しました。

そんなFMワイヤレスマイク、
小さな穴があったりして、そこから見えるコアを回すと周波数調整が出来ました。
FM放送と重なったらいけませんから、調整できるようになっていたのです。

基礎知識として、FM放送の周波数帯のちょっと上はテレビ(アナログ)のVHF帯1ch~の始まりでした。
実際、FMラジオのダイヤルを上限まで回すと、ビーという音がして、これはテレビの映像信号が音として聴こえていたものです。
(これを録音したら録画になるか、なんて試した事もありました。原理もわからずやっていて、結果的にダメでした)

それなら、FMワイヤレスマイクの周波数を調整して高い方に合わせりゃ、テレビから声が出るのでは・・・と思いついたのでしょう。

合わせなくても、こんな簡単な回路では高調波が出ますから、テレビのすぐ近くだったらモロに影響を受けていました。

砂嵐だった画面、マイクに声を入れると白黒の帯が出て暴れます。同時にテレビのスピーカーから自分の声。
まるで放送を乗っ取ったような気分。

まあ似たような体験は、ファミコンのコントローラのマイクを使えばできましたけど・・・

声を出すたびに画面が激しく暴れるので、大人たちから「やめろ、テレビが壊れる」って怒鳴られたものです。

自分たちは面白いからそんな事を言われてもやめられません。そもそも壊れるという根拠は何だよと思っていました。

ファミコンでテレビが壊れるなんていう噂が広まっていた時代ですから、いい加減なものでした。
CW(電信)
2025.09.22
いわゆるモールス通信

初めて知ったのは、小学生の頃にAMラジオをいじっていた時です。
放送だけじゃなくて、ダイヤルを回していると何やらピーピピー、ピー、とか音がするんですね。なんだろうこれは。

これはきっとスパイの暗号通信に違いないと確信した。仲の良かった友達にだけ教えて、こっそり受信していました。

この正体は、
当時、地元に電電公社の長崎無線電報局が有り、遠洋漁業などの船と中波や短波帯で交信していました。その強力な電波がラジオに入ってきていたというわけです。

常時、CQ CQ CQ DE JOS JOS JOS ...といったモールスが繰り返し流れており、当初は解読できませんでした。まずこれを受信して解読しようと試みました。
録音して、何度も何度も繰り返し聞き直しました。聞き取れるまで。
最初は短音いくつで長音が・・・なかなか拾えなかったものでした。
そのうちにだんだんわかってきて、おそらくJOSと打っていて、最後はKだなと。
何メガヘルツ、最後にK を打っていたようです。
数字のモールスを聞き取るのがややこしくて、なかなかわかりませんでした。

当時はネットなんか有りませんから、JOSとわかったところで何なのか容易に調べようがありません。自分の解読が間違っている可能性もありました。

ただ、その長崎無線電報局の巨大なアンテナを間近に見たことはあります。花見の名所でもあったようで、花見を目的に行った時でした。
あれを写真に撮っておこうなんて発想は当時なく、まさか将来なくなるなんて想像もできませんから、写真など1枚も持っていません。


そんなわけで、CWってのはピーピー音を電波に載せて通信しているんだな、という認識が最初に定着していました。

じつはアマチュア無線で言うCWは、搬送波を断続して送っています。ピーピー音は受信側で音に変えているだけなのです。これを理解したのはずいぶん後年になってから。
音を載せているんだとばかり思っていました。勘違いでした。
BFO
2025.09.22
あの頃はラジカセのオマケの短波に興味があり、何か面白い電波を受信しようとしていました。

当時7MHz帯でアマチュア無線の交信が傍受できました。
しかしラジカセで受信しても、モガモガ言うだけで聞き取るのが困難でした。

SSBという変調方式なので、そんなふうに聴こえるのです。

それでも頑張って交信を聴いていると、どうやら自動車が故障して、無線仲間に修理のアドバイスをもらっているんだろうな・・・という内容ぐらいは理解できました。

このモガモガを解消して聴きやすくならないものだろうかと当然考えました。

そこで共立電子が売っていたキットを買いました。BFOという発振回路です。

原理は省略します。
その回路の出力リード線を、ラジカセのアンテナに絡ませて調整します。

うまく調整できると、そのモガモガが消えて、普通の声として聴こえます。
実際、聴こえました。

あのモガモガが・・・ハッキリ聴こえるようになった時には感動しました。この感動を伝えるのは難しいでしょうけれど。

たしか、トランジスタ1個にコイルにコンデンサと抵抗ぐらいの簡単な回路でした。ラグ板に組んで。

今ではアマチュア無線の無線機を持っているのでたやすい事です。
しかし短波帯のアンテナを(住宅事情で)立てられなくて受信できないという状態で・・・

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